犬の引き渡しの時期は生後何か月が最適?
引き渡しに最適な時期は生後2~3か月が目安
引き渡しに最適な時期についてはいろいろな意見があると思いますが、基本的に小型犬や大型犬関係なく生後2~3か月ほどで引き渡すのが最適とされているみたいです。
子犬は生後3か月までの間に親犬や兄弟犬と触れ合うことで、いろいろな経験をして犬同士の社会を学ぶといわれています。ですので、生後3か月までのあいだがとても重要な時期となります。
子犬の時に兄弟といっぱい遊ぶことで、痛みや遊ぶときの力加減などがわかったり、親犬と一緒にいることでたくさんの愛情を受けて感情豊かな犬に育つようですよ。
鈴木桂子
3週齢までの子犬はほとんど寝て過ごします。そして離乳も進み体力のつきだした4週齢辺りから、子犬たちは母親の元から少しずつ離れ、兄弟同士で活発に遊び始めます。
4週~12週齢までが子犬が社会化できる時期と言われていて、最も重要な時です。
子犬同士が時に興奮して激しく遊ぶと母親が間に入ってたしなめます。また母親に嚙みついたりすると母親が叱って、力加減を教えていきます。
この時期に母親や兄弟たち遊ぶことでしっかりとした骨格になり、群れで生きる社会性を学習するのです。
引き渡しの時期が早すぎると子犬に悪影響を与える
そういった大切な時期に親犬や兄弟犬と一緒に過ごせないでいると、犬はさまざまな問題を抱えてしまうことがあるみたいです。引き離す時期が早いことで精神的に未熟なままになる犬は多いといわれています。
家族と離れ離れになって1匹でいる時間が多いことで、社会性や喜怒哀楽の感情を経験する機会が極端に低くなってしまうことが理由なのでしょう。
もちろん、人間の家族と暮らすことでも感情や社会性を育むことはできますが、幼少期に親犬や兄弟犬と過ごす大切な時間は全く別のものになると思います。
鈴木桂子
あまりに早い段階で母親や兄弟から離された子犬は、不安からストレスを抱え、警戒のあまり臆病になったり、逆に攻撃的になったりすることがあります。母親からの無償の愛情を受けられる期間が短ければ、生きるための適応能力に差が生じてしまいかねません。
引き渡す時期が早いと体が弱くなりやすい
引き渡す時期が早いと、精神面だけでなく体も弱くなりやすいといわれています。精神面が育っていないと、少しの環境の変化によってストレスが溜まりやすくなり、結果的に体調不良になったり病気になってしまう可能性が高いといえます。
ですので、親犬や兄弟犬と過ごして心身共に成長できた生後2~3か月頃に引き渡すのが最適だといわれているのでしょう。
鈴木桂子
通常は8週齢以降の引き渡しになると思います。10週齢まで親や兄妹で過ごした方がよいという考えのブリーダーもいますし、それにはそれぞれの考えがあります。ですが通常、8週齢以降であれば、子犬は社会性を身に着け体力的にもしっかりしてきています。ワクチン接種のタイミングなども考え、引き取る日程を決めましょう。
法律での引き渡し可能時期は?
法律では生後56日経つまでは引き渡しできない?
『動物の愛護及び管理に関する法律』では、産まれてから56日経っていない犬や猫は販売したり販売のための展示をしてはいけないと決められています。
つまり法律では生後約2か月ほど経てば引き渡して問題ないと判断しているようですね。しかし、反対意見の影響などで49日経てば販売しても良いとされているのが現状のようです。
鈴木桂子
かつては49日以降(7週齢)での引き渡しが可能でしたが、現在は生後56日以降(8週齢)と法で定められています。ブリーダーが生後56日以前に引き渡しを申し出てきた場合は、法に違反していることになります。確かなブリーダーかどうか、しっかりと確認しましょう。
子犬を家に迎えた時に気をつけたいこと
構いすぎない
子犬を家族に迎えた時は、嬉しくてずっと可愛がってあげたくなることでしょう。でも、少し子犬の気持ちになって考えてみてください。
私たち人間が子犬を家族に迎えたと思っていても、子犬はとつぜん親犬や兄弟犬がいない知らない場所に連れてこられて、不安な気持ちでいっぱいになっているかもしれません。
さらには、子犬はあなたを見て「知らない人がいる」と思ってより不安な気持ちになっている場合もあります。
家に迎えたばかりの子犬は環境の変化によってストレスが溜まっていることが多く、不安になっている子犬をいきなり構いすぎることで、さらに子犬に多大なストレスを感じさせてしまうことになるかもしれません。
すぐに可愛がってあげたくなる気持ちはわかりますが、子犬が少しずつ環境に慣れるまでゆっくり見守るようにしてあげましょう。
過保護にしすぎない
犬は子犬の時期をどう生きたかで、これからの生き方が大きく変わるといえます。
子犬が寂しそうにしているからといって、過保護に育ててしまうと自立心が育たずにワガママな性格になったり、飼い主に依存しすぎたりするようになってしまうので気をつけなければいけません。
かといって、子犬に寂しい思いをさせすぎるのもよくありません。つかず離れずの距離感を意識しながら接するようにしましょう。
鈴木桂子
初めての子犬を迎える時、飼い主にも大きな期待と不安があるように、子犬にも新しい環境への不安と好奇心があります。
不安の方が強い子は、母親や兄妹から引き離された不安からストレスを感じ夜鳴きをしたりします。また好奇心の強い子は興奮して疲れてしまいます。
どちらの場合も構いすぎず、「家族の一員である」という認識をしっかり持ちつつ、「人」と「犬」という距離を認識しておくことが重要です。
甘やかしすぎることで飼い主は「自分の言うことを聞く」のだと勘違いさせてしまいます。そして言うことを聞いてくれないと鳴いたり噛みついたりして、関心を引こうとする犬になってしまいます。
まとめ
犬は生後3か月までが重要な時期だといわれています。引き渡しの時期によっては犬に様々な悪影響を与えてしまうかもしれませんので、引き渡しの時期はじっくり考えてから犬を迎えてあげるようにしましょう。
鈴木桂子
子犬を迎えるには3か月迄がベストだと思います。子犬の性格がほぼ確定されてくるこの時期が、成長期でも最も愛らしい時期です。
この時期を共に過ごした記憶というのは、飼い主にとってかけがえのないものになります。そして各家庭の色に馴染みやすい時期だとも言えます。
8週齢を超えていれば、子犬は適応能力でカバーできるようになります。最も活発にいろいろなことを吸収していくのが12週齢までと言われており、この時期を過ぎると子犬には恐怖心が芽生えるといわれています。
せっかくのこのスポンジのようにあらゆるものを吸収し、適応していく時期を逃さない方がよいでしょう。