犬が体調不良の時にしてはいけないNG行為
犬の体調不良の定義
「体調不良」とは、文字通り、「体調が良くないこと」を指します。人間の場合だと、自分で薬を飲んで休養したり、自分の判断で病院の診察を受けたりできますが、犬は自分の言葉で「体調が悪い」とは言えません。
ですから、本来、愛犬が体調を崩している時は、出来るだけ早く、かかりつけの獣医さんの診察を受けて、体調不良の原因を突き止めて対処するのが大前提です。
原因はわからないけれど、愛犬がなんとなく体調が悪そうで元気がない…という状態でのNG行為とは、そのまま素人判断で放置することです。ですから、今回の記事で指す「体調不良」とは、「獣医さんに診察してもらったあと、病名、原因が判明し、自宅療養をし、安静を保つよう指示されている状態」とします。
犬が体調不良の時にしてはいけないNG1:ネガティブな行動をする
飼い主さんの好意・感情は愛犬に伝わる
犬は、人間の表情から自分に対してポジティブな感情を持っているのか、ネガティブな感情を持っているのかを見分ける能力があります。
しかも、いつも一緒に生活している大好きな飼主さんの心の動きは、より明確に愛犬に悟られるでしょう。不安や心配で飼い主さんの心が沈んでいたら、愛犬は、「自分のせいで飼い主さんが悲しんでいる」とより一層不安と悲しみを感じてしまうかもしれません。
愛犬を一番不安にさせるのは誰なのか
愛犬を不安にさせるのは、獣医さんでも看護師さんでもありません。愛犬が最も信頼し、頼りにし、愛している飼い主さんと家族であることが多いのです。
犬が体調不良の時にしてはいけないNG2:過剰に食事に気を遣う
かかりつけの獣医さんの指示に従うこと
なるべく、普段の生活と同じように過ごすことが大切ですが、食事に関しては、獣医さんの指示に従いましょう。病気や愛犬の体の状態によって、普段の食事よりもカロリーや栄養素、固さ、水分量などが異なる食事を与える必要があるからです。
自己判断で、「体に良いから」と普段与えないサプリメントや、特別なおやつなどを与えると却って愛犬の体に悪い影響を及ぼしかねません。薬や療法食を処方されているときには新たに与えたサプリメントなどが悪影響を与えてしまう可能性もあります。 体調の悪い時は、必ず「普段の食事に戻しても大丈夫」という獣医さんの明確な指示があるまでは、しっかりと獣医さんの指示に従いましょう。
普段どおりの食事を心がけること
「普段通りの食事を心がけること」というのは、食事の内容ではありません。「食事をしている環境」を出来るだけ変えないように、心がける、ということです。例えば、いつもは「食べ残しがないか」程度しか気にかけないと思います。
ですが、愛犬が体調不良の時は「ちゃんと残さず食べているか」「食欲はあるか」など気になってしまい、愛犬の食事が終わるまでじっと側にいて食事の様子を見ていたり、「ゆっくりでいいからしっかり食べようね」と声をかけ続けてしまったり、ふだんと違うことをしてしまいがちです。
そう言った「普段と違う飼い主さんの行動」が、愛犬に「なにか異常なことが起こっている?」と不安にさせる要因になり得ます。
犬が体調不良の時にしてはいけないNG3:長時間放置する
嘔吐、下痢などの急変に備える
例えば、ふだんから外で飼育している場合でも、体調不良の時は最低でも1~2時間に1回は愛犬の様子を見るようにしましょう。可能であれば目の行き届く場所に犬の生活の場を変えてあげるほうが良いでしょう。
また、室内飼育の場合でも、体調不良時はなるべく留守の時間が長くならないようにし急変に備えます。体調不良の原因となった病気にもよりますが、嘔吐や下痢などなにか異変があるかも知れません。
ゆっくり体を休められる環境を整える
ふだん、愛犬が眠る時に使っている寝床を清潔に、心地よく過ごせるようにしましょう。特に「静かに寝かせてあげなきゃ」と場所を移動したり、テレビなどをつけないようにする必要はありませんが、湿っていたり、汚れて臭うような場所ではゆっくりと心を落ち着けて休めないのは人間も動物も同じです。
犬が体調不良の時に見せる仕草
- 散歩に行きたがらない
- 寝ている時間が長く、呼吸が荒い
- 食欲が無い
- 毛に艶がなく、目に生気がない
以上のような仕草を見せる時は、まだ回復していません。しっかりと様子を見ながら、獣医さんの指示を守って安静に過ごせるように気を配りましょう
犬が体調不良の時に注意すべきこと
普段どおりの生活が出来るように心がける
犬は、飼い主さんや自分の家族の気持ちを感じやすい動物です。「安静に寝かせてあげたい」からと、過度に 家族間での会話の声を潜めたり、テレビなどの音を小さくしたり、部屋を暗くしたりすると、愛犬は「なにか異常なことが起こっている」と逆に怯えて緊張し、その緊張がストレスになってしまうこともあります。
ですから、愛犬の体調が悪くても、出来る限り普段と同じ生活を送りながら気を配っていきましょう。
獣医さんの指示に従う
かかりつけの獣医さんを信頼して、食事、散歩、投薬などはしっかりと獣医さんの指示に従いましょう。もしも、薬を処方されていて、その薬が残っている状態で愛犬の様子が改善しても、勝手に薬を止めずに指示されたことをしっかりと守りましょう。
常に愛犬の体調に気を配る
「普段通りの生活をする」ことを心がけつつ、愛犬の様子には常に気を配りましょう。
まとめ
犬は、人間と言葉を交わして意思を通じることが出来ません。けれども、「大丈夫だよ、安心して体を休めて早く元気になろうね」と声をかけることで、その気持ちは必ず愛犬に伝わります。それと同時に、私たちの不安や心配なども、愛犬は私たちの表情や仕草などから感じ取ってしまうでしょう。
ですから、私たち飼い主は、愛犬の体調を心配しながらでも心を奮い立たせ、愛犬の回復を信じましょう。心配がゆえに知らず知らずのうちにやってしまう「体調不良の愛犬にしてはいけないNG行為」は、かえって愛犬に不安や心細さを抱かせることになるかもしれませんね。