犬が散歩中に座る理由・原因
疲労、足腰の痛み
犬が散歩中に座り込んでしまい、歩かなくなる原因のひとつ目は、疲労や足腰の痛みといった身体的な理由があります。特にシニア犬や肥満犬などは、歩くことで体に負担を感じてしまい、休憩したくなり、座り込んでしまうということは少なくありません。
自分の好きな方向へ歩きたい
散歩中に座る原因として、犬が飼い主に対して何らかの意思を伝えたい、というアピールのためということも考えられます。
自分が行きたい方向があっても、横を歩いているだけでは飼い主に気がついてもらえない。そんな時に犬は座って、自分の意思を伝えようとするということがあるのです。
この場合、犬は行きたくない方向に進んだ時は座り込み、行きたい方向に進めている場合は歩き続けるでしょう。
歩いた先にトラウマがある
これまでの散歩で、嫌な経験や怖い経験をしたことがある場合にも、座り込んで動かなくなることがあります。これ以上行きたくないというアピールなので、これが原因の場合は、道を後戻りして違う方向に歩き出せば、しっかり歩いてくれるでしょう。
散歩に慣れていない、社会化不足
子犬など、お散歩デビュー直後の場合や、引っ越し先など環境に慣れていない場合にも、不安感から座ってしまうことがあります。また、子犬で首輪やリードに慣れていない場合にも、引っ張られることが嫌で歩きたがらなくなることがあります。
犬が散歩中に座った時の対処法
強引に引っ張らないこと
歩いている最中に突然座ってしまった場合、大抵の場合は「おいで!行こう!」などと言ってリードを引っ張ると思います。
軽くリードを引いて、歩き出してくれれば問題ありませんが、強い力で引っ張っても動かないことや、抵抗して引きずられる様子が見られる場合は、リードを引っ張ることを一度やめましょう。
犬の首を前から引っ張ると、体のバランスを保つために後ろに体重をかけようとするため、より座ろうとする力が強くなってしまいます。
そのため、立たせて歩かせるためには、リードがピンと張らないように緩めて、声掛けするなどで、自分から立ち上がることを促すよう心がけましょう。
しゃがんで呼ぶ、ほめる
リードを強引に引っ張ると、犬は体のバランスを取るためにお尻の方に重心を移動しがちです。そうすると余計に座り込みやすい姿勢になるので、止まってしまった時は犬が動きやすいように、リードをたるませて、飼い主はしゃがんで呼ぶようにしましょう。
自ら立ち上がり、歩いてきたらしっかりとほめ、声をかけながら歩くようにします。
ただし「座る⇒呼ばれる⇒ほめられる」の一連の行動をセットで覚えてしまうと、飼い主に構ってほしいがため、わざと座るようになることもあるので気をつけましょう。
抱っこでワープ
座り込んでしまって何をしても歩いてくれない、という時は抱っこしてその場を過ぎ、離れたところに降ろしてみるというのも有効です。
座ってしまう原因がはっきりとわからない場合などにも効果的で、抱っこで場所をワープすることで気分が変わり、ケロッと歩き出す場合も多いようです。
犬が散歩中に座らないようにするための予防・対策
肥満にさせない
散歩中に座って歩かなくなるという問題は、肥満傾向にある犬に多く見られます。
私たち人間でも太りすぎるとひざに負担がかかり、歩くのが大変になりますが、四つ足動物の犬の場合でも、体重が重いとひざや腰に負担がかかり、痛みが出てしまう場合があります。
身体的な不調で座ってしまうことを防ぐには、やはり日頃から、定期的に運動をさせて肥満にならないよう、健康管理を行うことが大切です。
おやつを与える、声掛けで気を引く
特に散歩デビューの子犬など、外の環境に慣れていない場合は、歩いている時も話しかけたり、上手に歩けている時はおやつをあげたりしながら楽しい雰囲気作りをすることも大切です。
犬でもただ単調に歩いているだけではつまらない、散歩に行きたいと思えないという場合もあるのです。散歩や歩くことを楽しいと思えるように、始めは励ましながら、慣れてきたら景色や環境への気持ちを、共有しながら歩くことを意識してみてはいかがでしょうか。
散歩コースに変化をつける
上で声をかけながら歩く、という提案をしましたが、散歩を楽しいものにして、犬自らが「歩きたい!」と思えるようにするためには、他にも様々な工夫をすることができます。
毎日同じコースを同じリズムで歩くのではなく、散歩コースや目指す公園を変えることや、歩くスピードに変化をつけ、歩きながらしつけトレーニングを組み込む、と変化のある散歩にすることも散歩の質を高めるためには大切なポイントです。
散歩中に座ってしまう犬に関するまとめ
犬が散歩中に座る、歩きたがらないという様子は非常に多く見られます。
散歩で歩いてくれなくて困っている飼い主さんや、歩かないから肥満になり、ますます歩かなくなるといった悪循環に、頭を抱えている飼い主さんも少なくないでしょう。
犬が散歩で座り込んでしまうようなことがあれば、早い段階で正しい対処を行って、その癖をつけないようにすることが大切です。犬が散歩で座る、歩かないということの原因は、些細なことでも飼い主の対応次第では癖になり、どんどん悪化してしまうことも考えられるので注意しましょう。
ただしふだんは散歩が大好きなのに、そもそも散歩に出たがらない、家の中でも歩くことを嫌がるなどの様子がある場合は、健康上の問題が起きている可能性も。
食欲など他の身体的、精神的様子も併せてしっかりと観察し、あまりにもふだんの様子と違うようであれば、動物病院で相談するようにしてください。