ポメマルってどんな犬?
ポメマルは、ポメラニアンとマルチーズを掛け合わせたミックス犬です。
ポメマルという名前以外にも、「マルポメ」や「ポメチーズ」など、名前の呼び方にはいくつかあります。
違う純血種同士を掛け合わせたポメマルは、最近人気が高いようです。
そもそも、親犬であるポメラニアンとマルチーズはどちらも室内で飼われる小型犬です。
その血を受け継ぐポメマルも、成犬になっても大きくなりません。
ポメマルはぬいぐるみのような容姿や家庭犬に向いていると言われている性格が人気のようです。
ポメマルの性格
- 勇敢
- 飼い主に従順
- 警戒心が強い
- 天真爛漫
- 活発
- 遊び好き
ポメマルは、ポメラニアンとマルチーズの双方の性格を引き継いでいます。
性格の出方には個体差がありますが、家族や周囲の人、他の犬とも馴染みやすいと言われています。
勇敢という点はポメラニアンの性格を強く引いており、物応じせず立ち向かう姿を飼い主さんに見せてくれます。
ただし、ポメラニアンの警戒心の強さは、吠えや威嚇行動の原因になることもあるため飼い主さんの適切なコントロールが必要になります。
基本的に飼い主さんに従順なので、子犬の頃から愛情を持って育てきちんとしつければ、強い信頼関係を築くことができるでしょう。
また、マルチーズの性格を強く引いて、天真爛漫で活発に遊ぶことが好きな子が多いようです。
小さいお子さんともうまくやっていけるとよく言われているようですが、小さいお子さんがいる家庭でうまくやっていけるかどうかは、犬の性格はもちろんお子さんの活発さによっても大きく変わります。
ポメマルの特徴
成犬時の大きさ
- 体重:2~3kg
- 体高:20cm程
ポメマルを大きさで分類すると小型犬になります。
ポメラニアンとマルチーズの小型犬同士の掛け合わせなので、成長しても大きくならず、一般的な小型犬程度の大きさになります。ポメラニアンの中には大きめの子もいるので、大きめのポメラニアンを祖先に持つ場合には、少々大きめになるかもしれません。
標準的な体重は2kg~3kg、体高は約20cmですが、成長後の大きさは親犬を参考にするといいでしょう。
ポメラニアンの毛質を強く引き継いでいる犬の場合、被毛にボリュームが出るので、見た目が実際の体よりも大きく見えることもあります。
毛質と毛色
毛質
ポメマルの被毛は、顔まわりと胸元の長い毛、しっぽなど、ポメラニアンの要素を受け継ぐことが多い傾向にあります。
マルチーズは細いシルキーな毛を持つシングルコートの犬ですが、ポメラニアンはボリュームのあるダブルコート(上毛と下毛の二重構造)を持つので、ポメマルもふわふわとした毛質になることが多いようです。
毛色
ポメマルの毛色は、親犬の影響を受けるためさまざまです。
マルチーズは純白な白1色ですが、ポメラニアンの毛色はオレンジ、黒、クリーム、白、パーティーなど多くの種類があります。
日本ではオレンジのポメラニアンが人気であるため、ポメマルはオレンジ系か白が多く見られるようです。白に茶色(セーブル)が入ったポメマルも多く見られるようです。
毛色もその犬の個性のひとつとして楽しめますね。
体の特徴
マルチーズに似たマズルやつぶらな瞳、ポメラニアンに似た小さな手足と背中に向けて巻いているしっぽなど、ポメラニアンとマルチーズのよいところをうまく引き継いでいるようです。
見た目にも可愛らしい印象なので、ポメマルが人気のミックス犬と言われるのも納得できます。
ポメマルの飼い方
飼育環境
ポメマルを迎え入れる前に、生活環境を整えておきましょう。
犬は安心できる場所として狭くて暗い空間を好む動物なので、ケージやトイレは静かで落ち着ける場所へ設置します。
また、ポメマルは特に被毛にボリュームがある場合、体つきがしっかりしていると思われがちですが、他の多くの小型犬と同様に骨折や脱臼に気をつける必要があります。
フローリングの床はポメマルの関節に負担がかかるので、床にはクッション材やカーペットを敷きましょう。
ソファや椅子、階段に登らせないようにするため、家具の位置なども見直しておくのがおすすめです。
運動
遊ぶことが大好きで活発な性格のポメマルですが、必要とする運動量はとても多いわけではありません。しかし、どのくらいが十分な運動量なのかは性格や生活環境、年齢によっても変わりますので、散歩や遊びの量は愛犬の様子を見て調節してあげてください。運動という意味では1日1回の散歩程度で十分な子もいるでしょうが、そのような場合でも精神的な刺激を与えたり多くの環境に慣れるためにも1日2回の散歩ができるとより良いでしょう。
ポメマルは甘えるのも上手なので、構ってほしいと訴えてくることもあります。
そんなときは、ペット用のおもちゃやボールなどで遊んであげましょう。ときにはドッグランで思い切り走り回ったり、遊んだりすることもよいでしょう。
ストレス発散になりますし、社会性の身についている他の犬とふれあうことで社会性を身につけることもできます。
食事
ポメマルに限らず、犬には月齢や成長レベル、健康状態に合ったドッグフードを与えましょう。ポメラニアン用やマルチーズ用のドッグフードもおすすめです。
子犬の時期は、1回量が多いと消化不良になったり、食事の間隔が空くと低血糖症になってしまう場合もあります。
1日の食事の分量は、3回~4回に分けて与えましょう。
幼犬期を過ぎてからはおやつを与えてもいいですが、1日の摂取カロリーの10%程度に抑え、与え過ぎに注意しましょう。
水は水道水を与えましょう。食べかすや抜け毛、ほこりなどで水が汚れやすいので、できるだけこまめに、1日2回は新しい水に入れ替えてください。
循環式の給水器はゴミなどを濾過してくれるのでおすすめです。特に夏場は水を多く飲むので、水を切らさないように注意しましょう。
お手入れ
ポメマルは、ポメラニアンとマルチーズのどちらの毛質を強く受け継ぐかによってお手入れ方法が変わります。
どちらの毛質であっても良いように、抜け毛とブラッシング、毛のカットなどのお手入れについて知っておきましょう。
抜け毛とブラッシング
ポメラニアンのダブルコート(上毛と下毛の二重構造)を引き継ぐことが多いポメマルには、春と秋になると下毛が生え変わる換毛期があります。
この時期は抜け毛がびっくりするほど多くなるため、特に念入りなブラッシングが必要です。
マルチーズはシングルコート(上毛のみの一重構造)のため抜け毛が少ない犬種ですが、たとえその毛質を強く受け継いだとしても、ポメラニアンの血統が混ざるポメマルでは抜け毛の量はマルチーズより多いようです。
子犬のころからブラッシングやシャンプーに少しずつ慣れさせて、普段からきちんとお手入れをする習慣をつけましょう。
被毛のカット(トリミング)
ポメマルの中には、マルチーズのように、艶がある被毛が伸び続ける子もいるようです。
その場合は定期的なトリミングも必要になるでしょう。被毛のケアを怠ると毛玉ができてしまい、動いた時の痛みや皮膚病の原因になるので注意が必要です。
ポメマルのトリミングでは、ポメラニアンらしいボリュームのある被毛があれば、ぬいぐるみカットやアフロカットなど、さまざまなカットデザインを楽しむこともできるでしょう。
その他にも、目の周りの毛のカット、目やにのケア、歯磨きや爪切りも行いましょう。
特に白い毛色のポメマルは涙やけなどで赤茶色に着色しやすいため、こまめな拭き取りが必要です。
子犬の頃から慣れさせておくことで嫌がることが少なくなります。
ポメマルのしつけ
飼い主さんに従順なポメマルは、しつけのしやすい犬種と言われていますが、気の強い面や警戒心から吠えやすい一面もあるので、子犬のころからのしつけが重要です。
家族でルールを統一し一度決めたルールは徹底しましょう。家族間でしつけ方が違うと犬も混乱してしまうので、気をつけてください。
ポメラニアンもマルチーズも警戒心を強く持っている犬が多いため、ポメマルは、縄張りを守るためや見知らぬものへの警戒吠えに注意が必要です。
子犬の時期からいろいろなものに触れさせることで、恐怖心や不安感を徐々に取り除いてあげましょう。
どうしてもしつけがうまくいかないときは、プロのトレーナーに相談することをおすすめします。
ポメマルの値段相場
ペットショップ
ポメマルをペットショップから購入する場合、購入価格の相場は10万円~15万円という情報を見かけますが、お店やタイミングによっては非常に高額になることもあるようです。
どんな犬種でも、ペットショップで売られている場合には月齢が進むと価格が安くなる傾向にあります。
ペットショップでの購入では、親犬の健康状態や先天的な病気に関する情報などを知ることはできませんが、子犬自身については遺伝性疾患の検査をしてから販売しているショップも多くなっています。
ブリーダー
ポメマルは、現在犬種として確立されてはいませんが、ポメラニアンやマルチーズの繁殖を行っているブリーダーがポメマルも繁殖している場合があります。
購入価格はブリーダーや犬の特徴などによって様々です。
ポメマルをブリーダーから購入する場合、犬舎や親犬の健康状態など、実際に足を運んで確認するのがベストでしょう。
里親
里親になることでポメマルを家族に迎えることもできます。地域の動物愛護団体やNPO法人などで犬の里親を募集しているので探してみましょう。
保護犬には、やむを得ず手放された犬や、虐待を受けたり適切に飼育されずに保護された犬など、何かしら理由があって保護された犬が多くいます。
無償もしくは譲渡までにかかった費用の一部負担などで引き取ることができる団体もあり、ショップやブリーダーから犬を購入するより安価に犬を迎え入れることができますが、どこからどのように犬を迎えるにしても、責任を持って最後まで育てる心構えと準備、経済的余裕をもって迎え入れましょう。
ポメマルを譲渡してもらう時にはわかる限りの予防歴や健康状態を確認し、引き取った後の健康診断やワクチン接種は必ず行いましょう。
ポメマルの寿命
ポメマルの寿命は12~15年程と言われていて、一般的な小型犬の寿命と変わりないと考えられます。
最近では、質の良いドッグフードや、獣医療の発達、飼い主の知識の向上などによって犬の生活環境、健康管理が改善されているため、犬の寿命が昔よりも大幅に伸びています。
犬の年齢や体調を考慮しながら、食生活と毎日の運動に意識して、健康的な生活を心がけましょう。
ポメマルの病気
ポメマルの両親であるポメラニアンとマルチーズには、どちらの犬種でも発症しやすい病気がいくつか知られています。
膝蓋骨脱臼
生まれつきの要因が絡んでいるが、生活環境や運動の仕方によって症状や悪化の仕方は様々。膝のお皿の骨が外れやすく、靭帯の断裂を引き起こすことも多い。
僧帽弁閉鎖不全症
シニア期に多く、血液の流れが悪くなる心臓の病気。咳が出たり病気が進むと肺水腫から呼吸困難になったりする。
気管虚脱
空気の通り道である気管が呼吸をする時につぶれ、呼吸しづらくなる。中~高年齢の犬で多く見られるが、若い犬でも起こる。
いずれも進行するとポメマルの生活の質を落としたり、寿命を縮めることにもなりかねません。
若い時から定期的な健康診断を受けるのがおすすめですが、7~8歳のシニア期になってからは、半年に1度は健康診断を受けましょう。
まとめ
明るい性格や遊びが大好きなポメマルは、家の中をぱっと明るく楽しくしてくれるかもしれません。
初めて犬を飼う方にも飼いやすいと言われ、愛情と一貫したルールをもって接することで、よい信頼関係を築くことができるでしょう。ただし、飼いやすいかどうかは犬と飼い主さんの相性や飼い主さんのライフスタイル、飼い主さんが犬をどれくらい正しく扱えるかによって大きく変わってきます。
また、親犬どちらの特徴が強く出るのかわからないところ、成長過程でその変化を楽しめるところもミックス犬の魅力です。
同じポメマルでも犬によって個性があるということを認識したうえで、それぞれの犬に合う育て方をしてあげましょう。