油断は禁物!秋と冬もノミ・マダニは潜んでいる!?

油断は禁物!秋と冬もノミ・マダニは潜んでいる!?【獣医師監修】

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愛犬にかゆみや皮膚炎をもたらすばかりでなく、病気を媒介することもあるノミとマダニ。ノミやマダニの活動が活発になる春と夏に予防を行っていればバッチリ!かと思いきや…そうではありません。じつは、秋と冬もノミやマダニに注意が必要なのです。この記事では、秋と冬のノミ・マダニについてご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。仙台市の動物病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

秋と冬のノミ・マダニ予防、どうしていますか?

後ろ足で体を掻く犬

ノミやマダニの活動が活発になるのは、気温の高い季節。
ですから、春から夏にかけては、しっかり愛犬にノミ・マダニ予防を行っている飼い主さんが多いかと思います。
しかし、夏の暑さが落ち着いて日に日に肌寒くなってくる秋、そして気温がぐんと低くなる冬はどうでしょうか。
「寒くなってきたから、もう大丈夫だよね?」と、ノミ・マダニ予防をやめていませんか?
じつは油断は禁物で、秋と冬も愛犬がノミやマダニの被害に遭う可能性があります。
秋と冬もノミ・マダニに注意が必要なのです。

秋と冬もノミ・マダニに注意が必要な理由

落ち葉に埋もれるゴールデンレトリーバー

どうして、ノミやマダニが活動していなさそうな秋と冬も注意が必要なのでしょうか?
その理由をご紹介していきます。

ノミは13℃以上あれば活動できる

ノミは気温18℃~27℃を好み、梅雨の前後から活発に発生・繁殖をします。
しかし、ノミは気温が13℃以上あれば活動できます。
ですから、外で付着したノミが室内に持ち込まれれば、たとえ真冬でも暖房の効いた室内なら、繁殖と寄生を繰り返すことができるのです。さらに、カーペットなどの生活環境にもひそんでいます。

実際、真冬でも犬は10頭に1頭、猫は5頭に1頭の割合で、ノミの被害に遭っているという調査結果も出ています。

冬に活動するマダニもいる

マダニの活動が盛んなのは春から秋にかけてです。
しかし、冬に活動する種類のマダニもいます。
つまり、秋や冬も草むらなどに潜んだマダニが、愛犬に寄生するチャンスを狙っているかもしれないのです。

犬にノミやマダニが寄生するとどうなるの?

ナースの帽子をかぶった犬

愛犬にノミやダニが寄生すると、どうなるのでしょうか?

ノミが寄生した場合

ノミは草むら、あまり日の当たらない場所や室内のカーペットなどに潜み、犬の二酸化炭素や体温を感知して体表に飛び移ります。

犬にノミが寄生して吸血すると、皮膚に赤みやかゆみが生じます。
大量のノミに吸血された場合は、貧血を起こすことも。そのほか、

  • ノミアレルギー性皮膚炎
  • 瓜実条虫症(うりざねじょうちゅうしょう)

などの病気が引き起こされることもあります。

ノミアレルギー性皮膚炎は、ノミの唾液にアレルギー反応を起こして発症します。
皮膚に強いかゆみを伴う炎症や、脱毛などの症状が見られます。

瓜実条虫症は、瓜実条虫が寄生しているノミを、犬が口にすることで感染します。
犬に飲み込まれた瓜実条虫は小腸まで移動して、成虫になります。
犬が感染しても、ほとんどの場合は無症状ですが、複数の瓜実条虫が寄生すると、下痢や軟便、食欲不振などの症状が見られることがあります。
また、便の表面や肛門の周りに瓜実条虫の片節が出てくることも。まれに、人に感染することもあります。

マダニが寄生した場合

マダニは公園や山、河川敷などの草むらに潜み、犬の二酸化炭素や体温を感知して体に飛び移ったあと、まぶたの縁や耳の裏などに寄生して吸血します。
犬にマダニが寄生して吸血する時、皮膚を切り裂いて血液を吸います。その際セメント物質をだして固めて抜けないようにしています。
そのため、何日にもわたって吸血されることになります。
マダニが媒介する病気には、以下のようなものがあります。

  • エールリヒア症
  • Q熱
  • 犬バベシア症
  • ライム病
  • SFTS(重症熱性血小板減少症候群)

エールリヒア症は、マダニが媒介するリケッチアという細菌の一種が引き起こす感染症です。
無症状のこともありますが、発熱、出血(鼻血)、食欲消失、リンパ節の腫れなどの症状が見られることも。

Q熱は、コクシエラ菌という細菌の一種を持つマダニに噛まれることで感染します。
犬が感染しても多くの場合は無症状ですが、犬から人へ感染することがあり、人が感染して発症すると高熱、悪寒、筋肉痛、呼吸器症状などが見られます。

犬バベシア症は、バベシアという原虫がマダニを媒介して犬の体内に入り、赤血球の中で増殖します。症状としては赤血球を壊すので貧血や血尿などが見られ、重症になると嘔吐や下痢、発熱を起こして死に至ることもあります。

ライム病は、ボレリアという病原体をマダニが媒介して起こる感染症です。
無症状なことが多いですが、まれに発熱、食欲消失、体重減少が見られたり、関節炎によって足をひきずったりすることも。人に感染すると特徴的な赤い丘疹、発熱、関節炎などの症状が出ます。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、SFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染します。一般的に犬は感染しても無症状ですが、発熱や食欲消失、白血球減少症、血小板減少症などが見られることもあります。
2017年10月に初めて、徳島県で犬から人へのSFTSの感染事例が確認されました。
人に感染すると、だるさや発熱などが見られ、出血やショック状態になることが起こることもあり、致死率は約20%とされています。現在のところ特効薬はありません。

ノミ・マダニの予防法は?

予防薬を垂らされている犬

秋や冬にもノミやマダニが潜んでいる可能性があり、愛犬にノミやマダニが寄生することによって、愛犬だけではなく飼い主さんにも病気が感染するおそれがあります。
ですから、春と夏はもちろん、秋と冬もノミ・マダニの予防を行うことが、愛犬と飼い主さんの健康を守ることにつながります。
では、ノミとマダニを予防するにはどうしたらよいのでしょうか?

駆除薬を投与する

ノミ・マダニ予防にはまず、愛犬に駆除薬を毎月投与することが大切です。
駆除薬には経口薬と滴下薬があります。
駆除薬は、ホームセンターやドラッグストアなどでも「医薬部外品」として販売されていますが、動物病院で処方してもらう「動物医薬品」の方が高い効果が期待されます。

経口薬には錠剤のほか、食べやすいお肉風味のおやつタイプもあるので、与えやすいものを選びましょう。
錠剤は直接口に入れてもいいですが、ドッグフードに混ぜて与えるのも手です。
ドッグフードに混ぜて与える場合は、薬だけを吐き出してないか、食後に必ずチェックを。

滴下薬は、経口薬が苦手な犬におすすめです。
肩甲骨の間辺りの毛をしっかりとかき分け、地肌を出して薬液を垂らします。

部屋を清潔に保つ

部屋を清潔に保つことで、ノミが繁殖しにくい環境を作ることができます。
掃除機で部屋の隅々まで掃除するのはもちろん、犬用ベッドやクッションカバー、ブランケットなどもまめに洗濯を。
洗濯するときは60℃以上のお湯を使い、天日干しをしてしっかり湿気を飛ばしましょう。

ブラッシングとシャンプーを行う

毛が絡まって蒸れた皮膚や、皮脂が溜まった皮膚はノミの温床になります。
毎日のブラッシングと、月に1~2回のシャンプーをしっかり行いましょう。
日常的にブラッシングをすることで、ノミやマダニを発見しやすくもなります。

もしノミを見つけた場合は、潰すとノミの卵をばらまいてしまうおそれがあるので、手で潰さないように気をつけましょう。ノミを見つけたら粘着テープに貼りつけて捨てて、駆除薬で駆虫と予防を。
ブラッシングをして黒い粒が出てきたら、ノミのフン(吸血した犬の血液を排泄したもの)である可能性が高いです。黒い粒を濡れたティッシュに置き、周囲が赤くなったらノミのフンであり、犬にノミがいる証拠です。この場合も、駆虫と予防が必要になります。

マダニを見つけた場合は、無理に引っ張って取るのはNGです。
マダニは皮膚内に口を食い込ませるように吸血するため、無理に取ると口の部分が皮膚内に残り、化膿してしまいます。絶対に無理に取らずに、動物病院で取ってもらいましょう。

シャンプーの頻度は、トリミングサロンや動物病院で相談するといいでしょう。

まとめ

冬の風景と寄り添う2頭の犬

ノミ・マダニ予防は、春から夏かけて行えば大丈夫と思ってしまいがちですが、秋と冬も油断は禁物です。
秋や冬に予防を行わないことで、愛犬がご紹介したような病気にかかってしまってしまうかもしれません。
ぜひ秋と冬もノミ・ダニ予防をして、1年を通じて愛犬の健康を守りましょう。

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