人間とどう違う?犬の聴力について
犬は人間に比べて、非常に耳がいいということは広く知られていると思いますが、実際には人間の聞こえ方と犬の聞こえ方では、どの程度違いがあるのでしょうか?
まず人間が聞き取ることのできる周波数は、一般的に20~20,000ヘルツだと言われています。一方犬の場合は約65~50,000ヘルツを聞き取ることができるとされており、特に8,000ヘルツ前後の高音を聞き取るのが得意。人間の日常会話が約4,000ヘルツとされているので、犬に声をかけるときや呼ぶときには少しトーンを上げると、より聞き取りやすくなるでしょう。
また、犬の場合は様々な音を聞き取れることから、“音の聞き分け”も得意だとされています。「飼い主の足音や車の音などに気づく」「自分のおやつの袋の音がわかる」など、犬の聞き分け能力については多くの飼い主さんが実感したことがあるのではないかと思います。
犬が好む音・苦手な音の特徴とは?
音を聞き分ける能力に優れている犬ですが、好む音や苦手な音についてある程度傾向があると言われています。犬が好む音としては、食べ物に関わる音やおもちゃの音、飼い主からの呼びかけやほめ言葉などが挙げられます。これらは音そのものが好きというよりも自分にとっていいことが起こる際の音であるということで、音自体も好きになり敏感に反応するようになると考えられています。
反対に犬が苦手とする音には、「急な音」「大きな音」「甲高い音」「破裂音」「機械音」などが挙げられます。具体的には雷や花火、ドライヤー、掃除機、風船の割れる音、工事現場の音などで、聞いた瞬間に驚いてしまうような音や自然界には存在しないような不快感が続く音だとされています。また、飼い主の怒鳴り声などにも苦痛を感じる犬は多いでしょう。
犬が好む音楽ジャンルがある?
「犬は音楽など聴かない」と思う人もいるかもしれませんが、イギリスのグラスゴー大学とスコットランド動物福祉慈善団体による共同研究で、“音楽が犬の行動に与える影響”というものが調べられたことがあります。
その研究では、犬にソフトロック・モータウン・ポップミュージック・レゲエ・クラシックの6種類のジャンルの音楽を聞かせ、それぞれの反応や行動を分析しました。その結果、特にソフトロックとレゲエを聞かせたときに犬のストレスレベルが低下したことが判明し、犬にとっても心地よいと感じる音楽のジャンルがあるということがわかったのです。ただし、個々で好きな音楽は違うようです。
そして、犬の好きな音や好きな音楽ジャンルに注目して、犬にとってのヒーリングミュージックを集めたCDなども出されています。実際にそれらを聞かせた飼い主はいつもよりも落ち着いていた、ぐっすり眠っていたなど、愛犬の変化を感じる人が多いとされています。
まとめ
優れた聴覚を持つ犬たちには、好む音や好きな音楽ジャンルがあるということもわかっています。私たち人間と同様に自分にメリットがあることに関係する音や、ゆったりとした柔らかな音というものを心地よく感じる傾向にあるとされています。
ただし、音の聞こえ方や好みについては個体差もあるため、愛犬がどのような音を好むか、どのような音を苦手とするかということは、反応を確かめながらしっかりと把握してあげるようにしましょう。
そして、犬が不安や心配を感じているときは、気持ちが落ち着くような音楽を流してあげるなど、ストレスケアなどにもぜひ活用してほしいと思います。
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20代 男性 匿名