高齢犬とどう接するべきか
若い頃と比べて、お散歩の時間が短くなったり、寝ている時間が長くなったり…。愛犬が高齢になるにつれて、不安や焦り、寂しさを抱える飼い主さんもいるでしょう。
そこで今回は、高齢犬との正しい接し方についてお届けします。出来なくなってしまったことを数えるのではなく、増える一方の愛しさを数えてみませんか?高齢犬に無理をさせないのはもちろんのこと、飼い主さんにも無理なく過ごしていただきたいものです。
マッサージやスキンシップを大事にする
じっとしている時間が長くなった高齢犬には、毎日マッサージを施してあげましょう。最初はマッサージに戸惑うかもしれませんが、慣れてきた頃にはもっとしてほしいと催促するようになるわんちゃんもいるようです。
マッサージには、2つの効果があります。1つめは、固まった関節や筋肉をほぐしてあげることで痛みを癒す効果です。2つめは、スキンシップによる精神の安定です。動きにくくなった体を抱えた高齢犬は、ストレスや寂しさを感じているはずです。毎日マッサージをしてスキンシップをはかることで、飼い主さんの愛情を受け取り、穏やかな気持ちで過ごしてくれるでしょう。
高齢犬の体の様子は、日々変化していきます。毎日触れていることで、小さな変化にもいち早く気付くことができます。散歩が億劫になった高齢犬は、無理に歩かせるのではなくマッサージで関節を動かしてあげてくださいね。
フードを柔らかくして与える
高齢犬は、歯や胃が弱るため固いフードが食べられなくなります。その場合は、無理に食べさせようとすると喉に詰まらせてしまう可能性があるため、お湯でふやかしてから与えましょう。
ドッグフードをふやかすときは、フードが浸かるぐらいのお湯でふやかします。与えるときは、必ず手で触って熱くないことを確認してから与えましょう。ドッグフードをふやかして与えることで、柔らかく食べやすくなるのはもちろんのこと、匂いがよくなり食欲を増進させる効果もあります。また、水をあまり飲まなくなってしまったときにも、ふやかしたドッグフードを食べることで水分を摂取することができます。
こまめに室温・湿度をチェックする
犬は、暑さにも寒さにも弱いため、飼い主がしっかり室温を管理する必要があります。特に高齢犬になると、体温調節が難しくなるためこまめな室温・湿度チェックを心掛けましょう。
若い頃は、わんちゃん自身でひんやりしたフローリングに移動したり、ストーブの前で暖をとったりしていたでしょう。しかし、以前のように自由に動くことがままならなくなった高齢犬は、その場でじっと我慢しているしかありません。もし、飼い主さんが温度計や湿度計をチェックせずに出掛けてしまったら…。
私たちが暑い、寒いと思ったときには、犬はすでにかなりの体力を消耗しています。人間の感覚を頼りにするのではなく、温度・湿度計と犬の様子をこまめに確認するようにしましょう。
まとめ
高齢犬との正しい接し方についてご紹介しました。
足腰が弱り、今までのように歩けなくなった高齢犬は、一生懸命歩こうと努力します。しかし、それは無理をしているのだということに気付かなくてはなりません。高齢犬に無理は禁物です。マッサージをしながら、頑張らなくてもいいんだよと伝えてあげてください。
かけがえのない愛犬との日々を、豊かで穏やかなものにするために。高齢犬も、飼い主さんも、無理せずゆったりした時間の流れを楽しみましょう。世界中のわんちゃんが、1日でも長生きしてくれることを願っています。