冬は犬の肉球には厳しい季節
寒い季節は私たちの肌も乾燥してカサカサしがちですよね。犬もこの時期には肉球や鼻先がガサガサになってしまう子が多いものです。この時期特有の空気の乾燥、暖房による室内の乾燥、地域によっては積雪や融雪剤など、犬の肉球がガサガサになる様々な要因があります。犬用のクリームやバームも市販されていますが、添加物などの心配のない手作りバームのレシピと、ガサガサ対策に気をつけたいポイントをご紹介します。
天然素材のみの手作りバームのレシピ
次にご紹介するレシピは、アメリカンケネルクラブが同クラブのサイトで紹介しているものです。
材料は
- オリーブオイル 大さじ2
- ココナッツオイル 大さじ2
- シアバター 大さじ1
- ビーズワックス 小さじ4
これらの材料を弱火で湯煎にかけて、完全に溶けるまで優しくかき混ぜます。完全に溶けたら手作りコスメ用の缶や瓶に注いで、完全に冷えて固まるまで置きます。愛犬の鼻や肉球に優しく塗り込んで使います。犬と一緒に飼い主さんが使えるのも嬉しいポイントです。保存は高温にならない場所で、しっかりと蓋をして1~2年以内に使い切ります。
体の内側からのケアも大切
ガサガサになった肉球に潤いを与えて保護することも大切ですが、食べ物やサプリメントで体の中からケアすることもできます。フードに食材をトッピングしたり、サプリメントを摂取したりすることが大きな助けになることもあります。次のような栄養素は、犬の皮膚の健康のサポートにだいじな役割を果たします。
オメガ3脂肪酸
魚やフィッシュオイル 、亜麻仁などに多く含まれます。ドッグフードにもこれらの原材料を加えてオメガ3脂肪酸の供給源としてよく用いられています。無塩の魚の水煮缶(特にサバ缶)や、茹でた魚を汁ごとフードに少量トッピングしたり、ペット用のフィッシュオイルやオメガ3脂肪酸のサプリメントを与えたりすることで、オメガ3脂肪酸の補給ができます。
亜鉛
亜鉛は微量ミネラルのひとつです。体内で新しい細胞を作るときに欠かせないもので、手作り食を食べている犬で皮膚のガサガサやひじの皮膚や肉球が異常に厚くかたくなって治らないのは、亜鉛が不足しているサインという場合もあります。総合栄養食のドッグフードには必要量の亜鉛が添加されています。また亜鉛と銅、鉄は小腸でのお互いの吸収を邪魔しあうため、どれかの含有量が特に多い食事を与えていると、他のミネラルについて、食事中の含有量が必要最低量以上であっても犬の体内では欠乏してしまうことがあります。鼻や肉球のガサガサが一向に良くならない場合、亜鉛サプリメントの補給を検討してみても良いかもしれません。
手作りごはんで栄養が偏っている
愛犬の健康を考えて手作りごはんにしているという方も多いのですが、必要な量のタンパク質が摂取できていなかったり、ビタミン・ミネラル類が不足していたりして、皮膚に影響が出ている場合もあります。身体の皮膚はコートに隠れて分かりにくいですが、鼻や肉球は目につきやすいところです。手づくり派の方でガサガサが気になる方は、一度徹底的に栄養摂取ができているかの見直しをしてみましょう。自分だけで自信がない場合は、ペット栄養士などの手を借りましょう。また、サプリメントを摂取する場合、必ずかかりつけの獣医さんに相談してからにしましょう。
物理的なガードも大切
夏の灼けたコンクリートと同様に、冬の冷え切ったコンクリートやアスファルトも犬の肉球を傷める原因になります。犬種によっては、寒い地域での積雪に肉球が耐えられない場合もあります。雪が積もる地域では、道路などに撒かれる融雪剤の問題もあります。融雪剤は犬の肉球やお腹などの皮膚に付くと炎症の原因になります。これらのことから犬の肉球を守るために、犬用の靴を履かせてガードすることは有効な方法です。犬の洋服も防寒だけでなく、皮膚をガードする役目も果たします。
まとめ
ガサガサしがちな犬の肉球を守るための方法と、気をつけたい点をご紹介しました。「裸足で外を歩くのだからガサガサして当たり前」と見過ごしてしまう人も多いのですが、雪や道路の舗装状態などによってあまりにも肉球にダメージが大きい場合は痛みを感じたり出血を起こしたりすることもあります。また外的な要因だけでなく、栄養不足や体の中で起こっている病気、治療の必要な皮膚病のサインかもしれないので、対策を講じても改善しない場合には迷わず獣医さんに相談してくださいね。
《参考》 https://www.akc.org/expert-advice/lifestyle/how-to-make-your-own-paw-balm-for-winter/