1.アフガン・ハウンド
- 英語表記:Afghan Hound
- 原産国:アフガニスタン
歴史
アフガン・ハウンドは、現存する犬種の中で最も古い歴史を持つ犬種です。紀元前3000~4000年ごろ、王侯貴族の墓や土石、ピラミッドなどの歴史的建造物に、アフガン・ハウンドに似た犬が描かれていたそうです。
猟犬として活躍し、アフガニスタンの険しい砂漠や山岳地帯に耐えることができるよう、手足が発達しました。また朝晩の激しい気温差に対応できるよう、保温性と通気性に優れた毛も持ち合わせています。
特徴
引きずるような長く美しい毛を持ち、レッドやブラック、シルバータン、ブルーなどさまざまな毛色を持ちます。その長い毛をなびかせながら走る姿は、見る人を魅了するでしょう。
アフガン・ハウンドは「頭が悪い犬種」といわれることがありますが、それは誤解です。そもそもアフガン・ハウンドは人が追い付かないほどのスピードで獲物を追いかけ、自分の判断で狩りをしてきました。自分で考えることを好み、独立心が強く、自分の意にそぐわないことには従わないという性格から、このようなレッテルが貼られたのでしょう。
感情をあまりあらわさず、素っ気ない態度を示すことが多くみられますが、実は優しく穏やかな性格で、寂しがり屋な性格といわれています。
2.ラサアプソ
- 英語表記:Lhasa Apso
- 原産国:チベット
歴史
ラサアプソはとても古い起源をもつ犬種で、チベットの僧院で飼育されていました。王侯貴族は神より力を授けられることで権力を持ちましたが、その象徴として僧院からラサアプソが贈られていたそうです。そのためチベットでは、ラサアプソは「守り神」や「聖なる犬」として称えられていました。
とても優れた聴覚を持ち、飼い主と他人の足音や、建物に侵入した不審者などの足音を聞き分け、飼い主に知らせることで僧院を守っていたそうです。
特徴
名前の由来となった「アプソ・セン・カイ」はチベット語で「よく吠えるライオン」といわれ、その名の通り、初めて見る人、犬、ものに対して強い警戒心を持ち、よく吠えます。優れた聴覚により音に対して敏感なため、マンションやアパートなどの集合住宅で飼う場合は、十分なトレーニングが必要となるでしょう。
ラサアプソは家族に対して深い愛情を持ち、とても活発で遊ぶことが大好きです。とても賢く、聴覚に優れているので、飼い主の声のトーンや足音、仕草などを聞き分け、判断することができます。聴導犬として活躍するワンちゃんも多いそうです。
3.シルキーテリア
- 英語表記:Silky Terrier
- 原産国:オーストラリア
歴史
イギリスから持ち込まれたヨークシャーテリアと、現地のオーストラリアンテリアが交配し、誕生しました。1930年ごろまでヨークシャーテリアとオーストラリアンテリア、シルキーテリアは同一の犬種として扱われていましたが、1958年にオーストラリアのケネルクラブで独立犬種として認められました。そのため、シルキーテリアは200年にも満たない、歴史的に短い犬種なのです。
特徴
シルキーテリアは、「シルクのような(silky)」毛質を持つことから名付けられました。ブルーアンドタンの毛質はツヤツヤと美しい光沢がみられます。意外かもしれませんが、毛のお手入れとして2日ごとのブラッシングで十分です。もともと美しい毛質を持っているので、特別に何をする必要はありません。
好奇心が旺盛で、飼い主と一緒にオモチャで遊ぶことが大好きです。争いごとを好まない性格をしているので、ペットとしては飼いやすい犬種といえます。
4.ボルゾイ
- 英語表記:Borzoi
- 原産国:ロシア
歴史
もともとウサギ狩りの猟犬だったボルゾイですが、所有していた王侯貴族が「もっと大きな獲物を」と考え、オオカミ狩りとしても働くようになりました。2~3匹で組になってオオカミを追及する頭の良さと、オオカミに立ち向かっていく勇敢さを持っていたため、飼育は王侯貴族だけが許されるほど高貴な犬となりました。
その後ロシアからイギリスの上級階級に贈られ、その上品で優雅な見た目からドッグショーで大変評判になりました。
特徴
「ボルゾイ」はロシア語で「俊敏」という意味で、その名の通り、長い手足で走るスピードは、なんと時速50㎞といわれています。華奢な見た目からは想像できないほどしっかりとした筋肉と骨格を持ち、強靭なアゴを持ちます。遊ぶことが大好きで好奇心が強いため、テンションが上がりすぎると、遊ぶ力加減が分からなくなってしまうこともあります。運動量をとても必要とする犬種なので、毎日1時間以上のお散歩を心掛けましょう。
ボルゾイの性格はとても優しく落ち着いています。家族に対して深い愛情を示し、子供にも穏やかに接します。ゴールデン・レトリバーのように愛情を全身であらわすことはなく、静かに寄り添うように飼い主を見守ります。
オオカミ狩りの名残からアクティブなイメージのボルゾイですが、実はのんびりと過ごすことが好きなワンちゃんです。家のソファで寝転んで、そのまま動かないなんてこともあるんだとか。歩き回らず、無駄吠えもほとんどすることがありません。
まとめ
上品なワンちゃんをご紹介しました。
歴史を遡ってみると、王侯貴族と関わりがあるワンちゃんが多くみられますね。上品な見た目と相まって、性格も温和で落ち着いており、飼い主への愛情が深いワンちゃんが多い気がします。