飼い主が犬に抱く理想について
「穏やかで愛らしい犬と一緒に寝たい」
「愛犬とドッグカフェに行きたい」
「愛犬とアウトドアを楽しみたい」
様々な理想や夢を思い描いて犬を飼い始める人が多いと思います。私たちは生活をより豊かに、楽しいものにしたいからこそ犬を飼うのであり、愛犬との生活に理想を抱くことは決して悪いことではないと思います。
しかし、すべての犬がその理想や希望に添うことができるとは限らないというのが実際のところ。人のベッドに乗ると枕や布団を噛みちぎってしまう、ドッグカフェでは興奮して吠えてしまう、怖がりで新しい場所に行くとパニックになってしまうなど、犬の性格やしつけ方によっては理想を叶えることは難しい状況になってしまうこともめずらしいことではないでしょう。
いつでも機嫌よくどこでも誰とでも仲良く遊ぶことができ、散歩中にむやみに吠えたり引っ張ったりせず、しつけにも素直に従う。さらにどんなものでも喜んで食べて健康。家族に対して優しく、落ち込んでいる人に寄り添ってくれる。
そんな絵に描いたような「いい子」は現実にはそう多くなく、犬にも個性があるため困った行動や癖を持っている場合もあります。必ずしも理想通りのドッグライフを送ることができるとは限らないということは、頭に入れておいた方がいいでしょう。
犬に理想を押し付けることの危険性
犬との生活に理想や夢を抱くことは悪いことではなく、それに向けて環境を整えたり必要なしつけをしたりすることは素晴らしい関わり方だと思います。しかし、飼い主さんの理想を押し付けたり、無理強いしたりすることは、犬にとって大きなストレスとなることがあります。
飼い主さんの理想を叶えるために過度に厳しいしつけを行ったり、犬本来の気質や性格に合わない生活を送らせることは犬に恐怖を感じさせたり不快感を与えたりすることもあるでしょう。理想を高く持ちすぎるが故に、ついつい感情的に接するようになってしまうことも。犬のしつけでは感情的に叱ったり、高圧的な態度をとったりして犬を委縮させることは決して得策ではありません。
また、極端な例ですが理想を持って犬を飼い始めた人が「思ったような生活ができない」「思っていたよりも世話が面倒」などの身勝手な理由から飼育放棄するケースもあります。
犬は人間のアクセサリーではありませんし、人間を楽しませるためだけに生きているわけではありません。理想を持つことは悪いことではありませんが、それが叶わない場合でも、どうか犬を見捨てるようなことだけはしないでください。
愛犬の個性に合わせた育て方を考えよう
犬との理想や夢を思った通りに叶えることができない場合、無理強いしたり飼育自体を諦めたりするのではなく、愛犬の個性に合わせた育て方をし新たな理想を描いてほしいと思います。元々持っていた理想とかけ離れた状況になってしまいそうであっても、その後の生活は続いていくものですから、犬の個性に合わせて楽しく過ごしていってほしいと思います。
理想通りにならないと思ったときに大切なのは、愛犬の個性や気質を見極めてあげることです。そうすることでどのようなことなら一緒に楽しむことができるのか、どう接すれば理想に近づけるのかといった新たなアプローチ方法を考えることができるのです。そのような見極めが難しい場合や適切な接し方がわからないという場合には、ドッグトレーナーなどに相談してみるのもおすすめです。
まとめ
犬との生活は楽しいものです。いろいろな理想を抱き、それに向けて必要なしつけをしたり環境を整えたりしていくこともドッグライフの楽しみのひとつだと思います。その中でどうしても理想通りにいかないこともあると思いますし、どちらかというと理想通りのドッグライフを送ることができる人の方が少ないかもしれません。
そうしたときに犬の気質や気持ちを無視して強要したり、犬とのコミュニケーション自体を諦めてしまったりすると、犬にストレスを与えるだけでなくお互いに寂しく悲しい思いを抱えることになってしまうでしょう。
理想はあくまで理想として、日々のコミュニケーションの中で愛犬に寄り添いながら軌道修正することで、より豊かで楽しいドッグライフに近づくことができると思います。
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20代 男性 匿名