ワンちゃんも高齢化により認知症になる?!

【獣医師監修】ワンちゃんも高齢化により認知症になる?!

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動物医療の進歩でワンちゃんの寿命が長くなりましたが高齢により認知症になる子が増えています。また足腰が弱くなった影響で歩行困難や寝たきり状態になりやすいです。対象法や高齢犬とどう向き合えばいいのかお話しします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬の認知症とは…

ソファーでくつろぐ老犬

先日、15才のダックスフンドを飼っている方から「夜鳴きが酷くて眠れず近隣から苦情がくるのではないか不安で困っている」と相談がありました。
こういう相談は珍しい事ではありません。

動物の医療も発達したお陰でワンちゃんの寿命が長くなりました。
しかし長生きすることによって最近は「犬の認知症」が問題になっています。
私たち人も高齢になると認知症になりやすくなるのと同じ事です。
症状が見られるようになるのは12〜13才程ですが犬種や生活環境により早く症状が出る子がいれば遅い子がいます。
また症状の度合いや頻度もそれぞれバラつきがみられます。

そのため「犬の認知症」は全てのワンちゃんに起こりえる事なのです。

どんな症状や行動があるのか

  • 朝と夜の感覚が失われ昼夜逆転生活になる
  • 夜鳴きをするようになり全く寝ない
  • 常に鳴き続ける(無駄吠え)
  • 飼い主や家族の人を認識できなくなる
  • 家具の隙間や部屋の隅など狭い所に入るが出られなくなる
  • 徘徊をする(ぐるぐると周るように歩く)
  • 性格の変化(攻撃的になる)
  • トイレの失敗(粗相の頻度が増える)
  • 散歩コースを忘れる
  • 常に食べ続けたり食欲が増す
  • 名前を呼んでも反応しなくなった
  • 寝る時間が長くなった
  • オモチャに興味がなくなった(反応しない)

どんな対策が必要なのだろうか

ソファーで寛いでいるミニチュアダックス

徘徊

徘徊は、ほぼ全てのワンちゃんに見られる症状です。
常にとぼとぼと歩き続けたり視力低下の影響で部屋の隅や家具の隙間に入るが出られなくなります。

もしその状態になってしまうとパニックを起こしてしまいますのでワンちゃんが入りそうな隙間を無くす必要があります。

また歩き続けている場合は止めようとすると噛んで攻撃的な姿勢になったり吠えるようになりやすいので安全に歩ける環境を作ってあげる事が大切です。

サークルを丸くし角をなくすようにします。
円盤状にする事で壁に沿ってグルグルと歩き周るようになるので隙間や角がないため、パニック状態を防いだり家具にぶつかる事故も防ぐ事ができます。

高齢になると人と同様に足腰が弱く負担がかかりやすく少しの段差でも躓きやすいため、床に柔らかいマットを敷き段差を無くしてあげます。

粗相(トイレの失敗)

高齢になると全身の筋肉が低下だけではなく尿を溜める膀胱の筋力も落ちます。
その影響でオシッコを我慢する事が難しくなり漏らしてしまう状態になります。
またトイレの場所を忘れてしまう子もいます。

老化による現象なのでワンちゃんは悪気があって粗相をしている訳ではありません。
トイレを失敗しても決して怒らないでください。
改善する事が難しいだけではなくワンちゃんに大きなストレスを与えてしまいます。

そのため、いつでもトイレできるようにしてあげる事が大切です。
大きめのペットシーツを用意しトイレの数を増やして、ワンちゃんの近くにトイレできる環境をつくります。
また犬用オムツを履かせる方法もありますが定期的に交換してください。

長時間、同じオムツを履いたままになると、どうしてもお尻周りが汚れやすくなります。
そのままにしてしまいますと荒れたり皮膚トラブルの原因になります。
お尻拭きシートや濡らしたタオルなどで清潔にしてください。

おむつを嫌がり除けようとするために食べてしまう犬もいますので、初めておむつを履かせるときには様子をよく見てください。

夜鳴きや昼夜逆転生活

朝と夜の感覚が失われて夜になっても寝ようとせず、逆に日中、寝るようになります。
また常に吠え続けたり夜鳴きが酷くなるケースが非常に多いです。
犬種によって様々ですが柴犬などの日本犬や元々声が大きいダックスフンドは、夜鳴きの頻度が多かったり吠える声が大きいので、飼い主のストレスになったり近所トラブルの問題も最近出てきています。

体内時計を狂わせないように日中寝させず起こしたり、太陽を浴びさせると夜に寝て夜鳴きの頻度が減る傾向があります。

しかし仕事など家をあける時間が長くてどうしても難しい場合があります。
その時は飼い主さんとお話しをして鎮静薬や睡眠薬をお渡ししています。
悩みを抱え込まず病院に相談してください。

歩くのが困難、寝たきり状態

ベッドで寝ているシニア犬

足腰が弱くなるため自力で立つ事や歩く事が困難になり動こうとしなくなります。
体を動かさないとどんどん筋力が低下したり、刺激がなくなるので、脳の働きも悪くなり認知症の進行が早くなるといわれています。

なるべく動いて刺激を与える事が大切です。
体の負担をかけずに後肢を支えるハーネスを使ってあげる事です。
また大きめのタオルで下半身を吊ってあげる方法もあります。
最近では後肢用ハーネスや胴体を支えるハーネスなど色んなタイプの歩行補助ハーネスがあります。

しかし最終的に寝たきり状態になります。
この時に気をつける事は褥瘡(床ずれ)です。
褥瘡とは寝たきりになる事で体重の圧迫により皮膚の血行が悪くなり赤くただれて壊死する事もあります。
骨が出っ張る頬や肩、腰などが褥瘡になりやすいです。

皮膚の血行を良くするために柔らかいマットを敷き
2〜3時間おきに寝返りをして体の向きを変えてあげる事です。
またマッサージしてあげる事も血流を良くする効果があります。

食欲の増加

人の認知症と同じで食事をしても食べた事を忘れてしまいご飯を常にほしい状態になります。
食べたい分だけあげてしまうと肥満になりやすくなります。
体重が増えてしまうと足腰に負担がかかってしまうので一日の食事の回数を増やしてあげましょう。

まとめ

老犬の横顔

ワンちゃんの寿命が伸びた事で認知症になる子が増えてきています。
症状の度合いは犬種や生活環境によって変わりますが
夜鳴きや徘徊、寝たきりによる褥瘡がよく見られます。
ワンちゃんの介護にストレスを抱えたりや近所トラブルで悩んでいる方も実際多いです。
家族と協力しあったり気軽に病院に相談してほしいとおもいます。

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