一番小さい犬はチワワ?
一番小さな犬種は?と聞かれれば、多くの方がチワワを想像するかもしれませんが、実は世界にはもっと小さな種類の犬がいるんです。個体差によって大きさは違いますが、一般的な平均サイズからランキング付けをしてみました。
1位 プラシュスキー・クリサジーク
プラシュスキー・クリサジークはチェコ原産の犬種で、日本では公認されていません。体高20~23センチ、体重は2.6キロを理想とする超小型犬で、世界で一番小さい犬種といわれています。こうもりの羽のような尖った立ち耳と、黒く大きな瞳が特徴的です。
体が小さく一見弱々しく見えますが、活発敏捷で運動好き、大きな犬に向かっていく勇ましい一面もあります。一方で一人ぼっちを嫌い、とても甘えん坊な性格をしています。
2位 チワワ
世界で一番小さい犬として有名なチワワは、国際蓄犬連盟(FCI)で公認されている中で世界最小の犬種です。ギネスで認定された世界最小の犬部門でも、チワワが歴代の多くの記録を占めています。
チワワはメキシコ原産の犬で、古代メキシコにいたとされる「テチチ」が先祖だといわれています。体高15~23センチ、体重は1.5~3キロ前後で、全般的に小さなサイズですが個体差があります。
見た目も小さく1歳を迎えても体重が1キロにも満たないチワワは、「極小チワワ」と呼ばれています。サイズが小さいほど値段もあがる傾向が見られ、極小チワワは通常のチワワよりも高額のことが多いようです。
3位 ロシアン・トイ・テリア
ロシアン・トイ・テリアはロシア原産の犬種で、ルイスキー・トイとも呼ばれます。ロシアでは高い人気がありますが、一番小さい犬といわれるプラシュスキー・クリサジークと同様に日本国内ではブリーダーも少なく、あまり見かけることがないでしょう。チワワやミニチュアピンシャーに似た外見をしていますが、チワワよりも筋肉質で長い足を持っています。
体高20~26センチ、体重1.5~3キロ。陽気な性格でとても賢い犬種です。被毛や性別によって性格が異なるといわれていて、ロングコートは優しく穏やかな犬が多く、スムースコートは活発で気が強い犬が多いようです。
ギネスで認定された世界で一番小さい犬
世界で一番小さい犬のギネス世界記録を保持しているのは、どんな犬なのでしょうか。ギネスで認定される世界最小の犬部門には、「体長部門」と「体高部門」があります。体長は犬の鼻の先から尻尾の先まで、体高は足元から肩の高さまでを測る部門になります。どちらも、1歳以上からエントリーすることができます。
ミラクルミリー
体高部門のギネス記録を持つ「ミラクルミリー」は、プエルトリコ在住の世界一小さいチワワです。2011年12月、前チャンピオンであった「ブーブー」を抜いて、世界一の座を射止めました。2013年2月に計測した時には体高9.65センチ、体重450グラムでした。
生まれた直後はスプーンに乗ってしまうほど小さく、6カ月齢になるまでミルクを飲むための道具として目薬の容器を使っていたそうです。
ミラクルミリーは世界で一番小さい犬としての記録のほかに、「クローン技術で最も多く複製された犬」としてのギネス記録も持っています。
シルヴィア
1945年に亡くなったヨークシャーテリアの「シルヴィア」は、世界で一番小さい犬として記録されています。死亡した時の記録が体高6.5センチ、体長8.25センチ、体重が113グラムだったそうです。公式の野球ボールの重さが約140グラムですので、その小ささには驚かされます。
ヘブンセントブランディ
体長部門で世界で一番小さい犬のギネス記録を持っているのが、アメリカフロリダ州で暮らす「ヘブンセントブランディ」です。2003年12月に生まれたチワワのメスで、2005年に測った時には体長が15.2センチ、体重が900グラムでした。この体長は、千円札の横方向とほぼ同じ長さになります。
ヘブンセントブランディは肺がとても小さく吠えることができなかったようです。あまりに小さいので、家族は踏みつぶさないように気をつけて生活をしていました。
ビヨンセ
一番小さい犬として2012年にギネスに申請されたのが「ビヨンセ」です。2012年にアメリカで生まれ、生後2週間で体長9センチという小ささでした。iPhoneの上で寝ている姿が有名です。
ビヨンセの母親のケーシーはミニチュアダックスフンドとチワワのミックス犬です。ケーシーは元飼い主に捨てられ、動物管理センターに収容され殺処分が予定されていました。その時妊娠していたケーシーをアニマルレスキュー団体が保護をし、生まれたのがビヨンセとその兄弟たちです。
ビヨンセは生まれたときに呼吸や心臓の動きがない状態でしたが、獣医師の懸命な人工呼吸と心臓マッサージにより一命を取り留めました。
小さい犬を飼う時の注意点
一般的に小型犬は大型犬に比べると寿命が長いと言われています。しかし、一番小さい犬である超小型犬は、本来のサイズの犬に比べて健康面などのリスクが高くなることも知っておかなければなりません。
体の小さいチワワやトイプードルは室内犬のため、飼育環境を整える必要があります。家の中で特に起こりやすい事故が骨折です。超小型犬はソファーやベッドの上など、たった30センチの高さから飛び降りただけでもケガをしてしまいます。段差や滑りやすいフローリングなどに注意してあげましょう。
他に小さな犬を飼う際に注意するのが低血糖症です。超小型犬は肝臓に貯めておけるグルコースの量が少なく、低血糖になりやすいといわれています。血糖値が下がることで、命に関わることもあります。食が細い場合は少しずつでも頻繁に食事を与えましょう。体のサイズにあった適度な運動や温度管理も重要です。
まとめ
世界記録に残る一番小さい犬たちは、小さなサイズでかわいいという側面が注目されがちですが、小さいながらも懸命に生きることができたのも、飼い主さんの深い愛情と懸命なお世話があったこそではないでしょうか。
小型犬は初心者でも飼いやすいと大変人気があります。その一方で、小型化するために無理な交配をさせている場合もあり、多くの動物愛護団体が注意を喚起しています。流通している犬の中には未熟児で生まれたものや、先天的な病気を抱えているものもいます。
極小サイズの犬たちは小さいゆえにリスクもあります。非常にデリケートなので、生活環境や病気に気をつけて育てていく必要があることも知っておきたいですね。