意外と間違われやすい秋田犬とサモエド
青森県西津軽郡鰺ヶ沢町で暮らしている“わさお”をご存知でしょうか。
焼きイカ店を営んでいた菊谷節子さんに保護され、ネットやテレビで紹介されたことで話題になりました。
初めてテレビでわさおを見たとき、「これ秋田犬なの!?」と友人が驚いていました。きっと、多くの人が想像する秋田犬は、忠犬ハチ公のような見た目でしょう。
そして、サモエドと暮らす飼い主さんからよくお聞きするのが、「わさおと同じ犬種ですか?」という質問をされてしまうそうです。
サモエドという犬種をご存知でない方も多く、その一方でわさおをご存知の方が多いことから、サモエドを秋田犬と勘違いしてしまうのでしょう。
秋田犬とサモエド、似ているようで全く違うのです。それぞれの犬の特徴や性格についてご紹介しましょう。
秋田犬とサモエドの特徴
秋田犬の特徴
秋田犬のカラダはとてもガッシリとして体格が良く、手足が長く、腰が高い大型犬です。オスの体高は67cmほど、メスの体高は61cmほどです。
マズルは太く、長さは普通ですが、先はとがっていません。三角形で分厚い耳は、耳と耳の間が広くなっています。
サモエドの特徴
サモエドは全身を白い長毛に覆われており、体高よりも体長がやや長い、大きめの中型犬です。緩やかに巻かれた尻尾には長く美しい飾り毛があります。
2犬種の違い
秋田犬が大型犬なのに対して、サモエドは中型犬に分類されます。ただし、大きめの中型犬なので、大きさで見分けるのは少し難しいかもしれません。見た目の印象としては、サモエドは細身でスマート、秋田犬は骨太でがっしりしている印象です。
秋田犬は鼻は基本的に黒ですが、サモエドと間違われやすい被毛が白い秋田犬はピンクであることが多く、鼻の色で見分けられる場合があります。
また、サモエドは、「サモエドスマイル」と呼ばれる、まるで微笑んだような表情をします。長めのマズルに上向きに切り込んだ口角があるため、口元や表情も見分けるポイントになるでしょう。
秋田犬とサモエドの性格
秋田犬の性格
忠犬ハチ公のように、秋田犬はとても忠誠心に優れており、飼い主や家族に対してとても愛情深く保守的な犬です。
猟犬や闘犬としての勇敢で頑固な気質が残る個体もおり、飼い主や家族以外の人や犬に対して警戒心が強いこともあります。
サモエドの性格
とても優しく温和な性格であり、辛抱強い犬です。他の人や犬に対してもフレンドリーで人を信頼し、常に寄り添ってくれます。社交的な性格であるため、あまり番犬としては向かないでしょう。
辛抱強い性格であることと、落ち着いて行動することができるため、小さな子供がいる家庭でも安心でき、良い遊び相手になってくれるでしょう。
2犬種の違い
秋田犬はもともと猟犬や闘犬として活躍してきた犬種なので、日本犬らしい「番犬」としての性格が強く、お客さんなどに対しては、すこし気難しい犬種なようです。逆にサモエドは温和で社交的な性格で、フレンドリーな気質を持っている事が多いようです。
秋田犬とサモエドの被毛の特徴
秋田犬の被毛
秋田犬の被毛は赤・虎・白・胡麻があり、白以外の毛色の場合は、お腹やアゴの下など、カラダの下向き部分や手足の先が白くなければいけません。また、このような毛色の事を「裏白」と呼びます。
サモエドの被毛
美しく真っ白な毛色のイメージが強いサモエドですが、1909年以前の、最初のスタンダードが作り出される前は、ブラックやブラウンの毛色もあったそうです。
現在は、クリームやホワイト、ホワイトにビスケットが入っているような毛色が多いようです。
2犬種の違い
2匹の共通する被毛の特徴は、白の毛色のみのようです。ただ、白色の場合、2匹を見分けるポイントが少ないようなので、体の特徴や性格などで見分ける方がよさそうです。
また、白以外の毛色の場合は、それぞれ特徴が大きく異なっているので、見分ける事は容易でしょう。
まとめ
写真で見比べてみるとわかりやすいと思いますが、秋田犬とサモエドは全く違います。なぜ区別できないのか、なぜ間違えてしまうのか、愛好家の方には不思議なくらいでしょう。
わさおについても様々な意見がネット上で飛び交っており、「秋田犬じゃなくてサモエドだ」という意見がとても多いようです。わさおは白い長毛種でサモエドのようにも見えますが、間違いなく秋田犬です。
わさおは体重が40kgほどあるようで、サモエドの平均体重が16kg~30kgほどであることからも違いがわかります。
見た目が似ている犬種って、実はたくさんありますよね。特徴を比べてみるといろんな違いを知ることができて面白いですね。