犬は飼い主の「怒った表情」や「悲しい表情」を理解している?

犬は飼い主の「怒った表情」や「悲しい表情」を理解している?

犬は人間の表情や声のトーンから感情を読み取っていると言われていますが、その感情の中でも似た表情である「怒った表情」と「悲しい表情」は判別できるのでしょうか。今回は犬は飼い主の怒った表情や悲しい表情を理解しているのか否かについてお話しします。

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犬は飼い主が悲しい表情をしているとわかるの?

涙を流す女性

よく犬を飼っている人の体験談に、「飼い主が悲しんでいると、それを察しているのか側に寄ってきてくれる」あるいは、「泣いていたら近寄ってきて、頬を舐められた」というような話があります。
このような体験談を聞くと、犬は飼い主の様子をしっかり観察していることはもちろん、「もしかして飼い主が悲しんでいるのを理解しているのかな?」と思ってしまいますよね。

では、実際犬は飼い主を始めとした人間の感情を、表情から読み取ることはできるのでしょうか。今回は犬は飼い主の表情を理解しているかどうか、また感情を読み取ることができるのかを考えていきます。

犬は人間の表情から感情を読み取ることができる

見つめ合う犬と女性

先ほども例に出したように、犬が人間の感情を読み取っているのではないかと思うような話は数多く存在します。
そんな私たちの疑問を解消してくれるような実験を行っている研究チームが、世界には数多く存在します。

目や口から感情を読み取っている

まずは、犬が人の表情を判別することができているかどうかの実験をした、オーストリアの研究チームがありました。
その研究チームによる実験では、飼い主だけではなく、初対面の相手の表情も区別することができたという結果が出ています。
特に注目したいポイントは、人間の顔の上半分(目)と人間の顔の下半分(口元)を映した映像だけを見せた場合にも、その違いをしっかり区別することができたという点です。

つまり、犬は人間の表情を区別しており、その人の目と口元どちらか一方を見ただけでも、判別することが可能であるということが、この実験結果からわかるのです。

「喜ぶ表情」と「怒った表情」

さらに詳しく見ていきましょう。
上記で行われたオーストリアの実験では、人間の嬉しいときの表情と怒っているときの表情の2パターンを用意し、24匹の犬を対象に実験を行いました。

この24匹の犬をさらに2グループに分け、片方のグループには嬉しいときの表情を選ぶようにしつけ、もう片方のグループには怒っているときの表情を選ぶようにしつけます。
見事正解した犬には、ご褒美を与えるという方法です。

すると犬たちは正確に表情を区別し、選ぶことに成功しただけでなく、嬉しいときの表情を選ぶグループの方が選択時間が早いという結果が出たのです。
これは、怒っている表情を選択するグループは、その表情を選択することを躊躇していたため遅れたといいます。
また、怒っている表情を選ぶグループの中には、「こちらを選ばなければいけない」と理解していながらも、その表情が怖いのか選ぶことを嫌がる犬もいたほどです。

この結果から、犬は表情を区別するだけでなく、その表情にはどのような感情が含まれているのかを読み取る能力があることも判明したのです。
やはり人間と長い歴史を築いてきただけあり、人間に対する観察力は非常に優れていると言えるでしょう。

人間の会話や声のトーンからも推測

片方の耳を立たせる犬

表情だけでなく、人間の声からも感情を読み取っているという研究結果も発表されています。
これは、サセックス大学が発表した研究結果によって判明したものです。

このサセックス大学の研究チームの実験結果によると、犬は人間の声のトーンや声量、イントネーションなどからも感情を読み取ることができると判明したのです。

つまり、大きな低い声を出されればネガティブな感情を自分に向けていると理解できますし、反対にいつもより高くて優しい声音であれば、ポジティブな感情を向けられていると理解していることになります。

「怒った表情」と「悲しい表情」は判別できてるの?

寄り添う犬と女性

犬は人間の「喜ぶ表情」はポジティブな感情を持っており、「怒った表情」はネガティブな感情、自分に対して敵対心を持っているということは判別できています。
「怒った表情」と「悲しい表情」を表情で、判別しているかどうかは定かにされていません。
しかし、ロンドン大学の研究者によって行われた実験によると、泣き出す人、突然話し出す人、歌い出す人を用意し、犬がどの人物に駆け寄っていくかを実験したのです。

すると8割以上の犬が泣き出す人の所へと駆け寄っていったという結果が出ました。
おもちゃやおやつを与えてもそれを放り出し、泣き出す人の所へと駆け寄っていったというのです。
犬と人間の共存の歴史は非常に長いです。
そのため、犬は人間の感情に寄り添い共感する能力が、時間の経過とともに進化しているとされています。
表情からすべての感情を読み取れるかどうかは定かではありませんが、表情、声のトーン、仕草など様々な要素を組み合わせて、人間の感情を読み取ろうと努力しているのです。

まとめ

上を見つめるダックスフンド

いかがでしたでしょうか。
犬は表情はもちろん、声のトーンや声量などの要素も含めて人間の感情を読み取る能力に優れています。
したがって、悲しんでいると駆け寄ってきてくれる、という体験談から飼い主の感情を読み取っているという説は、あながち間違いではないのかもしれませんね!

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    50代以上 女性 まま

    だから笑って見送ってあげないと、、、
    そう思うんです。
    早く元気になってあの子を安心させてあげないと、、、。
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