「老犬介護」で大変な5つのこと

「老犬介護」で大変な5つのこと

今は若くて元気な愛犬もいつかは歳をとり、シニア世代に突入します。高齢化すると生じる問題に怪我や病気が挙げられますが、その際、当たり前ですが飼い主は愛犬を介護する義務が生じます。では、老犬介護で大変なことには具体的にどのようなことが考えられるのでしょう。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

老犬介護で大変なことは?

床に寝そべる高齢犬

以前は元気で散歩が大好きだった愛犬、食べることが大好きだった愛犬が、徐々に弱っていく姿を見るのは飼い主として非常につらいことです。そんな老犬の介護はもちろん簡単な事ではありません。愛犬の介護をするために会社を退職しなければいけないという人もいるほどです。

今はまだ若くて元気だという愛犬も、いずれは高齢となり介護をする時がやってきます。老犬の介護はどのような事が大変なのか、すべては挙げきれませんが、主な大変な点をこちらでご紹介しますので、ぜひ今から心の準備を始めておきましょう。

1.夜中に突然鳴き出すことがある

ソファーで寝ている犬

前まではまったく遠吠えや夜鳴きをしなかった犬であっても、高齢化するに伴い夜鳴きが増えることがしばしばあります。これは心細いという寂しさから来るものと認知症からくる症状の2つに分けられることが多いです。

夜鳴きを始めたら飼い主としては止めに行ったり、落ち着かせる為に宥めに行く必要があるため、毎晩夜鳴きが繰り返されることで飼い主が睡眠不足となり、疲労が溜まってしまうというケースは非常に多いです。

特に認知症になってしまった犬の場合、夜鳴きを止めに行っても鳴き続けるという事もあります。手に負えないほど大変になってしまったら、一度獣医さんに相談してみると良いでしょう。

2.今まで食べていたごはんが食べられない

ドッグフード

以前はごはんを食べることが大好きで、ごはんを出すと勢いよく食べていた犬も、老いていくにつれて食欲が減退していきます。また食欲はなくならないけれど、始めから食べていたドライフードが固くて食べられなくなるという犬が多いかと思います。

したがって、前までは普通に与えていたドッグフードもお湯などでふやかしてあげたり、中にはドッグフードを食べられなくなる子もいるため、介護食に切り替えなくてはいけないということもあります。

他にもしなければいけない介護がある中、与える食事もしっかり気を配らなければいけないという点は想像以上に大変です。今は若い愛犬を持つ飼い主さんも、今のうちから介護食について調べておくと安心でしょう。

3.視力低下に伴い恐怖心が強くなる

噛もうとしている犬

そして老犬の介護をする飼い主さんがショックを受けるという愛犬の変化の1つに、恐怖心や警戒心が強くなり、飼い主さんであっても突然撫でたりすると唸られてしまうことがあります。

これは高齢が進むにつれて視力が低下することが関係しています。中には白内障などの病気を患ってしまう子もいますが、どちらにせよ、視力が低下することによって「目が見えない」という状況から恐怖心が増す傾向にあります。

そのため、撫でてあげる際は愛犬に聞こえるように声をかけてから、そっと体を撫でてあげるなどの配慮が必要になります。このような変化も介護が大変、つらいと飼い主さんが思う理由の1つです。

4.トイレを自力でできなくなる

トイレを上手くできない犬

老犬の介護で最も大変なことは、やはり飼い主さんが体力を必要とするものです。その1つがトイレですが、以前までは自分でトイレまで行き、おしっこやうんちをしていた愛犬が、自力で立ち上がることが困難になってしまった場合、トイレまで行くことができなかったり、あるいはトイレまで間に合わず、途中でおしっこやうんちをしてしまうことが多くなります。

粗相をしてしまったことで片付けるという点も大変な介護のうちの1つですが、それ以上にもしも起き上がることができなくなってしまった場合、愛犬を支えた状態でトイレを助けてあげなければいけないため、力が必要になってきます。

小型犬であれば軽いため、体力的にはそこまでの負担にはならないでしょうが(もちろん介護としては小型犬であっても大変なことに変わりありません)、大型犬の場合、重さがあるため持ち上げ、支えることは簡単ではありません。

5.定期的に飼い主が体を動かしてあげる

丸まって動かない犬

上記で体が自由に動かなくなってしまうという点を取り上げましたが、最期の方になってくると犬は寝たきりの状態になる事が多いです。1日中同じ場所から動かず、横になって過ごすわけですが、ずっと同じ態勢では体を傷めてしまう可能性があります。

そのため、やはりここでも飼い主さんが愛犬を持ち上げ、支えながら態勢を変えてあげたり、マッサージをしてあげたりする必要があります。

しかし、先ほどもお話ししたように、体力が必要となってくる介護ですので、並大抵のことではありません。老犬を介護するには、飼い主側もしっかり体力、そして力(筋力)を付けておく必要があるでしょう。

まとめ

草むらに横になる老犬

いかがでしたでしょうか。この他にも介護は大変なことが多いです。それに伴い、愛犬の弱っていく姿にショックを受ける事も多く、介護生活は様々な面で大変な思いをすることでしょう。ぜひ愛犬が若いうちからなるべく健康に過ごせるような工夫をし、今から心の準備をしておきましょう。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    40代 女性 ひまわり

    16才のミニチュアダックスが一年半前から自力で動けなくなりました。

    夜泣きもひどく寝不足続きでしたが、思うように動けないもどかしさや不安だったのではないかと思います。

    トイレも最初は寝たままその場でしていましたが、体が汚れるのがイヤみたいで、体を支えてほしい、と、鳴いて訴えてくるようになりました。

    仕事で家を空けている間は我慢しているみたいで・・・

    仕事場に事情を話し、2、3時間に一度は家に帰れるようにしています。

    夜鳴きでノイローゼになりそうなこともありましたが、なぜ鳴いているか、表情を見て何をしてほしいか、を考えました。

    お水が飲みたい。お腹が空いた。暑い。寒い。体の向きを変えたい。トイレに行きたい。撫でてほしい。などなど。

    もし自分が突然寝たきりになったら、苛立ちもあるでしょうし、してほしいことを誰かに訴えますもんね。それと一緒なんだ、って思ったら介護する気持ちもラクになりました。

    それからは夜鳴きもほとんどなくなりました。

    固いドッグフードも食べれなくなって、食欲も落ちてきましたが、おかゆなどを作ると喜んで食べてくれます。

    介護、と身構えると大変そうかもしれませんが、慣れたら意外と苦ではないです。確かに忙しくて自分の時間も減るし、寝不足になる日もあるし、仕事も二の次になりますが、一緒にいられる時間は今しかないです。

    あとどれくらいの日々を一緒にいられるかはわかりませんが、少しでも幸せで穏やかな毎日を送ってもらえるようにできることはしてあげたいです。
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