犬がダッシュしたがる理由
体力・ストレス発散
犬が散歩中などにダッシュをしたり、とにかく走りたがったりする場合、その理由のほとんどがエネルギー発散のためだと思います。人間とは異なる身体能力や本能を持つ犬が、室内での生活で体力を持てあまし、多少のストレスを溜めているということは簡単に想像できることだと思います。
そうしたエネルギーの発散方法として、走るという行動に出るのはとても自然なこと。中には体力やストレス発散のために、吠えたり物をかじったりすることもありますが、走ることもそれと同様の効果が得られることだと思います。
興奮している
散歩以外でも犬が家の中などで突然ダッシュをしたり、グルグルと走り回ったりすることがあると思います。そのようなときは上記の通りエネルギーの発散はもちろん、何かしらの刺激で興奮状態にある場合が考えられます。大好きな飼い主さんが帰ってきたときや、窓から見える外の景色に他の犬や猫が映ったとき、おやつを目にして早く欲しいと思っているときなどに、気持ちの高揚を抑えきれずに走るという行動に出ることはよく見られます。
興味のあるものが先にある
散歩中に突然一心不乱に走り出すときは、その先に何か目的となるものがあることも。犬は人間には感じ取れないようなにおいや音に反応することがあり、気になるにおいがあったり大好きな犬の友達がいることに気づいたりして、それを追いかけるためにダッシュをすることはめずらしくありません。また、おしっこやウンチをしたいときなどに公園や草むらに向けてダッシュすることもあるでしょう。
犬のダッシュで注意すべきこと
走りすぎは体の負担になる
犬が走ることは自然な行動で決して悪いことではありません。むしろ適度な疲労感を与えたり筋力をつけたりするためにも、ある程度走らせることは必要です。ただし、注意したいことがいくつかあります。
犬種により異なりますが、犬の足腰の関節にとって“急発進”“急ブレーキ”はとても負担がかかるものです。そのため、筋力の少ない犬や体重の重い犬が短い距離のダッシュを繰り返すと足腰を傷めてしまう可能性があります。
また、アスファルトなど硬い地面の上ではさらに負担が増え、肉球が剥がれてしまったり傷ついてしまったりすることあるので、犬を走らせるときにはできるだけ土や草のある場所を選ぶようにしましょう。また、ダッシュを繰り返すよりもジョギングコースなどを利用して、ゆったりとしたペースで長い時間走る方が体への負担は少ないと思います。
また、犬が散歩中に突然ダッシュすることは危険を伴う場合があるので、できるだけやめさせるようにしましょう。急に引っ張られることで飼い主さんが転んでしまったり、リードを離してしまい犬が脱走して迷子になってしまったりすることもあります。また、伸縮自在のフレキシブルリードは限界まで引っ張られると、突然根元から切れてしまうことがあるので、走って遊ばせるときには十分注意しましょう。
犬と走る“ドッグマラソン”も
走るのが大好きな犬はたくさんいると思いますし、走って喜んでいる愛犬の顔を見るのが楽しみという飼い主さんも多くいることでしょう。しかし、路上でのダッシュは犬の体に負担がかかりやすく、事故や怪我につながることもあるので注意しなければなりません。
そこでぜひおすすめしたいのが、犬と飼い主さんが一緒に走る「ドッグマラソン」です。その名の通り、犬と人が併走してマラソンをするドッグスポーツで日本でもマラソン人気の高まりとともにさまざまな自治体や団体が取り組み始めています。
ドッグマラソンは元々フランスの獣医学校の運動会でスタートし“4PAT’S CROSS”と呼ばれています。他のドッグスポーツに比べ犬種が限られることなく、子供から大人まで幅広い年代の飼い主さんが参加できることから、非常に人気を集め競技人口は10万人以上だと言われています。
難しいルールや専門の道具などはなく、犬を飼っていれば誰でも気軽に取り組むことができます。愛犬と飼い主さんの運動不足解消はもちろん、ペースを合わせて一緒に走ることでより強い絆が生まれる素晴らしいコミュニケーション方法だと思います。
まとめ
犬がダッシュをしたがったり、走り回ったりすることは自然な行動。体力やストレスを発散し筋力をつけるためにも必要なことで、犬は本能的に走ることを望むでしょう。それを抑え込む必要はありませんが、犬の体に負担をかけないためには走り方や走らせる場所に少し注意が必要です。ダッシュだけでなく、ゆったりとしたペースで走ることができるドッグマラソンなどに取り組んで、ぜひ適度な疲労感と満足感を抱かせてあげてほしいと思います。