犬の16歳について
犬の年齢で16歳というと、一般的には小型犬や中型犬の平均寿命と言われています。大型犬の場合はそれよりも短く12歳程度とされているので、16歳といえば長生きであると考えられるでしょう。
犬はシニア期に入ると、人間と同じようにさまざまな老化現象が表れます。小型犬や中型犬は10歳頃から、大型犬は7歳頃から徐々に老化のサインが見られるようです。16歳を過ぎるとそれらは顕著に表れます。痴呆などの症状を持つ犬もいるので、愛犬が16歳を迎えたらシニア期に入ったのだと理解し、過ごし方を見直すようにしましょう。
犬の16歳は人間に換算すると何歳?
犬の16歳は人間の年齢に換算すると、小型犬の場合は80歳、大型犬の場合だと117歳にあたり、大変なご長寿犬といわれる年齢です。
小型犬や中型犬は、子犬の時期の成長スピードはとても早く、2歳以降は緩やかに歳を取ります。一方大型犬の場合、子犬の時期にゆっくりと成長し、成犬になってからは歳を取るスピードが早くなります。
生まれてからの年数 | 小型犬 | 中型犬 | 大型犬 |
---|---|---|---|
7年 | 44歳 | 48歳 | 54歳 |
10年 | 56歳 | 63歳 | 75歳 |
13年 | 68歳 | 78歳 | 96歳 |
16年 | 80歳 | 93歳 | 117歳 |
犬の16歳は長生き?大きさ別の寿命について
小型犬
小型の犬種であるチワワとミニチュアダックスフンドの平均寿命は14~15歳で、小型犬の中でもトップクラスで長生きだとされています。次いでトイプードルが13~14歳です。ポメラニアンの寿命は12~16歳で、20歳前後まで生きる個体も珍しくないそうです。
全体的に小型犬は長生きする犬種が多く、16歳という年齢も高いハードルではない印象です。シニア期に入る10歳頃から、食生活や生活環境を見直してあげましょう。
中型犬
中型犬であるビーグルの平均寿命は12~15歳といわれています。ビーグルは先天的な病気が少なく、比較的寿命の長い犬種です。日本犬の代表格である柴犬の寿命は15歳前後とされています。柴犬は日本特有の四季の温度差にも強い体をしていますが、近年は室内飼育の増加により感染症のリスクが減ったことで寿命が徐々に延びているそうです。
フレンチブルドッグの寿命は10~12歳で、だいたい7歳頃から老化のサインが見られます。内臓機能の低下が見られやすい犬種なので、シニア期の食事管理に注意しましょう。その他、ウェルシュコーギーは12~13歳が寿命だと言われています。
中型犬の場合、12歳前後が平均寿命だと考えられていますが、中には長生きする犬種もいます。小型犬に比べると16歳という年齢は、ややハードルが高い年齢であると言えるでしょう。犬種ごとの特徴を捉え、病気の予防など健康管理に気をつければ、20歳近くまで長生きする個体もいるようです。
大型犬
大型犬のゴールデンレトリバーやドーベルマンの平均寿命は10~11歳で、7歳頃からシニア期に入るといわれています。両犬種ともエネルギッシュで運動好きな特徴を持ちますが、シニア期に入る頃は体のさまざまな部分の機能が低下してきます。シベリアンハスキーの寿命は12~15歳で、大型犬の中では比較的に寿命が長い犬種です。
大型犬全体の平均寿命は10~12歳ですので、16歳となるとかなり長寿な犬といえます。大型犬は体格の割りに内蔵機能が比較的弱く、十分な作りとは言えないため、小型犬に比べ寿命が短い傾向にあります。成犬になってからは歳を重ねるスピードも早く、老化のサインも早めに表れるでしょう。シニア期に入る頃から少しずつ生活習慣を見直してあげると良いですね。
犬が長生きするための秘訣
愛犬にはいつまでも元気で長生きしてほしいですよね。16歳という高齢な犬になっても元気でいられるよう、長生きの秘訣をいくつかご紹介します。
食事管理
大前提として、犬の食事は人間と同じ食べ物を与えてはいけません。人間の食べ物は犬とっては塩分が強すぎてしまいます。近年、犬の寿命が全体的に延びている理由として、専用のドッグフードを与えることが主流になったことが挙げられます。
犬は太りすぎると体への負担が大きくなるため、成長期から太りすぎに気をつけた食事管理に切り替えましょう。シニア期を迎える頃は特に注意が必要で、食欲は変わらずとも、代謝が落ち始るので肥満になりやすい傾向にあります。必要に応じてシニア犬用のドッグフードに切り替えましょう。
カロリー・脂質共に控えめで、穀物不使用なものがシニア犬には適しています。チキンなどが主原料になっているものだと食が細くなったシニア犬でも食べてもらいやすくなりますよ。
犬は16歳という高齢になると食欲も落ち、1度に食べられる量が減ってきます。少ない量でもしっかりと栄養が取れるように、栄養バランスを見ながら、食事を1日3~4回に分けて与えると良いでしょう。飲み込みづらくなってきたら、柔らかいフードに変えるなどの工夫をしてあげてください。
十分な運動
犬が16歳まで長生きする秘訣として、十分な運動をすることも挙げられます。適度な筋肉をつけることで、自己治癒力の低下を防ぐことができ、その上ストレスを発散する効果もあります。ただし老犬はドッグスポーツなどの激しい運動は難しいため、犬のペースに合わせた日々の散歩がおすすめです。年齢に応じて散歩コースを工夫すると良いでしょう。
ギネス世界記録を持つ長寿犬は、オーストラリアで牧羊犬として活躍していたため、毎日家畜を追い回していたそうです。使役犬として仕事を与えられることが生きがいにつながり、ストレスを感じることも少なかったのではないかと考えられます。この犬は29歳5カ月という大往生を遂げました。
定期的な健康診断
信頼できる主治医を見つけ、定期的に健康診断を受けることも犬が長生きする秘訣です。病気の早期発見にも繋がりますし、予防法などのアドバイスももらえます。
犬は体調不良を訴えることができないので、飼い主が異変に気づいたときにはすでに何らかの病気にかかっていることが多いようです。犬が元気に16歳まで長生きするためには、病気の予防にも努める必要があるでしょう。
犬種の特徴を把握
愛犬の犬種の特徴を把握することも重要です。犬種ごとにかかりやすい病気を知っておくことで、予防を心がけることもできます。また、犬種の特徴的な性格を把握することで、ストレスを与えないよう工夫できるでしょう。
留守番にストレスを感じる犬もいれば、構いすぎにストレスを感じる犬もいます。犬種ごとの特徴を知り、接し方に気をつけることで、長生きを目指すことができます。16歳という高齢犬になると嗅覚や視覚も衰えてきますので、老化に伴う病気や症状も把握しておくことが大切です。
まとめ
犬が16歳を迎えられることは飼い主にとっても非常に喜ばしいことでしょう。近年犬の平均寿命は延びていますが、いかに元気に長生きできるかが大切になってきます。
日本動物愛護協会は、長寿の動物たちの表彰をしており、小型犬は18歳から、中型犬は15歳から、大型犬は13歳からが対象です。
この表彰をひとつの目標として、愛犬を元気に長生きさせてあげられるとよいですね。飼い主も散歩などの日々の運動や食事の管理で、愛犬をサポートし、シニア期に入る頃には注意深く愛犬を観察してあげてください。