犬が興奮する原因1:嬉しいとき
大好きな相手と出会った
社交的な性格の犬なら、家族だけでなく顔見知りの人間や、いわゆる「犬友達」に出会うだけでも嬉しくなって大興奮してしまうことがあります。
大好物が目の前にあるとき
犬の知能は、3~4歳の子供と同じくらいだと言われています。しっかりと訓練がなされている犬でなく、家庭犬として家族にただただ愛されて暮らしている犬は、まさに幼稚園に通うくらいの小さな子供と同じように、感情の赴くまま、目の前に大好物があり、それが自由に食べられない状態であれば、それだけで期待で胸が膨らみ、わくわくして興奮します。
楽しいことが起こると期待しているとき
性格の明るい犬ほど、家族と散歩をしたり、自分だけに気持ちを集中して遊んでもらえたりすることが大好きです。もしも、家族の誰かが散歩に連れて行ってくれるかのような素振りを見せたり、自分のおもちゃを手に持っていたりすると、「遊んでくれるかも」「散歩に連れて行ってくれるかも」と楽しい経験を思い出します。
楽しかった記憶によって、犬は人間に対しての期待を大きく膨らませます。そして、その感情がどんどんヒートアップして、興奮してしまうのです。
犬が興奮する原因2:警戒しているとき
自宅にいてチャイムが鳴ったとき
犬にとって、自分の家はいわゆる自分のテリトリーです。そして、犬は家族と一緒に暮らすうちに「チャイムの音が鳴ると、外から家の中に家族でない何者かが侵入してくる」あるいは、「侵入してこようとしている」ことを何度か経験します。
チャイムが鳴ることで興奮して吠えるのは、警戒と攻撃の感情によるものですので、嬉しいときに吠える声とは違う吠え方をしているはずです。
サイレンが鳴ったとき
サイレンの音は、オオカミの遠吠えの音と周波数が非常に似ていると言われています。そのため、サイレンが鳴ると本能的に遠吠えをしたい衝動に駆られて、何かに取りつかれたかのように無心に遠吠えをすることがあります。
犬が興奮する原因3:驚いたとき
雷や花火が鳴った
犬は人間よりもはるかに優れた聴覚を持っています。そのため、雷や花火の大きな音を聞けばかなりの衝撃を受けるでしょう。また、「雷の音」や「花火の音」が危険のない音だということも理解できません。犬にしてみれば、空気を揺るがすような大音響が空から聞こえているのですから、恐怖でしかありません。
ところが、全ての犬が雷を怖がるワケではなく、犬によっては雷を全く怖がらない場合もあります。犬が雷を怖がるのは、ただ音が大きいという理由ではなく、気圧の変化やオゾンの影響からでは?という説もあります。
犬が興奮する原因4:本能的な衝動に駆られたとき
散歩のとき、飛び立つ鳥やネズミ、猫を見た
犬種によっては、作出された経緯がもともと狩猟犬であった歴史があります。そういった犬種は、飛び立つ鳥や走る小動物を見ると、狩猟本能が目覚めて突発的に興奮状態に陥ることがあります。
犬が興奮する原因5:パニックになったとき
飼い主さんが視界から消えたとき
分離不安の犬や甘えん坊の犬は、信頼し、犬の心のよりどころとなっている飼い主さんを見失ったときにパニックになりがちです。
唐突に高い場所に抱き上げられたとき
小型犬など、体の小さな犬が突然、抱き上げられると地面から足が離れて不安になり、パニックになって暴れることがあります。
興奮しすぎた犬が起こす事故や怪我について
飼い主さんが転倒する
いきなり走り出したり、暴れたりする犬の行動を制御しようとして飼い主さんが転倒し、怪我をすることがあります。
飛びつかれた相手が転倒する
興奮した犬にとびかかられた相手がバランスを崩して転倒し、怪我を負ってしまうことも大型犬なら十分にあり得ます。
リードが外れて逸走する
パニックになり、興奮している犬を制御しきれず、飼い主さんがリードを手放してしまったり、首輪が抜けてしまったりして、逸走してしまうことがあります。
道路に飛び出して、交通事故にあったり、逃げて行方不明になったりすると、犬の命を失うことになりかねません。
飛び跳ねたときに腰や膝が脱臼する
興奮して後ろ足だけでぴょんぴょんと飛び跳ねたり、勢いよく走り出したりすることで、犬の膝や腰に大きな衝撃と負担がかかり、脱臼などのダメージを負うことがあります。
コマンドを聞かなくなったときの対処法
興奮している理由を見極める
まず、興奮している理由を見極めます。喜んでいるのか、警戒しているのか、驚いているのかを犬の様子を見て判断します。ふだんから犬の行動をよく観察していたら、鳴き声、目の輝きなどから理由を特定することができるはずです。
落ち着かせるコマンドや習慣を日頃から身に付けておく
どんなに犬の感情が高まっていても、飼い主さんの「マテ」のコマンドで我に返るように、日頃からしっかりとトレーニングをしておきます。「マテ」のコマンドを使うときは、毅然とした態度を崩さず、犬の行動を制御できるように飼い主さんもしっかりと練習します。
また、「マテ」と同様に「ハウス」というコマンドも興奮したときに有効です。来客に吠えてしまうときも、「ハウスの中にいれば安心で安全」としっかりと犬が覚えていれば、ハウスの中で大人しく静かに過ごしてくれるはずです。
おやつで気を引く
食いしん坊な犬には、何よりもおやつや食べ物が有効です。ただし、犬同士の喧嘩などで気が立っているときに食べ物を出すと、飼い主さんの手に噛みついたりする事故も起きる恐れがありますので、おやつで気を引いて興奮を抑えるのは危険です。
興奮している原因を取り除く
犬同士の喧嘩などで興奮しているときはその場所から強引にでも引き離すこと、花火などの音で驚いてパニックになっているときも、できるだけ早くその場から離れることなど、興奮する原因を取り除きます。
まとめ
体の小さな犬なら、力ずくで犬の行動を制御することができます。けれども、体重が15キロ以上する犬が本気で暴れたり、走り出したりしたら人間の力では制御しきれません。
とはいえ、人間の子供と同じように愛犬が大きな音や感情の爆発によって興奮してしまったとき、愛犬の行動を制御できなくなったことで、飼い主さんがケガをしたり、愛犬が命を落としてしまったりするようなことは絶対に避けなければなりません。
そのためにも、日頃からどんなに興奮しても愛犬の心に届く最低限のコマンドを有効に使えるように、愛犬だけに訓練を課すのではなく、私たち飼い主も努力する必要があります。
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20代 男性 匿名