飼い主以外に吠えてしまう理由 その①「警戒している」
犬は飼い主に対してとても忠実に従う反面、本能で行動してしまうこともあります。
どんなに飼い主が吠えてはダメだと言っても、自分の縄張りに侵入しようとする部外者に対して、警戒して吠えることで追い払おうとします。自分の縄張りに入って欲しくないという気持ちが強いのでしょう。
犬は群れで暮らす動物です。仲間に危険を知らせて群れの安全を守ろうとします。犬が飼い主以外のニオイや音が近づくと警戒して吠えるのは、危険を察知し、群れの上位者である飼い主に知らせようとする本能からくるものです。
やめさせるためには?
郵便や宅配が届く度に吠えられては困まってしまいますよね。しかし、たまたま家の前を通る人や突然訪問してきた初対面の相手に対して吠えてしまうのは、本能として致し方ないことです。
よく訪問する人や知り合いなら、「侵入者ではない」「危険な相手ではない」と、犬に教えてあげましょう。飼い主が「大丈夫だよ」と安全を伝える練習をする必要がありますが、犬自身が「吠えなくても大丈夫」と理解できれば、自然に吠えるのを止めるようになるでしょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
訪問者に愛犬の好きなものを与えてもらうのも一つの方法です。
お気に入りのおやつをくれる人だと覚えてくれれば、次に来てくれるのを楽しみにしてくれるかもしれませんよ。
飼い主以外に吠えてしまう理由 その②「飼い主を上位者であると認識していない」
犬は、自分の縄張りをしっかり持っています。家の中は犬にとって縄張りであり、縄張りの中に入ってくるものは敵だと認識します。ただし、縄張りの中の上位者がいれば指示にしっかり従うでしょう。上位者から吠えてはダメだと言われれば吠えることをやめます。
しかし、飼い主を上位者であると認識していない場合は飼い主の指示に従うことなく、いつまでも吠え続けてしまいます。縄張りの中に入ってくる者を敵だと思い、自分の縄張りを守るために吠えているのです。
やめさせるためには?
愛犬との信頼関係を築くことで主従関係もできていきます。しっかりと信頼されていなければ言うことを聞いてくれません。
中には、犬と対等な関係で有りたいと思う方もいるかもしれません。ですが、犬にはそれは伝わりません。犬が自分を上位者であると認識してしまえば、飼い主がどんなに注意しようと吠え続けてしまいます。
上下関係をしっかり築くことは、愛犬の安全を守ることになります。信頼関係を築き、十分なしつけを行いましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
犬は「ふせ」の姿勢だと比較的吠えにくくなります。
日頃から「ふせ」の完成度を高めるトレーニングを行うのも効果的ですよ。
飼い主以外に吠えてしまう理由 その③「恐怖心」
犬はとても警戒心が強く、さらに警戒心が強まることで恐怖心も強くなってしまいます。犬が吠えることは、相手を威嚇して追い払おうとする行為ですが、相手との争いごとを事前に避けるための行動でもあります。
犬は本来、相手に対して「敵意はないよ」と上手に伝えることができる動物ですが、その反面「警戒心」や「恐怖心」も強く臆病な面を持ち合わせているため、相手が争いを仕掛けてくるのではとビクビクしているんです。
飼い主以外の足音やニオイや声を感じれば、恐怖心から吠えてしまう事もあるでしょう。
やめさせるためには?
吠えることを止めさせるには、社会性を学ぶ機会を出来るだけ多く作ってあげましょう。
例えば、ドッグランなどの人や犬がたくさん集まる場所へ出かけ、他人や他の犬に慣れさせたり、散歩コースを変えてみたりなど、飼い主さんが色々な経験をする手助けをしてあげる必要があります。
「うちの犬は他の人や犬に対して吠えるから…」という理由で他の人や犬を避けてしまう方もいらっしゃると思いますが、それでは社会性を学ぶことができず、飼い主以外の人や犬に対して恐怖心を持ったままです。
ドッグランなどに連れて行けば初対面の人や犬とも出会う機会が増えることで、犬自身もどうすれば良いのか、少しずつ学ぶことができます。はじめは、恐怖心から吠えてしまうかもしれませんが、「すみません、怖がりなんです」と周りに理解してもらい、少しずつ慣れていきましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
恐怖心を取り除くことは容易ではありません。すぐに改善するとは限りません。最初は怖がるだけで終わってしまうことも少なくありません。
それでも諦めずに、できる範囲で少しずつ恐怖心を取り除いていけるようにすすめてあげましょう。
まとめ
犬が飼い主以外に吠える理由は、
- 警戒している
- 飼い主を上位者であると理解していない
- 恐怖
などです。我が家の柴犬ミックスの男の子も、飼い主以外の人や犬に対して手に負えないほど吠える犬でした。警戒心と恐怖心がとても強かったことと、成犬になってから迎えたことで、飼い主である私との主従関係、信頼関係を築くことができていなかったからです。
一方、ペットショップからお迎えしたポメラニアンの女の子は、ペットショップにいた7ヶ月の間に、たくさんの人や犬と触れ合う機会があったことで飼い主以外の人や犬に対しても警戒することがありません。誰の呼びかけにも喜んで向かい、誰にでも抱っこされることを喜ぶのは、飼い主としては複雑ですが…。
そんな子でさえ、訪問者に対しては必ず吠えます。誰か来たよと、私に知らせようという気持ちがとて強いからだと思います。なので「教えてくれてありがとう」と伝えています。
理解して欲しい相手に対しては「郵便さんだよ」「荷物届いたよ」「○○さんだよ」などと、その度に声がけもしています。お困りの方は試してみてください。
ユーザーのコメント
女性 匿名
連れてくる飼い主いますが、吠える犬、吠えられる犬、謝る飼い主、気を使う他の飼い主、誰一人楽しくないです。
せめてドッグランの外から見て本犬が入りたがってからにしないと。
空いている時や、毎日の散歩で出会う相性の良さそうな犬に少しずつ挨拶させてもらうなど、スモールステップでいかないとこじれます。