体臭が強い犬と弱い犬の違いとは?それぞれの特徴と消臭対策

体臭が強い犬と弱い犬の違いとは?それぞれの特徴と消臭対策

わんこと暮らしていくうえで素通りできないのが、ニオイの問題ではないでしょうか。一般的に、犬種によって体臭が強いものとそうではないものがいるとされていますが、その違いは一体何なのでしょうか。まとめました。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

ニオイのもとってナニ?わんこの体臭の原因

顔が泥だらけの犬

私たち人間にも体臭はありますが、わんこをはじめとした動物の、いわゆる「獣臭」というものが顕著に感じられるのはなぜでしょうか。
その理由は主に2つ、汗や皮脂と、汚れや老廃物などの蓄積ではないでしょうか。

汗や皮脂などの分泌物

動物の汗には、人間の場合にはワキなどからしか発生しない臭いのもととなるタイプの汗と、人間が暑い時に全身からかくサラサラとしていてあまり臭いのもととはならないタイプの汗の2種類があります。わんこの場合には臭いのもととなるタイプの汗を全身でかくそうです。
さらに、わんこには皮脂腺が全身に多くあり、汗や皮脂が微生物によって分解されたもの、酸化されたものによって臭いが生まれます。そして全身を覆う被毛によっても匂いが溜め込まれやすくなっています。

汚れや老廃物

また、見た目には気にならなくても人間ほどには頻繁にシャンプーしないので、様々や汚れや老廃物も、体臭の原因になってしまう場合があります。
では、この2つの観点から、体臭の強い犬と弱い犬の特徴を見ていきましょう。

顔周りのしわ

犬の鼻のアップ

皮膚がたるんでできたしわの間は、意外と汚れが溜まっているものです。
そのため、顔周りにしわが多いパグやフレンチブルドッグなどの短吻種は、体臭が出やすいといわれています。
一方、マズルの長い犬種は、顔周りがさっぱりしているため、皮膚の汚れによって顔が臭うことは少ないでしょう。

よだれの量

よだれを垂らしている犬

おいしそうなものを見たときや興奮したときには、どんなわんこでもよだれを垂らしますが、口の構造上、何でもないときでもよだれが垂れやすい犬種がいます。
セントバーナードやブルドッグなどが代表的です。
よだれは匂いの原因となりやすく、よだれで被毛が濡れて時間が経つほど、悪臭を放ってしまいます。
もともとの口の形以外にも、病気でよだれを多く出すようになってしまった場合にも、臭いの原因となります。また、歯周病や口の中の異常も口臭が強くなる原因となります。

被毛の長さとタイプ

もこもこのトイプードル

人間のワキに毛が生えているのは、ワキから分泌される臭いを溜め込み、より強く異性にアピールするためともいわれています。
同様に、わんこの全身を覆っている被毛も、外部刺激や温度変化から身体を守るだけでなく、臭いを溜め込みやすくしているでしょう。
そのため、被毛がオーバーコートとアンダーコートの二重構造になっているダブルコートの犬種や、被毛の長い犬種は、より体臭が強く感じられるかもしれません。

耳の形

犬の耳アップ

わんこには、垂れ耳と立ち耳の2種類がいますよね。
耳に関するトラブルが多いのは、断然、垂れ耳の犬種になります。
耳が垂れていることで蒸れやすいので、細菌やカビの仲間が繁殖しやすくなり、悪臭を放つことがあります。
また、病気にまで発展していなくても、耳あかが溜まりやすいのも匂いが強くなる原因になります。

肛門腺

トリミングや動物病院などで肛門腺を定期的に絞ってもらうわんこも多いと思いますが、肛門腺からの分泌物を排便時などに自力で出すことができ絞る必要がないわんこか、自力では十分にまたはほとんど出せずに分泌物が貯まり過ぎてしまうことが多いわんこなのかでも体臭の強さが変わります。この場合、臭ってくる臭いは肛門腺の分泌物の独特の臭いとなります。
小型犬や肥満の犬では、肛門腺の分泌物が貯まりやすいそうです。

わんこの消臭対策

お風呂に入っているダックスフンド

こまめなケアをする

人間だって、お風呂に入るのを怠れば臭くなりますよね。
わんこも同様で、汚れを放置すればするほど体臭が強くなってしまいます。
わんこの体臭を弱くするには、こまめに汚れを拭き、ブラッシングや耳掃除などのケアをしてあげることが第一です。
ただし、シャンプーのやりすぎは逆にトラブルの元になることもありますので、注意しましょう。

皮脂が多く出過ぎる病気もあり、皮膚の乾燥対策が重要となる皮膚病もあります。病気ではなくても、人間と同様に皮膚が脂っぽい犬もいます。
肌質や肌の状態に合わないシャンプーを使ってしまったり、シャンプーをしょちゅうし過ぎたり保湿ケアが足りないと皮膚が過度に乾燥してしまうこともあるので、シャンプー選びと肌の状態に合った頻度でシャンプーをすることが大事です。
肛門腺の分泌物が貯まりやすい犬では、定期的に分泌物を絞り出してあげましょう。

フードを変えてみる

ペットショップ等に行くと、体臭を軽減する成分が入っていると書かれているフードやおやつがあります。
どんなフードが体に合うかは犬によって違いますので、わんこに与えて気に入るようであれば、身体の内面から匂いを改善するという意味で、フードやおやつを変えてみるのも1つの方法です。

まとめ

口を開けた子犬と女性

いかがでしたでしょうか?
体臭の強さには個体差も大きく、ここでご紹介した特徴に当てはまらない場合もあります。
消臭対策についても、匂いを減らすことはできても、完全に匂いをなくすことは不可能といっていいでしょう。
体臭はわんこが生きている証でもあります。
愛情を込めた日頃のケアを行うことで、清潔で健康な、みんなに愛されるわんこにしたいですね。

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