シベリアン・ハスキーの特徴
シベリアンハスキーの話しを書こうと藏書を探していたら、もう20年も前にアメリカの犬友だちからもらった「Dog Stories」という本が見つかりました。物語の中に、ハスキー犬にまつわるドキュメンタリーがありました。シベリアンハスキーが初めて犬ぞりレースに登場して優勝した話です。4組出場して一位、三位、四位を勝ち取ったという「アラスカ賞金レース」の話、いま読んでもグッときます。
10数年前、スピッツがそうだったように、あるときシベリアンハスキーが大変なブームになったことがありました。(そういえば、ハスキー犬はスピッツ系の犬なのです。)そのブームはしばらく続いて、当時は東京の街中でも何頭もシベリアンハスキーを見たものです。
シベリアン・ハスキーの性格
ハスキー犬。遠吠えするとハスキー(しわがれ声)になるので、そう呼ばれるようになったこの犬は、もとエスキモーの犬でした。社会性が豊かな性格で、指示通りにものを運ぶ使役犬として、ハスキーほどの犬はほかにいないでしょう。表情は鋭いけれど、親しみを感じさせるものがあり、好奇心が旺盛なシベリアンハスキーは、とても魅力的な犬です。
シベリアン・ハスキーを飼うには
シベリアンハスキーのことを書こうと資料を漁るうちに、私はいま、静かなハスキーブームが起こっていることを知りました。ブームの時は7万頭もいたシベリアンハスキーは、いま2,000頭前後でしかないとはいえ、ペットブームの影で「北の貴公子」シベリアンハスキーが「目覚めている」らしいと知って、こうして書く筆が踊るのです。
滑るように走るハスキーは、雪の上でこそ絵になる犬です。それを手元で飼えたらなんと素晴らしいでしょう。でも、飼って育てるからには、並々ならぬ覚悟がいります。ハスキー犬が生まれつき持っている資質を抑えこんではいけない、そり引き犬の天性は並みの運動量では満足しません。
でも、シベリアンハスキー・ブームが本物なら、いまシベリアンハスキーを飼おういう人たちは本物のハスキー犬好きかもしれません。そして、いまシベリアンハスキーを繁殖させているブリーダーたちも、かつての同業者とは違う良心的な人たちかもしれません。
シベリアンハスキーのブリーダーのこと
シベリアンハスキーのデータを集めていたら、私は一群れのハスキー犬のブリーダーを見つけました。そのなかに、ハスキー犬だけを扱っているブリーダーが5つあります。私には何の偏見もなく、どのブリーダーをお勸めする知識も理由もありませんが、どれも良心的なブリーダーのようです。それぞれの宣伝文句と一緒にご紹介しますので、参考にしてください。
Arrow Bamboo Siberians
シベリアンハスキーの老舗ブリーダー・1983年、シベリアンハスキーのブリーディングを始め数多くのチャンピオンを作出し、現在、当犬舎の仔犬達はアメリカ、ヨーロッパ、アジアの国々でショードッグやペットとして活躍をしております。
http://www.arrowbamboosiberians.com
PASS SIDE JP
シベリアンハスキー専門犬舎。遺伝病にもしっかりと気を配り、健康で愛されるシベリアンハスキーをブリードを行っています。
http://passsidejp.wix.com/passsidejp
シベリアンハスキーのお部屋
アイスランドとアメリカから来たシベリアンハスキーたちの、楽しい日々!ホワイトハスキーもいます。可愛い子犬ちゃんも産まれています。
http://huskyroom.blog.fc2.com/
KOHOKU MABUCHI JP
シベリアンハスキー専門犬舎!!シベリアンハスキーを愛し続けて20年、スタンダードに基づいた、健全なブリーディングを行っています。たくさんのシベリアンハスキーがいますので、是非、見学にお越し下さい。
http://www.kohokudogs.com
AIZU BLESSING JP
シベリアンハスキーの自家繁殖でショーを楽しんでおります。
http://blessing4111.blog129.fc2.com/
私は先日、ここに「殺処分される保護犬たち。里親になる条件」という記事を書いて、殺処分される犬たちの話に触れました。その折、里親を探すサイトを巡り歩いたのを、いま思い出しています。いまこの記事を書きながら、シベリアンハスキーも相当の数が里親サイトに掲載されているのを知りました。シベリアンハスキー・ブームでこの犬たちにも多くの里親さんが見つかってくれるように願っています。
その里親の話で、私はいくつかの里親サイトを巡ってみました。どれも「殺処分ゼロ!」をテーマに心強く活動しています。そのなかから、私の独断と偏見で選んだのが次の里親サイトです。記事を読んで、伝わってくるものがあったので、ご紹介します。
ペットのおうち
http://www.pet-home.jp/dogs/cg_1061/
シベリアン・ハスキーの飼い方やしつけ
ここまでお話したように、シベリアンハスキーは並みの犬ではありません。だから、飼うには覚悟がいります。ネット上の情報交換のサイトでも、シベリアンハスキーを飼いたいと相談した人に「憧れる気持ちはとてもよくわかりますが、憧れだけではとてもじゃないけど飼えません」という答えがありました。
でも、シベリアンハスキーは飼い甲斐のある犬です。しっかりしつけたシベリアンハスキーとツーショットなどは、きっと犬好き仲間に羨ましがられるでしょう。
それでは、ハスキー犬をしつけるための知恵と方法をお話しします。
しつけは子犬時代から、育て方をはっきり決めて行います。子犬はペットショップは避けて直にブリーダーから買います。そこまで育てた人を見知っておくことは、とても大切なことです。どの犬でも同じですが、シベリアンハスキーはとくに頭部の張りがよく、マズルが太い、胸がしっかり張っている子犬がいい。値段は25万円というところでしょう。
ハスキー犬のしつけの難しさは、そり引き犬が生まれつき備えている力強さをどう「さばく」かということです。アメリカのドッグトレーナーで動物行動学者シーザー・ミランも、ハスキー犬のしつけの基本は「疲れさせること」だと言っています。
つまり運動量をしっかり確保してあげなさい、ということです。まず犬を十分に疲れさせること。聞いたところでは、朝晩一日二囘、二時間余ずつ、5〜6時間歩かせる、これを一年続けておっとりしたシベリアンハスキーに育てた人がいます。そのほかのしつけは、その上でのこと。ハスキー犬を飼うコツは、一日一回十分な運動で「疲れさせること」だ、覚えておいてください。
まとめ
シベリアンハスキーの立ち姿を見ると、なんともいえない気品があります。シベリアンハスキーは歩き方もとても優雅です。上下動のない、滑るような歩き方は、そりを引くために生まれついたものです。狼の雰囲気も十分備えていて、超然としている風情がなんとも魅力的です。大型犬のいいとこ取りした犬ですね。
それだけに、シベリアンハスキーを飼い切るには、悍馬を乗りこなす努力と思い入れがないといけません。その心意気がある人だけが、この犬と共生ができるのだと思います。犬好きは人に負けない私ですが、残念ながらいまはもうシベリアンハスキーを飼う資格はないようです。
▼シベリアンハスキーについて詳しく知りたい方はこちら
シベリアンハスキーの性格や特徴、子犬の値段や飼い方まで
ユーザーのコメント
50代以上 女性 さきこ
一時日本でブームだった美しく個性的な外見のハスキー犬は、営利だけが目的の心ないブリーダーにより際限なく産出され、知識と覚悟のない飼い主達に安易に買われて、また自分勝手な言い分で安易に保健所へ持ち込まれ、相当な頭数が殺処分された犬種の一種でもあると思います。
例え憧れの犬でも、その時の自分は飼い主として相応しいかどうかを見極め、最後まで飼生きれそうもないなら、最初から飼う事は諦める事ができる方達が、本物の愛犬家なのだと思います。
20代 女性 こなつ
でも、記事を読む限り…厳しい性格ですね。なかなかいつけもお散歩もハード…笑
飼い慣らすことができればみんなに羨ましがられるかっこいい犬種ですが、買うのはかなりの覚悟がいりそうです。
30代 女性 もこじ
でもそんな見た目からは想像もつかないぐらい甘えん坊で無邪気で犬も人も大好きな子でした。やっぱり散歩量や餌の量は多いし、吠える声は響くし、大変なことはいっぱいでした。なので、ハスキーに限らずですが、安易には飼ってはいけないと思います。
生き物に「ブーム」と付けるのは良くないと思うし、それに乗っかるのは絶対してほしくないです。
ハスキーは本当に愛情深い犬種です。最後まで家族一緒に過ごしてほしいと心から願ってます。
ちなみにうちの子は16年半生きました。最後は家族全員で看取りました。
40代 女性 ひろこ
40代 女性 まあや
歩く姿はとても優雅ですれ違う人が振り返るほどです。が、ここまでしつけるのにどれだけの苦労があったことかw
さらさらとした艶のある毛並や、鋭さの中に優しさのある瞳や、ピンとたった耳。
凛とした姿で甘えてくるギャップが、なんともたまりません。
主従関係をしっかり作ること、十分な運動をさせてあげられること、これができれば素敵な家族になれると思います。
一時ブームだった頃に、ハスキーはバカだとか、頭が悪いとか言われていましたが、
バカなのはハスキーという犬種を理解せずに飼った為に、ろくなしつけができなかった飼い主です。
ハスキーはとても頭が良く、主従関係ができあがれば、とても従順です。
40代 女性 こじ
ハスキーブームを引き起こした漫画とドラマがありましたが、うちの旦那さんは、そのドラマの中のハスキー犬をみて、飼うならハスキー犬がいいと思ったそうです。
なんの縁だか仕事で行ったペットショップで、売れ残ってたのがうちの子です。相談の上飼うことになりました。旦那さんは大喜びで、朝晩の散歩は勿論健康や足取り、食欲など親身になって気にかけていますし、とにかく溺愛していますw
躾はおすわりのみですが、困る事は散歩で引張られる事で、その他は特に無いです。
一緒に過ごす時間が長くなれば年を取ります。脚が痛む様なので、フードの見直しをして、少しでも良いと言われる物に変えました。
年齢にあったケアが必要なのはどの子もおなじですが、大型犬はなにかと高くなりますので、金銭的な余裕があると良いですね。
女性 匿名
肉球もかさかさになり、ケアした方がいいとは思いますが、マッサージも嫌がるので悩みの種です。
女性 匿名
ウチの仔は初期の白内障なので点眼薬とサプリメントで治療中です。
大型犬ならではですが関節が弱いので、急な坂道や滑りやすい所を避け草地を歩くと良いです。とは言うもののほとんどの道が草地では無くアスファルトです。アスファルトが爪磨きになり、切る事が無いくらいです。
ダブルコートを脱ぐ季節になり抜け毛が増えました。まめにブラッシングをしていますので心なしか白くなりました。可愛いです。
50代以上 女性 匿名
パピーの時の破壊力は半端なく、留守番をさせて帰って来た時の家の荒れようにはがっかりでした。
体力のある犬なので散歩もしっかりしなくてはならず、人間も体力がいります。
いつも側でちょっと身体をくっ付け寝ていて暖かく癒されます。
ユーモアがあり甘えん坊で可愛いパートナーです。
ハスキー犬の特徴を知り生涯を共にする事が出来たら、家族になるのも良いですよ。
50代以上 女性 こじ
ダブルコートはまだ抜けていますが随分減りました。 一年中ブラッシングはかかせません。
体重26kg体高58㎝の大型犬です。体力はあり朝晩の散歩はかかせません。強く引かれるので、力のある人が散歩に連れて行くのがよいです。
食べる量は1日250g月に7.5kgで、6千円くらいかかります。
フィラリアの予防接種も高価です。
経済的に余裕のある方向けです。我が家は余裕がないので、これから病気にかかったらどこまで治療を出来るか心配しています。
手の施しようの無い病気にかかったとしたら、その時にどうするのか考えてみました。
苦しむ我が子を診るのは辛い事です。安楽死という選択肢も有りますが、どんな事があっても、最期まで家族として後悔の無い看取りができるように願います。
女性 匿名
買い物に行く為鍵をかけたつもりで1時間くらいでかけていました。玄関は空き愛犬はいない…。頭は真っ白になりましたが、直ぐに役所に連絡し警察と愛護センターにも連絡して探しました。間も無く警察から電話があり、よそのお宅のわんちゃんに付いて行きお庭にお邪魔していました。有り難い事に怪我もなく無事に迎えに行けました。感謝です。
帰宅して身体を洗い疲れたのかぐっすり寝ていました。「ごめんね。」と謝りましたが情けない話です。何も無かった事は運が良かったとしか言えないです。
2度と無いように気をつけます。
女性 匿名
食事の量は変わらず、散歩にも行っていますが、秋になり被毛が増えてきたのと、シニアになり代謝が減って来たのではないかと思います。
40代 女性 まかぶらたると
この記事にもあるように、ブームとは残酷なもので、憧れだけで何の覚悟もなく欲しいものを手に入れようとしてしまうものです。そして実際に飼ってみると、想定外のことが多過ぎて、そのしわ寄せが犬自身に及んでしまうことも少なくないのではと思います。
ところで、運動量が多いだろうことは容易に想像できますが、まさか一回の散歩量が5〜6時間とは…。それこそ犬との時間によほど時間と体力を注げる人でなければ、飼うことは不可能かもしれませんね。
近所にもとても綺麗なハスキー犬がいます。公共の公園に無料で使えるドッグランがあるので、そこで幼犬の頃によく会っていて、うちの子とも遊んでいました。
ところがだんだん顔を出すことが減ってきて、会うことが格段に減りました。若いご夫婦が飼われていたのですが、成長して力が強くなりすぎて、奥さんでは手に負えなくなったようです。ご主人はもちろん日中は仕事ですので、どうしても帰宅後の夜間にしか散歩に連れていくことができない。朝も時間が無ければ行けないことも多くなってきたようで。半年ぶりくらいにばったり道端であった時、あまりにもふくよかになっていて驚きました。暑くもないのに、ほんの少し歩いただけで息が上がるほどでした。明らかに運動不足ですよね。体重が増えたことで、犬自身も動くことが億劫になったのか、ランに来ても全く走らなくなっていました。あんなに軽快に走り回っていたのに…。
散歩不足はシベリアンハスキーに限ったことではないでしょうし、飼うにあたっての覚悟はどんな犬種でも変わりないと思います。しかし、運動量がどれだけ必要なのかを把握せず、そしてどれだけ力が強くなるのか、しつけをどれだけ真剣にできるかの覚悟がなったことは、明らかな事例であるように思いました。こちらのご夫婦は、可愛がってはいる様子ですが、飛びつきも激しいので、犬好きを自負する私でも躊躇するほどです。
この記事を読んで、ふいにその子のことを思い出し、不憫に思えてならなくなりました。願わくばこの子の飼い主さんが、可愛いという気持ちだけでも生涯持ち続けてくれますようにと思ってなりません。
女性 ぬかづけ