犬が過呼吸になる理由!関連する病気や症状、対処法まで

【獣医師監修】犬が過呼吸になる理由!関連する病気や症状、対処法まで

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犬も人間のように「過呼吸」を起こす事があります。私たち人間も全力疾走すれば、息が上がって苦しくなります。でも、それは病気ではないですよね。犬の場合も同じこと、運動が過ぎれば舌をだして呼吸が荒くなります。しかし、運動過剩でもないのに苦しそうに息をする、いわゆる過呼吸状態になることがあります。犬が過呼吸になる理由や原因、過呼吸を引き起こす病気などをまとめました。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬が過呼吸になる理由は?

首をかしげて座るパグ

犬の過呼吸とは、犬が必要以上に呼吸を繰り返してしまう状態のことを言います。犬が過呼吸になる理由は、病気の前兆または症状の一部であったり、ストレスなどの心理的な要因、外傷、一時的な発作など様々です。犬が過呼吸になる原因について詳しくご紹介します。

過呼吸の原因

  • 呼吸器系の病気
  • 心臓の病気
  • ストレス
  • 外傷
  • 熱中症
  • 興奮状態

犬が過呼吸になる原因は、病的なものではない過呼吸と、何らかの病気が原因となっている過呼吸に分けることができます。

病的なものではない一時的な過呼吸は、激しい運動をした後や嬉しいことがあった時など興奮状態に陥っている場合、または花火や雷などの大きな音を聞いた時や、動物病院へ行く車中などに極度の恐怖や緊張を感じた場合などにも過呼吸のような症状が現れることがあります。

特に短頭種、「鼻ぺちゃ」の犬種は、呼吸が荒くなることも多く、食後や水を飲んだ後などにも「フガフガ」「フゴフゴ」といった呼吸音が聞こえることも。

病気のサインとして現れる過呼吸の原因は、主に鼻腔、咽頭、気管支、肺などの呼吸器や心臓の病気が疑われます。また、真夏などの暑さが厳しい季節に熱中症の前兆として過呼吸が現れることもあります。

逆くしゃみかも?

犬の過呼吸によく似た症状に「逆くしゃみ」と呼ばれる存在があります。逆くしゃみとは、「ブヒブヒ」「フゴフゴ」という呼吸音と共に、断続的に鼻から激しく息を吸い込み続ける症状を言います。

過呼吸との見分け方は、逆くしゃみの場合「口を閉じて鼻から息を吸い込んでいる」ので、口が閉じているかどうかを確認するといいでしょう。この逆くしゃみには病的原因は無く、通常1分以内で治まり、犬自身も特に苦しいわけではないとされていますので、特に治療なども必要ありません。
頻繁に逆さくしゃみを起こしたり、なかなか止まらない場合は他に原因があるかもしれません。動物病院を受診したほうが良いでしょう。

過呼吸を引き起こす犬の病気

眼鏡をかけた犬と聴診器

鼻腔の病気

鼻腔狭窄(びくうきょうさく)とは、鼻の穴とそれに繋がる空間である鼻腔が狭くなっている状態のことを言います。

特にパグやブルドッグ、フレンチブルドッグ、ペキニーズ、ボクサーなどの短頭種気の先天性奇形が原因となって現れることも多く、軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)などと併発することで「短頭種気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん)」と呼ばれることもあります。

鼻腔狭窄を引き起こすと、呼吸が荒くなり「フガフガ」「グーグー」などの呼吸音が常時聞こえるようになったり、度々過呼吸のような症状が現れるようになったりすることも。

放置しておくと、呼吸困難によって死亡してしまう可能性もありますので、早急に動物病院を受診しましょう。

咽頭・喉頭の病気

咽頭炎や喉頭麻痺など、咽頭部や喉頭部に何らかの不具合が起きると、過呼吸の症状が現れることがあります。

咽頭炎の場合は、異物や毒物の誤飲、吸引などが原因となります。

喉頭麻痺の場合は、神経や筋肉の異常が原因となることが多く、いずれも「ゼーゼー」という喘鳴や咳のような症状が見られます。

気管・気管支の病気

犬の気管、気管支の病気が原因となって過呼吸を引き起こす可能性があります。過呼吸の原因となるのは、気管が押しつぶされてしまう気管虚脱(きかんきょだつ)や、気管、気管支の一部が狭くなる気管支狭窄(きかんしきょうさく)など。

気管虚脱は、気管軟骨が弱くなるなどの原因で呼吸時に気管が押しつぶされて上手く呼吸ができなくなる状態のことをいいます。特にポメラニアン、ヨークシャーテリア、シーズー、トイプードルなどの小型犬や短頭種が発症することが多いとされています。

気管支狭窄は、異物の誤飲や外傷、腫瘍による圧迫などで気管支が狭くなり、空気の通り道が狭くなる状態のことを言います。他にも、高齢犬の場合は長期の炎症や感染によって慢性的に気管支が異常拡張を引き起こす気管支拡張症(きかんしかくちょうしょう)と呼ばれる病気によって過呼吸を引き起こすことも。

空気を取り入れる重要な役割を担っている気管、気管支に何らかのトラブルが生じると容易に呼吸困難に陥ってしまうため、過呼吸の症状が現れた場合はこれらの病気を発症していないかどうかをしっかりと診察、検査してもらう必要があります。

肺の病気

呼吸困難を引き起こす病気として、肺炎が挙げられます。肺の一部、3分の1ほどが冒されると、呼吸困難を引き起こすとされています。

一言に肺炎といっても、細菌性やアレルギー性などその原因は多岐に渡るため、その原因を突き止めることが重要となります。また、肺炎や気管支炎、心臓病などに続発する肺水腫(はいすいしゅ)によって呼吸困難を引き起こします。

心臓の病気

呼吸困難を起こす原因として、心臓の病気が隠れている可能性があります。特に心臓の左側(左心房、左心室)の不具合が呼吸困難と関係が深く、肺水腫を引き起こす可能性も高くなります。犬の代表的な心臓病としては、僧帽弁閉鎖不全症(ぞうぼうべんへいさふぜんしょう)が挙げられます。

てんかん

犬の過呼吸が「てんかん」の発作である可能性もあります。犬のてんかんとは、脳内神経に異常信号が生じることで体のコントロールができなくなる「てんかん発作」を伴う状態のことを言います。

てんかんの原因や症状に関しては非常に複雑で個体差があり、適切な治療と経過観察を行う必要があります。定期的な検査や投薬による発作の緩和などを行います。過呼吸中に体の硬直や痙攣、意識の消失などが併発する場合はすぐに獣医師に相談しましょう。

過呼吸中に犬がこんな症状を見せたら注意!

苦しそうな犬

  • 嘔吐
  • よだれ
  • 倒れ込む
  • 体の震え、痙攣
  • 意識の消失
  • チアノーゼ

犬が過呼吸中に上記のような症状を併発した場合は、早急に動物病院を受診してください。過呼吸と共に「ゼーゼー」と咳をしたり、大量のよだれや胃液を吐いたりする場合は、何らかのウイルス感染や異物、毒物の誤飲なども考えられます。また、過呼吸中に痙攣や意識の消失、チアノーゼなどの症状が併発した場合は、症状が収まるまでは無闇に体を動かさず、獣医師に指示を仰ぎましょう。

犬にも人間同様、くしゃみやしゃっくりのように自然現象として現れる逆くしゃみのような存在はあるものの、過呼吸と同時に上記のような症状が現れる場合は何らかの重篤な病気を患っている可能性が高いと言えます。

特に老犬の場合で、運動をしていない時や寝ている時に突然呼吸が荒くなるような場合は、注意が必要です。これらの症状が現れた時点で末期である可能性もありますので、一刻も早く適切な処置を行えるよう対処しましょう。

犬が過呼吸になった時の対処法

鼻を隠して眠る犬

鼻を軽く押さえる

犬が過呼吸になった時、数秒間鼻を軽く押さえて呼吸を止め、呼吸を落ち着かせることで過呼吸を止めることができる場合があります。しかし、運動後や興奮状態にある場合、痙攣を伴う場合などには逆効果になる可能性もありますので、冷静に判断する必要があります。過呼吸の症状が落ち着いたら、すぐに動物病院を受診しましょう。

マッサージ

心因的な原因で過呼吸を引き起こしていると考えられる場合、飼い主さんが背中や足などを優しくマッサージするだけで呼吸が落ち着く場合もあります。ただし、この場合も過呼吸中に無理に体に触ると逆効果になる可能性もありますので注意してください。

また、犬にも「ツボ」なるものがあり、なかには呼吸器の安定に効果があるツボもあるようなので、心因的な過呼吸を繰り返す場合は、試してみるのもいいかもしれませんね。

危険な物を避ける

犬の過呼吸に痙攣や意識の消失が伴う場合、無理に犬に触ってはいけません。倒れたり、暴れたりしてしまっても危なくないように犬の周りの物をすぐに片付けましょう。

また、スマホなどで動画撮影しておくと、獣医師への説明に役立ちます。症状がなかなか治まらない場合は、動物病院へ連絡して指示を仰いで下さい。

犬の過呼吸の動画

ポメラニアンなな過呼吸になる。

こちらは気管虚脱を患うポメラニアンななちゃんが、外遊びの最中に過呼吸症状を発症した様子を撮影されています。お水を飲ませたり、ビニール袋を利用して呼吸させたりと過呼吸を止めるために試行錯誤されている様子も紹介されていますので、参考にしましょう。

みんと・・・・また過呼吸????

飼い主さんの帰宅に大喜びのみんとちゃんですが、鼻をフガフガと鳴らしていますね。このような症状は逆くしゃみと見分けがつきにくく、コメント欄でも見解が分かれており、「これならうちの子もするよ!」というコメントも多いようです。

まとめ

女性に抱かれて嬉しそうな犬

犬の過呼吸について原因、症状などをご紹介しましたが、いかがでしたか?思えば、犬を飼うときに日頃から観察するポイントのなかでも、呼吸器系は消化器系と並んで犬の日々の健康状態を知る大切なバロメーターといえます。「息遣い」や「食べっぷり」など、犬が発信する「信号」がもっとも身近に出るところですね。

犬の過呼吸の原因となりやすい呼吸器系の病気にはどんな症状や原因があるのか、過呼吸と逆くしゃみはどう違うのか…それらの知識を蓄えておくことで、少しでも冷静に対処できるよう備えましょう。

犬の過呼吸はほんの少し注意力を高めれば、見逃さずに済む症状でもありますので、日頃からしっかりと観察していち早く異変に気付くことができるよう心がけたいですものですね。

ユーザーのコメント

  • 投稿者

    30代 女性 もこじ

    たまに散歩ですれ違う犬が、異常に呼吸が荒いなぁと思うことがあります。暑くて疲れてるだけかな?と思ってたんですが、そこに病院が潜んでるかもしれない!と思うとゾッとしますね。愛犬はまだ1歳未満で元気いっぱいなんですが、心臓は注意しないといけないと病院の先生には言われているので、常に気をつけて意識しようと思います。愛犬には苦しい想いさせたくないなぁ。
  • 投稿者

    30代 女性 TIKI

    我が家の愛犬もこの夏に散歩から帰ると「ハアハア」と過呼吸のような症状になる事が増えました。でも、記事にあるようにちょっと歩きすぎたりきつめの運動後なので、様子を見ると落ち着いてきます。もしもそれ以外の時に同じように過呼吸になったり咳が出たりしたら、気管系に何かあるか?肺や心臓に何かあるか?獣医さんにすぐに相談しなければいけないと思いました。
  • 投稿者

    20代 女性 こなつ

    わんちゃんが実際に過呼吸になっているところはまだ見たことがないです。でも、実際にみると分かってはいても驚きますね。
    考えられる病気の種類も結構あるんですね?。そのまんま死んでしまうなんて、怖すぎます。
    原因がわからないと不安なまんまなので。お医者さんに行って、愛犬のためにも原因を早く知りたいですね!
  • 投稿者

    30代 女性 匿名

    短頭種気道症候群という病気があります。生まれつき喉に異常があるために気道が狭くなり、興奮時に呼吸困難になり、舌が紫色になります。ガチョウみたいな、特徴的な呼吸音を伴った呼吸困難なので、わかりやすいです。
    パグ、ブルドッグ、シーズーなどの短頭種に多い病気ですが、喉の異常は必ずしも短頭種だけではないので、注意してあげたいですね。ちなみにうちの犬は雑種で、喉の異常は去勢手術の時にわかりました。
    高温多湿、興奮、肥満が症状を悪化させる因子なので、暑い時期の温度管理には十分注意して、食事での体重管理、躾でのテンションコントロールに力を入れる事をお勧めします。

    細かい対処方法としては、舌の色が紫色になっていたら、呼吸困難から酸素不足を起こしているので、涼しくて安静にできる場所に置いてあげると症状が軽い場合はピンクに戻ります。なかなか戻らない時はすぐに病院に行った方がいいと思います。涼しい時間に散歩し、給水をこまめにする事は、呼吸困難だけでなく、熱中症の予防にもつながると思います。
    パグやブルドッグ系は特に暑さに弱い短頭種ですね。暑さ対策は室内でもエアコンでしっかりとしてあげる必要がある犬種だと思います。






  • 投稿者

    30代 女性 ぷぅちゃん

    最近、過呼吸のような感じをしている我が家の愛犬。すごく気になって、様子を見てけど、よくなることもなく相変わらず続くので、獣医師さんに診てもらいました。
    問診の時に、過呼吸の他に気になる点を挙げるなら、排便と便の色、食欲について話をしました。
    一通り話を聞いてくれた後に、検温、聴診器をあて、全身をくまなく診てもらいました。
    そのあとに獣医師さんに診断されたのは、「アレルギー症状のひとつにある」と言われました。
    アレルギー症状、皮膚炎を起こすのだけではなく、消化器に表れたり、過呼吸を起こしたりすることがあるそうです。
    胃腸薬、整腸剤を朝晩処方と、病院でしか買えないドックフードを出してもらって、食事をそのドックフードに変えた日から、過呼吸がみられなくなりました。
    もし、過呼吸が食事のあと、おやつのあとに起こっていたら、ドックフードを変えたか?または、冷房を着けていたか?過呼吸を起こした環境を思い出してみてください

    それでも、元気がなかったり、食欲や便の様子に変化があれば、1度獣医師さんにご相談されたがいいと思います。
    我が家のように、もしかしたらアレルギー症状のひとつで、呼吸器に反応がでてるかもしれません。
  • 投稿者

    40代 男性 ミィ子

    うちの子は、過呼吸と思っていたら、逆クシャミなので心配要らないですよと、行きつけの医者に言われました。
    初めて見た時は、慌てて病院に連れて行きましたが、逆クシャミで検索すると、youtubeでも出てきます。
    でも、愛する我が子が辛そうなので何とかしてあげたいと思ってます。
  • 投稿者

    50代以上 男性 オイヌ様

    家のワンコも過呼吸があります。音に敏感なので花火、雷には、凄い反応をします。暑くも無いのに口を開けっ放しにして、身体を震わせております。雷など人間の耳には、入らない音も感じているのでしょう。そんなときは、優しく抱きしめ、胸を大丈夫、怖くないよ、と撫でてあげるだけで、言葉は通じ無くても不思議と落ち着きます。犬は、賢いですよ。愛には、愛で返してくれます。神経的な過呼吸でしたら落ち着のではないかな!続くようでしたら早めの受診だと思います。
  • 投稿者

    10代 女性 なかむら


    3匹います。
    1番おてんばな子が過呼吸になりやすく、興奮したり散歩に行くときによく見られます。

    喉元をさする、背中をさする、背中をポンポンする

    この3つを過呼吸の程度で決めてやっています。
    変に緊張せず、優しすぎない力でやるとすぐに収まると思います。
  • 投稿者

    女性 コロ

    愛犬はシーズーです。高齢で初期の心臓病を患っています。記事のように、気管が狭くなっているので寒暖差で咳が出やすいです。
    早朝に咳が続き呼吸がとても苦しそうなことがあったので、環境にはとても気を使っています。暑い季節は冷やしすぎない室温、寒い季節は湿度などにも注意しています。
    毎日、耳の中、目、口の中を確認しているのですが、こういうのは大事だと思いました。
  • 投稿者

    女性 もふころ

    先日、愛犬が怪我の痛みからショック症状が現れ、過呼吸になってしまいました。元々気管も狭い方なので、か細いヒューヒューといった呼吸音も聞こえてきました。
    過呼吸が出てから気になった症状は、肉球の異常な冷たさでした。浅く早く呼吸をするので、血流が末端まで届きにくくなるのだそうです。
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