犬が凶暴な性格になってしまう原因とその危険性

犬が凶暴な性格になってしまう原因とその危険性

犬は育った環境や接し方などによって凶暴な性格になってしまうことがあります。凶暴とは、すぐに攻撃行動にとることです。主にどのような原因で攻撃的な性格になってしまうのでしょうか。また、犬が凶暴な性格になるとどのような危険があるのでしょうか。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

犬が凶暴な性格になる原因とは?

吠える犬

不安や恐怖による自己防衛

犬は不安や恐怖を感じていると、凶暴な性格になってしまうことがあります。自分の身を守るために攻撃的になるのです。例えば、普段の生活でよくビックリすることがあったり大きな音で不安に感じたりすることがあると、自分を守るために攻撃的な性格になることがあるそうです。

特に本来愛犬を守るべき飼い主が、愛犬を叱るために叩いたり怖がらせたりしているときにも、愛犬は自己防衛のために攻撃的な性格になることがあります。

社会性の不足

犬は幼いころから色々な人や犬に触れ合っていないと社会性が育まれずに成長し、ちょっとした未知のものに出会うだけで、不安に感じたりストレスを感じたりしてしまいます。その結果として、凶暴な攻撃的になることがあるみたいですよ。社会性が不足すると、恐怖や不安による攻撃行動を起こしやすくなるということですね。

私たちも得体のしれないものや怖そうな外見をしている人と初めて出会った時に、身構えたり不安になることってありますよね?おそらく、社会性を身につけていない犬は、そのように不安に感じることが日常生活の中で頻繁にあるのだと思います。凄く恐怖を感じたり怯えたりすることで、自己防衛のために噛む、吠えて威嚇する、といった行動に出てしまうのでしょう。

間違った接し方による結果

普段から犬の要求をのんでばかりいると、犬は「私のいうことは何でも聞いてくれる」「私がどうするかは私が決めて良いんだ」と勘違いをし、いわゆるワガママな性格に育ちやすくなります。犬がワガママに育ってしまうと、自分の思い通りにいかないことがあった時に、飼い主にいうことを聞かせようと攻撃行動をとることがあるといえます。愛犬が可愛いあまりついつい甘やかしてしまうことがあると思いますが、ワガママな性格にならないよう甘やかしすぎには気をつけましょう。

また、先ほどもお伝えしたように叩いたり罰を与えてしつけをしていると、自己防衛のために飼い主に噛みつく、吠えるといった攻撃的な行動をしやすくなることがあります。罰を与えるしつけ方は、犬が不安や恐怖を覚えるだけではなく、ほめるしつけに比べて「何がダメなのか」「どうするべきなのか」を犬に伝えることが難しいからです。そのようなしつけを続けていると、飼い主との信頼関係も崩れてしまうので、愛犬と飼い主の両方が楽しみながら行えるしつけの方法に変えることをおススメします。

体の異変の可能性

温厚な性格の愛犬がいきなり凶暴な性格に変わってしまった!という話を少なからず聞くことがあります。こういった時は、愛犬の体に異変が起きている可能性が高いそうです。例えば、体に痛みを感じる腫れものがあったり、関節を痛めていたり、痛みを感じている時に、愛犬を触ろうとすると「触らないで!」と噛みつかれる場合が多いそうです。

ですので、愛犬が突然凶暴な性格になってしまったら、まず体に異変がないか確認してあげましょう。

犬が凶暴になってしまうことによる危険

様子を見る犬

人や犬などにケガをさせてしまう

攻撃的な性格になってしまった犬はつねに不安やストレスを感じていることが多くやすく、少し危険や不安に感じただけで自分の身を守ろうと相手に噛みついたり威嚇することが多いといえるでしょう。その結果、愛犬を撫でようとした飼い主の手にケガを負わせる、愛犬のにおいを嗅ぎにきた相手の犬に噛みついてケガをさせてしまう、といったことが起こる可能性が高まるといえるでしょう。

社会性が育ちにくくなる

攻撃的な犬は社会性が育っていなかったり気持ちが不安定になったりしている場合が多く、相手とどう接したらいいのか分からない子が多いそうです。

接し方が分からないと社会性を育む場にいることも難しくなり、さらに社会性が育ちにくいといった悪循環に陥ることもあるでしょう。

ただし、全ての犬が他の犬や家族以外の人とフレンドリーに接することができるようになる必要はありません。育った環境や性格によって、家族とは問題なく過ごせるけれども他の犬や知らない人とは仲良くできない犬の場合、犬のその性格を尊重してあげることも必要です。

信頼関係が崩れやすい

愛犬が飼い主にまで攻撃的な行動を見せる場合は、飼い主に対して恐怖や不安といった感情が芽生えている、飼い主を信じられないので自己防衛している、常に自分の要求が通って当たり前だと思っているので飼い主が自分の言うことを聞かない時は力づくで飼い主に言うことを聞かせようとしている、といった状態になっている可能性があります。つまり愛犬との信頼関係が崩れている、信頼関係が築けていないといえるでしょう。そうならないために、愛犬との接し方を今一度見直して見ることをおススメします。

  • しつけの内容に一貫性があるか
  • 体罰を行っていないか
  • 飼い主の気持ちを押し付けすぎていないか
  • 犬が不安や恐怖に感じるものはないか
  • 苦痛に感じることを無理強いしすぎていないか
  • スキンシップ、コミュニケーションはちゃんとできているか
  • 寂しい思い、退屈にさせすぎていないか
  • 良いことをした時はちゃんと褒めているか
  • 充分な運動をさせているか

こういったことを見直すと改善策が見つかるかもしれません。

まとめ

開放的な犬

初めから攻撃的な性格の犬はかなり少数派だと思います。育ってきた環境やしつけ、それまでの不安や恐怖体験などが原因となり、自分を守るためにやむを得ず攻撃的な性格になってしまう場合が多いようですね。一度攻撃的な性格になってしまうと穏やかな性格に戻すのはとても大変だし、危険が伴う場合もあると思います。しかし、万が一そうなってしまった場合には、犬との接し方や生活環境を見直して原因を探り、根気強くその原因をなくしていったり、怖がる必要はないことを教えていくことで改善できるといえるでしょう。

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