なぜ犬の目はあんなにもウルウルしているのか?

【獣医師監修】なぜ犬の目はあんなにもウルウルしているのか?

愛犬が飼い主であるあなたをじっと見つめる時、目をウルウルさせ、子犬のようにあどけない顔をしているように感じる時はありませんか?愛犬に目をウルウルされて見つめられたらどんなわがままもどんなイタズラも許してあげたくなりますね。犬が意識しているのか、いないののかはわかりませんが、なぜ、愛犬の目は飼い主さんを一生懸命見上げる時、あんなにもウルウルするのでしょうか?

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

目がウルウルして見えるメカニズム

まん丸な瞳で見上げる白い犬

目が潤むのはなぜか

目の表面がしっかりと涙で濡れたように潤っていたら、「目がウルウル」しているように見えます。涙は、目にゴミが入ったときや感情が高ぶったときにだけ分泌されるのではなく、目の表面が乾かないように常時、涙腺(るいせん)から分泌されています。

そして、目の中にある涙管(るいかん)をとおり、鼻へと排出されます。目が潤むのは、涙が排出されるスピードが、鼻へと排出されるスピードを上回ったときに目の中に涙が溜まっているからです。

なぜ、犬の目はウルウルしているのか

犬は、人間のように感情を言葉に出して表すことができません。犬同士なら、尻尾や体の動きで自分の意思を相手に伝えることができますが、人間と犬とでは、正確な要求、欲求、感情の伝達ができません。

けれども、犬は懸命に飼い主さんに自分の感情を伝えようとして意識を集中します。そのとき、犬の自律神経が刺激され、涙腺がその影響を受けます。
特に、好意的な感情が優位に立って自律神経が刺激されたときに涙腺が刺激されやすいため、飼い主さんを懸命に見つめるとき、犬の目が潤んで見えるのです。

犬の涙の役割

潤んだ瞳でこちらを見上げるコーギー

涙の成分

涙は、3つの成分からできている体液です。1つ目は油成分で、まぶたの端の方から少しずつ分泌されます。2つ目は、涙腺から分泌される水分で、この水分が涙の主成分です。そして、3つ目は、ムチンという粘度のある成分です。

涙が目を保護するメカニズム

油成分が水分の表面を覆うことで、水分の蒸発を防ぎます。けれども、水分だけではすぐに涙管へと流れてしまうので、ムチンという粘度のある成分によって水分が粘度を持ちます。

つまり、水分の蒸発を油成分が防ぎ、ムチンと水分が混ざることによって涙が粘度を持ち、長く目の表面に水分を与えることができるというのが、涙が目を保護するメカニズムです。

犬の涙にまつわるトラブルと予防法

横を見ながら寝転ぶキャバリア

涙焼け

「涙焼け」とは、本来、涙腺から涙管を通り、鼻へと排出される涙が、その通り道のどこかが閉塞することによって涙が目からあふれて、目の下の体毛の変色が起きていることを言います。

これは、そもそも「流涙症(りゅうるいしょう)」と呼ばれる病気が原因で、目から流れ落ちた涙が目の周辺の体毛に付着して、バクテリアが繁殖したり、涙の中のタンパク質が酸化したりすることによって、体毛が赤く変色します。

角膜炎

「角膜炎」とは、目の表面を覆っている透明な膜「角膜」が炎症を起こしている状態のことを言います。目にゴミが入ったことが原因で角膜を傷つけてしまう場合もありますし、ウイルス性などの感染症に感染すれば、傷がなくても発症する場合があります。

角膜炎になると、目が潤んでいるだけでなく、明るい光を刺激に感じるようになり、明るいところにいるのを嫌がったり、暗いところに行きたがったりするような素振りを見せることがあります。

逆さまつげ

まつ毛が異常な場所から生えていたり、異常な向きに生えていたりすると、目の表面に当たってしまい、いわゆる「逆さまつげ」状態になっていると、その刺激によって常に目が潤んだように見えることがあります。

まとめ

飼い主の足元に顔をつけて甘える柴犬

飼い主さんを目をウルウルさせて見つめる愛犬の表情は、どんないたずらをしていても、どんなにしつこくおねだりされても、全て許してしまいそうになる大きな魔力があります。

けれども、涙焼けがひどくなっていたり、目に違和感があったりするような素振りを見逃してはいけません。何か飼い主さんに訴えかけている以外のときにもずっと目が潤んでいるように見えるのであれば、何か目に問題が起きているのかも知れません。

もしも、飼い主さんがうるんだ愛犬の目を見て、何か違和感を抱いたら、なるべくはやく動物病院を受診しましょう。

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