犬の攻撃行動には4つの要因がある
犬は同性の犬達に囲まれたり散歩中に別の犬と遭遇したりすると、緊張感が高まり尻尾をピンと立て、お互い微妙に視線を逸らせながら相手の動向をうかがうことがあります。
これらは犬社会には欠かせない大事な行動です。
しかし、これらの術を知らない犬は『犬社会不適応』になっているのです。
攻撃性のある犬は、『躾が悪い』と一般的に言われますが、しかしその背景には大きく分けて4つの要因があります。
それは、『性別』『犬種』『育ち方』『病的なもの』です。
これらの要因が絡み合うと、攻撃的な犬になってしまいます。
もし攻撃的な犬になってしまったら、難しいとは思いますが性格の修正をしなければなりません。
考えられる攻撃行動の原因
犬が攻撃行動をとるのは以下の原因が考えられます。
<縄張り意識>
縄張り意識とは、自分の支配テリトリーに関する意識の事であり、外での縄張り意識は勿論ありますが、皆様もご承知の通り家の中に於いてもあるのです。
例えば自分のケージ,寝床の周辺,車中,自分の食器が置いてある周辺などが縄張りとしてみているとされています。
このスペースに別の犬や知らない人が入ったりすると、縄張り意識の強い個体は、唸り声を上げたり噛み付いたりという攻撃行動をとる場合があります。
<序列意識>
序列意識とは、群れの中での自分の立ち位置、つまり順位に関する意識の事です。
他の犬よりも優位に立ちたいという強い意識から攻撃行動に出る場合があります。
家庭内でもアルファー犬(自分がリーダーだと思い込んでいる犬)が攻撃行動をとるケースが多いです。
しかし、この意識は極めて多様な要因によって影響を受ける流動的なもので、犬種,性別,性格,去勢手術の有無,繁殖期,生活環境,ストレスなどが絡み合った結果、攻撃行動に出る場合があります。
<フラストレーション>
フラストレーションとは欲求不満の事であり、満たされない欲求のためそれがストレスとなり攻撃行動をとる場合があります。
考えられる原因とされるのは、
- スキンシップが足りない
- エネルギーが発散できていない
- 留守番が多い
- ヒート時のメス犬の匂いが気になる
など、何らかの欲求不満が蓄積される事で攻撃性が高まります。
<恐怖心>
攻撃行動は恐怖心から起こる場合があります。
恐怖心が限界を超える事で、防衛本能から攻撃に一転します。
『窮鼠猫を噛む』と言う状態になった犬が、恐怖心の一定レベルを超えてしまう事で残された最後の手段である『噛み付く』と言う攻撃行動が生み出されます。
<独占欲>
犬はドッグフードやオヤツ、またはお気に入りのオモチャなど、自分のものだと認識しているもの独占しようとします。
それらを他の犬や人間が奪おうとすると、それが怒りとなって現れ、攻撃行動に転じる場合がありますが、これは人間も同じです。
自分の所有物を見知らぬ人に突然奪われたら、誰だって怒るでしょう。
正常な人間には理性がありますから、いきなり暴力を振るったりはしませんが、犬は怒りの頂点に達すると究極の攻撃行動である【噛み付く】行動に出ます。
<先天的要因>
犬によっては生まれつき攻撃性の強い個体もいます。
<母性本能>
雌犬が母性に目覚めると怒りっぽくなり、我が子を守るために唸り声を上げたり吠えたりします。
例え飼い主であっても子犬を抱き上げようとすると、手に噛み付くことも珍しくはないのです。
また、想像妊娠中の犬はオモチャやぬいぐるみなどを我が子と見なし、取り上げようとすると唸り声を上げる事もあります。
<その他>
病気や怪我によって何処かに痛みや不調を感じると、犬は自分の身を守るために、不用意に近づいたり触れたする事で攻撃行動を引き起こすケースがあります。
まとめ
問題行動の修正を飼い主が行うのは非常に難しいです。手遅れになる前に、行動学に詳しいドッグトレーナーや獣医師などに頼るのが最善策であると思われます。
専門家だと命に関わる様な咬傷事故を予防できますし、難しい攻撃行動の原因を的確に把握してくれます。
そして最も効果的であり、的を得た躾方法をアドバイスしてくれますし、必要性があれば【投薬治療】も可能です。
どんなに攻撃性のある犬になってしまっても、愛犬を思う気持ち,愛犬を深く愛する気持ちを持ち続ける事です。
専門家の力と、自分が愛犬を強く愛する気持ちを合体させれば、きっと良い結果に繋がると思います。
それを信じて愛犬と向き合って下さい。
この記事を参考に、攻撃的なワンちゃんと飼い主様が幸せになれるよう、願っております。
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女性 さくら
50代以上 女性 匿名
50代以上 女性 匿名