犬の下部尿路疾患(C.L.U.T.D.)ってどんな病気?原因や症状、対策

【獣医師監修】犬の下部尿路疾患(C.L.U.T.D.)ってどんな病気?原因や症状、対策

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下部尿路疾患(C.L.U.T.D.)とは、膀胱炎やニョロ結石などの総称です。あなたの愛犬は、排尿する時、痛がったり、尿の色が濃かったりしませんか?そんな症状が出たら、早急に獣医さんの診察を受ける必要があります。今回は、下部尿路疾患について、発症する原因や症状、病気を発症した時の対策についてご紹介したいと思います!

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

下部尿路疾患(C.L.U.T.D.)とは?

トイレ中にこちらを振り返る犬

腎臓から運ばれてきた、不要物を含んだ水分が尿管を通って膀胱へ送られ、尿道を通って体外へ排出される…というのが尿が出る仕組みです。
その仕組みの中で、尿が通っていく道筋を「尿路」と言います。

「尿路」のうち、膀胱・尿道を「下部尿路」と言い、下部尿路に起こる疾患の総称を「下部尿路疾患(C.L.U.T.D.)」と言います。
C.L.U.T.D.は「CanineLowerUrinaryTractDisease」の略称です。

どんな病気が考えられるのか?

  • 膀胱炎
  • 膀胱結石
  • 尿道結石(膀胱結石と合わせて、尿路結石=尿石と呼ぶ)
  • 尿道閉塞

上記の4つの疾患は、結石と言われる体の中でできる石が関与しています。

どんな症状が出るのか?

犬は「体調が悪い」「お腹が痛い」など、自分の体調の変化を言葉で飼い主に伝えることができません。
そのため、犬の行動や様子がいつもと違うということにできるだけ早く気が付く必要があります。
下部尿路疾患の疑いがあるとき、愛犬にどんな症状が現れるか、愛犬がどんな様子を見せるかを知っておきましょう。

  • 排泄の回数が増えた
  • 尿が出にくい
  • 尿をしたときに痛がる
  • 尿の色がオレンジがかったように濃くなった
  • 嘔吐する
  • 下半身を触ると嫌がる

以上のような様子を見せるときは、すぐにかかりつけの動物病院で診察を受けましょう。

下部尿路疾患の原因

獣医さんと見つめあう犬

膀胱炎

何らかの原因で膀胱に細菌が入り、炎症が起きた状態です。
血尿が出たり、頻尿になったり、ニオイが強くなったりと言った症状が出ます。
膀胱炎も何度も繰り返すと、膀胱の中に結石ができやすくなり、そうなると「膀胱結石」という下部尿路疾患になります。

尿路結石

一見、膀胱炎と同じような症状ですが、膀胱の中ではなく、尿路の中に結石が詰まった状態です。

結石とは?

クエスションマークが描かれた黒板を見る犬

人間や犬が生きていく上で、「ミネラル」は必要な成分です。
けれども、体が必要とするミネラルの量は決まっていて、過剰なミネラルの一部は腎臓で処理され、尿に混ざって体外へ排出されます。
そして、ミネラルには成分同士がくっつくという性質があり、尿の中のミネラルの濃度が高くなると、結晶化します。その結晶が大きくなったものが結石です。

そのため、尿が生成される腎臓や、体外へ排出される前に一時期貯蔵しておく膀胱、膀胱から体外へと流れ出るための道である尿路に結晶ができ、それが成長し、結石になってしまうのです。

なぜ、ミネラルが結晶化するのか

クエスションマークと首をかしげる犬

なぜ、尿の中のミネラルはくっついてしまうのでしょうか?
実は、ミネラル同士がくっついて結晶化し、結石となるのは、pH(酸性中性アルカリ性の尺度)が大きく影響します。
一口にミネラルと言っても、様々な種類があります。
それらの種類ごとに、結晶化しやすいpHがあります。
つまり、体質や体の外から取り入れた栄養素や水分が原因で、結石ができやすくなってしまうのです。

ストルバイト結石

「ストルバイト」というミネラルは、pHが7以上のアルカリ性で結晶化します。
そのミネラルが結晶化し、結石となると「ストルバイト結石」になります。

シュウ酸カルシウム結石

シュウ酸カルシウムは、ほうれん草など、いわゆる「アク」の強い野菜に多く含まれている成分です。
シュウ酸カルシウムとは、その「シュウ酸」が、尿の中でカルシウムと結びつき結晶化し、結石となった成分です。

下部尿路疾患を予防するための対策

こちらを見上げてお座りしている犬

飲み水は水道水か軟水を与える

ミネラルは体にとって必要な成分ですが、飲用水として犬に与えるとミネラルの過剰摂取となり、結石ができやすくなります。
愛犬には、日常的に水道水か軟水を飲ませてあげましょう。

結石の成分を確定する

何度も結石由来の膀胱炎や、尿路結石を繰り返すのであれば、まずその結石の成分を特定しましょう。
シュウ酸カルシウム結石とストルバイト結石では、結晶化するpHが違いますし、改善方法も違います。
まずは、獣医さんに詳しく検査してもらい、結石の成分を確定しましょう。

ストルバイト結石の場合の対策

ストルバイト結石ができやすい犬の場合は、ミネラル分を抑えた専用のフードを与えます。
その際、おやつなど他の食品を与えないようにします。

シュウ酸カルシウム結石

野菜などに多く含まれている成分ですが、手作り食を与える場合、ホウレンソウなど、アクの強い野菜を与えるときは、必ずゆでたものを使いましょう。シュウ酸カルシウムはドッグフードで溶かすことができない結石で、尿のpHが酸性にに傾くとできやすい結成です。大きな結石になった場合には手術で取り出す必要がありますので、できないように気をつけましょう。

まとめ

ご飯を前に我慢している犬

下部尿路疾患は、一度発症すると繰り返すことが多い病気です。
発症していなくても、飲用水や食事に配慮し、排尿時に異常がないかを常に気遣ってあげましょう。
「いつもより尿が多い」「尿の色が濃い」と感じるには、ふだんの健康な尿の状態を知っていなければいけません。
目に輝きがあり、食欲もあるときにしっかりと「健康に排尿をしている状態」を観察し、「健康な尿の状態」を把握しておきましょう。

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