犬の睡眠時間の平均
犬と一緒に生活していると、横になって目を閉じている姿をよく見ると思います。ワシントン大学の調査によると、犬は一日平均約10時間半眠ると言われています。人間よりも睡眠時間が多いといえますね。
しかし、犬が眠っている時間の約8割は浅い眠り(レム睡眠)で、熟睡しているのは睡眠時間のわずか2割ほどしかありません。
例えば、少し物音がしただけで、寝ていた愛犬がパッと目を覚ますことってよくありますよね?この状態がレム睡眠となります。
犬の睡眠時間の多くが浅い眠りなのは、大昔、眠っているときに他の動物から、獲物として狙われた際、いち早く気づいて危険を回避していた名残なのだとか。
ちなみに、犬が深い眠りのときは、仰向けになったり足をピクピクさせたり、寝言を言ったり。とても気持ちよくリラックスして眠っている姿を見ることができます。
犬の大きさによる睡眠時間の違い
犬の睡眠時間について調べてみたのですが、何と!犬の睡眠時間は、犬種によって違うみたいですよ。
一般的には、体の大きさが小さい犬種よりも、大きい犬種の方が睡眠時間が多い傾向にあります。また、元狩猟犬などの活発に動く習性のある犬種ほど、睡眠時間が多くなるそうですよ。
なぜ睡眠時間が多くなるのかというと、行動をしたときにエネルギーや体力をたくさん使うというのが主な理由です。
大型の犬種は、何か行動をしたときに小型犬よりもエネルギーを消費しやすく、活発な犬種はよく動くので、エネルギーや体力を消耗してしまいます。私たち人間も、体力をたくさん使ったときや疲れているときは、いつもより多く睡眠をとることがありますよね?
犬も消費した体力や疲れをとるために、睡眠時間を多くとって回復させているのでしょう。
犬の年齢による睡眠時間の違い
犬種の違いだけでなく年齢によっても睡眠時間は変わります。成犬の睡眠時間
成犬は平均10時間半ほどの睡眠時間です。
人間の大人は1日に6~8時間の睡眠をとれば十分です。しかし犬は野生時代の名残りで眠りが浅いため、しっかり休むためには人間よりも多くの睡眠時間が必要となります。
犬種や生活環境によっても睡眠時間には差があり、エネルギーを消耗しやすい大型犬の場合は1日に15時間ほど寝ることも珍しくありません。
また人間は基本的に夜間にまとめて睡眠をとりますが、犬は継続して睡眠をとる必要はありません。お昼寝や夜の睡眠を合計して1日に必要な睡眠時間が確保できていれば寝不足の心配はないので、愛犬が頻繁に目を覚ましている様子が見られてもそれほど気にしなくて大丈夫でしょう。
やんちゃで動き回っていた子犬のころと比べると、睡眠時間は自然と少なくなります。たくさん運動をして疲れた日など、いつもより長い時間寝て過ごしている時はゆっくり眠らせてあげてください。
子犬と老犬の睡眠時間
子犬や老犬は、12時間~18時間眠ると言われています。
やんちゃ盛りの子犬は活発に動き回るので、たっぷり睡眠をとって疲労を回復させる必要があります。また脳や体の発達のためにも睡眠は欠かせません。子犬期には睡眠不足にならないように注意したいところです。
可愛らしい子犬が家にいるとつい構いたくなってしまうものですが、子犬が眠っている時は邪魔をせずにそっとしておいてあげましょう。
夜の寝つきが悪い場合は、日中の運動が足りていないのかもしれません。飼い主さんが一緒に遊んで、十分に体を動かしてもらうとよいでしょう。
老犬の睡眠時間が子犬と同じくらい長くなるのは、体力が衰えてきたことでたっぷり休息が必要になるからです。快適な寝床でゆっくり休んでもらうことも大切ですが、健康維持のためには軽い散歩などの適度な運動も生活に取り入れたいですね。
また、犬種や年齢に限らず、犬ごとによっても、もちろん睡眠時間は変わります。
犬の睡眠時間が極端に短い・長い場合は病気?
犬の睡眠時間には個体差があるので、多少平均より短かったり長かったりする分には問題ありません。しかし平均睡眠時間と比べて極端な差がある場合は、病気やストレスが原因となっている可能性があります。
犬の睡眠時間が短い場合に考えられるのが、安眠できる環境が整っていないということです。引っ越しをしたばかりで新しい家に慣れていない、近所で工事をしていて騒音が気になる、模様替えにより寝床の環境が変わったなど、愛犬の安眠を妨げる要因には様々です。
全てのストレスを取り除くことは難しいですが、できる限り愛犬が安心できる睡眠環境になるよう配慮しましょう。
また認知症で夜鳴きをしたり、呼吸器系の疾患で呼吸が浅くなったりすることも睡眠時間が短くなる原因のひとつです。
逆に睡眠時間が長い場合に考えられるのは、体調不良や甲状腺機能の低下による過度な眠気、関節の痛みで起き上がるのが辛いなどの理由です。愛犬が寝てばかりいることが気になる時は、食欲や起きている時の様子を見て健康状態を確認しましょう。
犬の睡眠時間が短いもしくは長い原因として病気が疑われる場合は、早めに動物病院に相談してください。
犬種別で見る睡眠時間の違い
トイプードルの睡眠時間
トイプードルは小型犬なので、睡眠時間が短いと思いきや、何と、平均14時間ほど眠るそうですよ。なぜ、小型犬なのに犬の平均的な睡眠時間よりも大幅に多いのか、不思議に思って調べたところ、歴史にヒントがありました。
トイプードルはぬいぐるみのような可愛らしい外見をしていますが、何百年も前から元狩猟犬として活動していたり、トリュフを探す仕事をしていたりと、活発に活動していた犬種だったのです。
当時の名残からなのか、割と活発な性格の子が多いようで、睡眠時間が長めなのも納得できますね。
チワワの睡眠時間
チワワはとても小さな小型犬で、睡眠時間は平均10時間といわれています。小さな体に加えて基本的に運動もそれほど必要としないので、体力を消費しにくく、犬の中では眠る時間が少ないといえそうですね。
ただ、チワワは割と活発な性格の子が多く、12時間以上眠る子もいるようです。
柴犬の睡眠時間
日本の代表的な犬種ともいわれる、中型犬の柴犬の睡眠時間は平均10時間。少し睡眠時間が短いと思いませんか?実は、これにも理由があるんですよ。
あなたは『作業犬』というのをご存じでしょうか?番犬として活動したり、人間のために活躍したりしている犬のことです。
作業犬として活躍する犬種は、起きてすぐに活動することを求められるので、基本的に他の犬種よりも睡眠時間が少ないと言われています。
現在、日本の家庭では、作業犬として活躍することはほとんどありませんが、睡眠時間が少ないのは作業犬として活躍していた証といえそうですね。
犬の睡眠を快適に取らせる為の環境
安眠できる環境が整っていないせいで睡眠不足になると、健康を損ねてしまう危険性があります。飼い主さんは愛犬がぐっすり眠れるように、快適な睡眠環境を整えてあげましょう。
まずは犬が眠る部屋を快適な温度に調整することが大切です。シングルコートの犬にとって快適な室温は夏なら22〜25度、冬は20〜25度といわれています。ダブルコートの犬の場合は夏が23~26度、冬は19~23度が過ごしやすいそうです。
暑すぎたり寒すぎたりしないように室温には気を配りましょう。体温調整が上手にできない子犬や老犬には、特に気を使ってあげてくださいね。
また愛犬の寝床として、ふわふわした犬用のベッドを設置することをおすすめします。硬い床ではあまり寝心地が良くないので、気持ちよく眠れるベッドがあったほうがぐっすり眠れるはずです。
犬用ベッドの設置場所は、静かで落ち着けるところを選びましょう。人通りの多い場所やTVの音がうるさい場所では、睡眠を妨害されてストレスを感じてしまうかもしれません。家の中に数カ所寝床を用意して、愛犬が自由に眠る場所を選べるようにするのもおすすめですよ。
ただし犬は暗くて狭いところにいると落ち着くので、ベッドではなくクレートで眠ることを好む場合もあります。どのような寝床を好むのか、愛犬の様子を見て判断してください。
さらに、綺麗好きな犬のために寝床を清潔に保つこともポイントです。寝床が汚れないように、トレイと寝床は別々の場所にしたほうがよいでしょう。
まとめ
犬は犬種や年齢など、様々なものによって睡眠時間が異なるようですね。基本的に活発な性格の犬種や大きな犬種ほど睡眠時間を多くとります。
あなたの愛犬は一日にどれくらい眠りますか?愛犬と同じ犬種の平均的な睡眠時間を調べて比べたり、定期的に愛犬の睡眠時間を知っておいたりすると、健康管理しやすくなると思いますよ。
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