飼い主が勘違いしがちな『犬のしつけ方』3つ

飼い主が勘違いしがちな『犬のしつけ方』3つ

最近では犬のしつけの重要性や必要性が日本でも浸透してきていて、積極的にしつけに取り組む飼い主さんも増えてきました。ここでは飼い主さんがつい勘違いしがちなしつけについて解説します。

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①犬との上下関係をつくる必要はない

叱られて伏せている犬

「飼い主は犬のリーダーにならなくてはいけない」

以前はしつけの考え方として主流であった“リーダー論”ですが、近年ではその理論に疑問が投げかけられるようになってきています。“リーダー論”の根底にある「犬の祖先はオオカミである」ということ自体が間違っている(オオカミそのものが祖先ではない)と考えられていることや、オオカミなどの動物自体もそれほど強固な縦社会を築いていたわけではないということがわかってきたことが影響しています。

また、犬は人間に対して同種と認識していないため、犬との間に群れとしての上下関係を築くということはできないのではないかと考えられています。犬にとってのリーダーになるために必要と言われてきた『食事は犬より飼い主が先に食べる』『ドアは飼い主が先に出る』『犬をベッドやソファなど高いところに上げてはいけない』などのしつけには特に意味がないとされているのです。

もちろん衛生面や安全面においてはこれらのしつけも必要だと思いますが、関係性づくりという点ではあまり重視する必要はないでしょう。

②ほめるタイミングを間違えると逆効果

抱っこされて撫でられている犬

ほめるしつけが主流となっているため、愛犬を撫でたりおやつをあげたりしてほめながらしつけをしていくという人も増えています。叱るしつけというのは実は非常に難しく、ただ叱るだけでは「今、何をすべきか」ということが犬に伝わらず、ただ恐怖心を与えるだけで終わってしまうことがあります。

その点ほめるしつけでは、犬の今している行動を認めるということができるため、してほしい行動を定着させることができるのです。

しかし、ほめるタイミングを間違えてしまうと、望ましくない行動を定着させてしまうことにもなるので注意しなければなりません。例えば、他の犬などに対して吠えている犬に対して、吠えやんだ直後にほめてしまうのはやめましょう。犬は吠えやんだことではなく、“吠えていたこと”または“吠えてからやめたこと”をほめられたと勘違いしてしまい、吠えるという行動が強化されて増えてしまう可能性があります。

この場合のしつけにおいては、“吠える前”にほめる必要があり、他の犬が少しでも見えている状態や犬の気配がする場所でも吠えていなければほめるようにするなど、望ましい行動を犬がしているときにほめてあげるといいでしょう。

③犬のしつけで即効性と持続性は両立しない

訓練用の首輪

最近ではあまり見かけなくなりましたが、以前は「3日で問題行動が治る!」「一週間で狂暴犬をおとなしくする」などといったテレビ番組やしつけ本などがありました。そのため、犬は短期間でしつけることができると勘違いしている人も少なくありません。

しかし、実際には犬のしつけに即効性を求めることは非常に難しいことです。確かに飼い主さんでは制御しきれない行動を、訓練士やドッグトレーナーが対応することで落ち着いたりおさまったりすることはありますが、それはあくまで一時的なものであり、その効果がずっと続くというものではありません。

また、対応するのが飼い主さんに変われば、問題行動も戻ってしまうことが考えられるため、根本的な解決にはなりません。

行動の改善は少しずつ

犬の問題行動をしつけるためには根気が必要です。その問題行動をしていた期間の数倍の期間はかかると考えておいた方がいいと思います。言葉や理屈で理解させることができず、本能的な部分も強い犬に対して、人間の望む行動を理解して実践してもらうためには時間がかかってしまうのは当然のことだと思います。

少しずつ段階を踏んで問題行動を改善し、それを定着するためには時間が必要だということをぜひ知っておいてください。そして時間がかかるからと諦めて問題を放置するのではなく、愛犬としっかり向き合ってほしいと思います。

しつけたい内容やしつけ方法によっては、即効性が見られる場合もあります。しかし、その多くは犬の強い痛みやショックを与える訓練道具を用いて行う強制訓練です。これは一般の飼い主さんができることではありませんし、道具だけ購入して見様見真似で使ってみても効果的に使用することは難しいと思います。やむなく強制訓練という方法をとってでも、すぐに問題行動を改善する必要がある場合などには、犬の訓練士などプロの手を借りることをおすすめします。

まとめ

しつけをする女性と犬のシルエット

犬のしつけは日々進化しています。より安全でより効果的だとされるしつけ方法や、犬とのかかわり方を動物行動学者や研究者たちが常に探し求めています。そのため、犬のしつけ方法については様々な方法があり、どれを行えばいいかわからず迷ってしまう飼い主さんも少なくないと思います。

しかし、犬のしつけでは犬の個性や気質も大切な要素なので、どの方法が合うかは試してみなければわからないこともあります。いろいろなしつけ方法を知り、犬の反応や効果を確かめながら試してみるというのもいいと思います。そうした中で犬としっかり向き合って、犬の考えや気持ちを考えることができるようになるはずです。

最近では犬のリーダーになる必要はないと言われていますが、飼い主さんというのは犬にとって頼れるパートナーであるべきだと考えられています。上下関係を築いて“上の立場”から絶対的な命令を行うのではなく、コミュニケーションを取りながら共に成長していくことが必要なのだと思います。

関係性づくりや問題行動の矯正というのはとても時間がかかることだと思いますが、愛犬と向き合って根気よくしつけに取り組むことで、いつか必ず結果がついてくるものだと信じています。

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