最後の愛情表現。死の直前に姿を隠そうとした愛犬の優しさ

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最後の愛情表現。死の直前に姿を隠そうとした愛犬の優しさ

愛犬の死に際に立ち会うことはとても悲しく寂しく辛い別れです。ですが、私たち飼い主はその最後の時まで愛犬に寄りそい愛したいと願っています。最期のとき、愛犬が姿を隠す行動は私たちを拒否しているのでしょうか?それとも、愛しているからこそみられたくないのでしょうか?わたしが実際に出会った、最期の時に姿を隠してしまったワンちゃんとその飼い主さんのお話をご紹介します。

太陽を見つめる犬

犬が最期の日の前日に姿を隠したのはなぜ?

目も見えない、からだも動かないはずなのにどうやって?

自宅の近くでヨロヨロとあるく犬を保護したことがありました。かなりの高齢で電信柱や壁にぶつかりながらどこかへ向かって歩いていました。

まだ新しい首輪をつけていたので、脱走してきてしまったのだろうと警察に届けるとすぐに飼い主さんが見つかり、お迎えに来てくれることになり、ホッとしていました。

からだは痩せていて、床ずれのあともありどうやって歩いて来たのか不思議なほどでしたが、きっと近くに住んでいるワンちゃんだろうと思っていました。

歩き疲れたのか、おとなしく伏せて差し出したお水をガブガブと飲んでいましたが、その様子から目があまり見えていないことが分かりました。

おやつを鼻先に持って行くと、匂いを頼りに顔を動かし勢いよく食べてくれました。

飼い主さんが家族全員でお迎えに来て、朝から総出で探し続けていたとのことでした。

とても驚いたのはこの子はこの日の朝まで寝たきりの状態だったというのです。

17歳の高齢犬で、食欲も落ちてきて目もほとんど見えていない状態で2か月ほど前から寝たきりになり家族で介護をしていたそうです。

この子のお家は保護した場所から10キロほどのところにあり、目も見えずに寝たきりだった子がどうやってここまで歩いて来たのかとても不思議な出来事でした。

道路迷子犬実際に保護した時の写真

前日に痙攣発作

この日は朝からとてもお天気がよく、日光浴をさせてあげようと玄関の前にケージを出してベッドの上にこの子を寝かせていたそうです。

自分でおき上がることも歩くことも出来ないので、リードの係留はなく眠っていたのでそのまま少しのあいだ目を離した間に居なくなっていたそうです。

前日に短い痙攣発作をおこし、食事もまったくとっていない状態でもうそろそろ最期の時が来てしまうのではないかというのは感じていたとのことでした。

保護した時にお水をたくさん飲んで、おやつも食べたことを伝えるととてもそんな状態ではなかったとお母さんはとても驚かれて、涙を流しながら抱きしめていました。

家族を繋いだ愛犬

この子をむかえる時のご縁でこのご夫婦は出会ってご結婚されたそうです。

お母さんは旦那さんよりも長く一緒に暮らしてきた大切な家族です。と教えて下さいました。

二人のお子さんも産まれたときから一緒に暮らしてきた家族が突然いなくなってしまって、必死に探していたようで、家族みんなに抱きしめられてこの子はとても愛されて幸せな時間を過ごして生きて来たことが伝わってきました。

最期の時

無事に家族のもとへ帰ってから数日後、改めてお礼にとこのご家族が来て下さり、お家に帰った翌日に家族に見守られながら旅立ったと教えて下さいました。

お散歩が大好きな子で、いつも家族で順番にお散歩に行っていたからきっと最後に自由にお散歩したかったのかもしれません。

とお母さんはおっしゃっていましたが、やはりあの体で10キロも歩いてきたことをとても不思議に感じていらっしゃいました。

「なにか伝えたかったのか」
「本当は家が嫌だったのか」
「死に際を見せたくなかったのか」

でも、大切な家族の最期を見届けることができたのは居なくなって「最期の別れ」を知らせようとしたのかもしれないとおっしゃっていました。

犬が最後に姿を隠す理由

犬は体が弱ると群れから離れ隠れてジッと身体を癒す習性があるそうです。群れの行動に弱った身体の自分がいることで、天敵から狙われやすく危険を招きやすくなるため仲間に守ってもらうのではなく、自ら隠れるそうです。

自分自身を守るため、群れを守るためにもこの様な行動をすることがあります。

もしかしたら、弱った自分が飼い主さんの傍にいることで大切な家族が危険になってしまうと考えているのかもしれません。

隠れて身体を癒し元気になってまた戻ろうと思って姿を隠すのかもしれません。どんな気持ちで犬が最期の時に姿を隠すのかは本当のことは犬に聞いてみないと分かりません。

ですが、犬はとても感情豊かな動物です。愛され長い時間を飼い主さんと共に生きて来た犬はきっと飼い主さんの気持ちを理解しています。別れが悲しいことも理解しています。

飼い主さんを悲しませないよう、死に際を見せずに逝くことが犬からの愛情表現なのかもしれません。

最後に

ぼかし写真メッセージ入り

わたしが出会ったこのワンちゃんは、姿を消したことで飼い主さんは「なにか知らせているのではないか?」と感じたと言っていました。

おうちに戻ってからも心配で目が離せなくなり、翌日は家族全員お休みをとりこの子を囲んで過ごしたそうです。

この子は大好きな家族に見守られながら逝くことを選んで、それを知らせるために最期の力をふりしぼって「大冒険」に出かけたのかもしれません。

目が見えないこともあり、少し遠くまで来てしまいましたが本当は「サイン」を送るために姿を隠して、直ぐに戻るつもりだったのかもしれません。

飼い主への愛情で最後の時に姿を隠す行動をするのだとしたら、私たち飼い主は「最期の時も傍で見守らせてください」と言いたいですね。

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