犬が急に倒れる原因と対処法

犬が急に倒れる原因と対処法【獣医師監修】

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犬が倒れてしまった場合、一体どう対処すればいいのでしょうか。犬が倒れてしまったときに慌てず対処するというのは、なかなか難しいことですが、万一のときには心構えがあると安心です。犬が倒れたときにお家で取れる対処法と原因について解説します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬が倒れるときの対処法

応急処置されるゴールデンレトリバー

犬が倒れた場合、原因を特定するよりも先に応急処置が必要な場合があります。

まず、犬を安全な場所に移動します。次に、犬に意識があるかを確認します。犬の意識があるかを確認するためには、まず名前を呼んでみましょう。犬に意識があれば顔を上げたり尾を振ったり等のリアクションがあるでしょう。

犬が倒れてしまったとき、交通事故で倒れた可能性がある場合で、道の真ん中に置く、家の中で倒れたときの高さのあるソファーや階段の上に置くことは、二次被害の恐れがあるので危険です。もし、犬が暴れてしまう場合には後述する「意識がある場合」を参考にしてください。

犬に意識が「ない」場合

犬が倒れて意識がない場合、犬が「呼吸をしているか」「心臓が動いているか」を確認します。犬の呼吸は、胸を見てみましょう。胸が上下に動いていなければ、人工呼吸が必要です。犬の心臓が動いているかは、左脇に手を当てて鼓動を確認したり、胸に耳を当てて鼓動を聞いたりして確認します。

判断が難しい場合もあるかもしれませんが、迷った場合は心臓マッサージを始めてください。犬の心臓マッサージを行う場合、まず右側を下にして横向きに寝かせます。心臓の位置は、前足を曲げたときに肘があるあたりです。超小型犬は、片手の親指と残りの指で心臓を包むように、小・中型犬は両手を広げて心臓の位置に重ねます。大型犬の場合は、心臓ではなく胸で一番膨らんでいる部分を押してください。

犬の心臓を押す際には1分間に120回の速さで、胸が1/2~1/3ほどの深さになる強さで圧迫します。犬に人工呼吸を行う場合は、まず、口の中に何も入っていないことを確認し、顔と顎を伸ばし、舌を前の方に引っ張り出して気道を確保します。

次に、息が漏れないように犬の口を手で閉じさせて、犬の鼻先に人の口をかぶせて息を吹き込みます。このときに、息が吹き込まれるのに合わせて、犬の胸が膨らんでいることを確認してください。この心臓マッサージ10回と人工呼吸1回を交互に繰り返しながら、動物病院に到着するか、犬が回復するまで続けます。

犬に意識が「ある」場合

犬が倒れたが、意識がある場合、犬自身も倒れたことに驚いて、突然の変化にパニックになっていることがあります。

そういった場合、応急処置をしようとした人にかみついてしまったり、暴れたりしてしまうことがあります。それを無理に押さえようとすると余計に暴れて、犬も人も怪我をしてしまう場合があるため、犬が落ち着くまで待った方がいいでしょう。

移動の際には、犬の胸やお腹を圧迫するような持ち方は避けましょう。できれば大きなバスタオルなどで包むようにして抱きかかえると事故防止になります。

動物病院へ連絡する

犬の意識がある、なしのどちらの場合でも、できるだけ早く動物病院へ連絡を取りましょう。日中であればかかりつけの動物病院へ、休診中であれば救急対応を行っている動物病院へ事前に連絡を入れましょう。

連絡を受けた動物病院は「犬に意識はあるか」「犬の呼吸、その様子や舌の色」「犬にひきつけはあるか」といった確認をし、到着次第すぐに処置ができるよう、必要な準備をして待っていてくれます。

犬が倒れた場合、飼い主も焦ってしまいがちです。そのときに応急処置について調べて、救急病院を探すのでは手遅れになってしまうかもしれません。日頃から万一に備え心構えをしておくことが大切です。

犬が倒れる原因

倒れたドーベルマン

犬が倒れる原因は、いくつか考えられます。

  • 脳の異常
  • 心臓の異常
  • 貧血
  • その他の原因

脳の異常

犬が倒れたあと、ひきつけを起こしたり、失禁したり、鳴き声をあげたりといった症状が見られたら、「てんかん」という脳内の神経に異常な興奮が起こる発作が原因となります。

犬の脳の異常で、てんかん以外の場合にも、てんかんのような発作を起こしたり、バランスをとれなくなって倒れてしまったりといった様子が見られます。

犬の心臓の異常

犬の心臓が正常に働けなくなることで、酸欠や血圧の異常が起きて失神してしまいます。特に走った後や散歩中といった興奮する場面で起きることがあります。症状が軽ければ、失神した後も2~3分ほどですぐ元気になることも多いです。

貧血

犬が貧血で倒れた場合、すぐには立ちあがれず、しばらくは意識がもうろうとしています。お腹の中に大きな腫りゅうができてしまい、これが突然出血したときに、犬が倒れてしまうということがあります。

他にも感染症や自己免疫疾患で貧血を起こして犬が倒れる場合があります。

その他の原因

犬が中毒や、肝臓・腎臓の疾患で倒れてしまう場合もあります。その場合、犬は倒れた後に嘔吐してしまうこともあります。嘔吐があった場合は、吐物を誤えんしないように口の中を確認しましょう。また、おしりを高くし頭を下に下げるようにすることで誤嚥を防ぎます。

犬が食事中に倒れた場合は、食事を喉に詰まらせているかもしれません。犬の口を開け、見える範囲に異物があれば、かまれないよう注意しながら取り除きましょう。

犬が倒れることから考えられる病気

ぐったりするシュナウザー

犬が倒れることで考えられる病気は多岐にわたります。

動物病院では、犬に血液検査やレントゲン検査・超音波検査などを行い、倒れたときの状況と併せて診断します。可能であれば犬が倒れたときの状況を、動画に残しておくと診断の助けになるでしょう。

こちらでは犬が倒れてしまう病気でよく見られるものをご紹介します。

  • てんかん発作
  • 僧帽弁閉鎖不全症
  • 拡張型心筋症
  • フィラリア症
  • 腫瘍(肝臓ひ臓など)
  • 中毒

まとめ

横たわる犬

犬が倒れてしまうというのは、たくさんある病気の症状の一つです。ですが病気の種類に関わらず、犬が倒れたときに、最初に助けてあげられるのは一番近くにいる飼い主です。元気なときにこそ、万一に備えていきましょう。

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