ロコモティブシンドロームってなに?
両手で包み込める様な幼い頃から家族の一員として一緒に生活してきた愛犬。
しかし犬も6~7歳を超えるとシニア期に入り、後に高齢期と呼ばれる世代に突入します。そうなると骨,関節,筋肉などが弱り、痛みが生じたり動きが悪くなったりします。
場合によっては歩けなくなって介護を要する事もあります。
これらの症状を相称して【ロコモティブシンドローム(運動器症候群)】と言い、通称❝ロコモ❞と呼ばれています。
あまり聞いた事のない言葉かも知れませんが、症状自体は以前からあった様です。私達人間も年を取ると体の運動器にガタが来ます。それと同じではないでしょうか。
近年では犬の寿命が延びているため、ロコモになる可能性が増しています。
そんな中、シニア犬や高齢犬を対象としたロコモ症状の緩和ケア,リハビリ,介護医療を専門とする動物病院もあるそうです。例え愛犬がロコモになったとしても、症状を悪化させない様にしてあげたいものですね。
原因は老化・先天性・神経的疾病
主な原因として考えられるのが老化です。
よく見られるのが、背骨の一部が変形して出来た突起などが神経を圧迫して痛みが生じます。これはロコモに関連する病気で【変形性脊椎症】と言い、老犬に多く見られるとされています。
重症化すると尿が出せなくなったり歩行困難になる事もあります。また軟骨が磨り減って関節炎を起こし易くなります。
これらは中・大型犬が重症化し易いと言われていますが、年を取れば小型犬も発症する病気ですので注意が必要です。
次に考えられるのが先天性の場合です。血気盛んな頃から足が縺れたり歩けなくなったりします。この場合、迅速な対策が必要となります。
もう一つは神経的疾病によるもので、不可解な行動を繰り返す強迫神経症や極度の分離不安によりロコモの症状が現れる事があります。
後ろ足から弱る
老化が原因の場合、犬は前足に7割、後ろ足に3割と言う具合に体重が掛かっているため、後ろ足の筋肉はあまり使われていません。そのため年を取ると後ろ足から先に弱って来るのです。
症状はゆっくり現れて来ますので見逃してしまうケースも多い様です。
そのうちお尻の筋肉も衰えて来ますので、肉が取れてお尻が小さくなってしまいます。症状が進行すると、歩くスピードが極端に遅くなり後ろ足を引き摺って歩く様になります。これに関節の痛みが加わると歩行困難になる恐れが出て来ます。
ですので歩き方が何時もと違ったり、スピードが少しでも遅くなったりしたらロコモを疑ってみて獣医師さんに相談する事をおススメします。
ロコモのサインを見つけて早期発見
ロコモになると幾つかのサインが現れます。ここではロコモのサインを紹介して行きます。
ロコモティブシンドロームのサイン
- 段差に躓く様になる
- 立ち座りに時間が掛かる
- 歩くスピードが遅くなる
- 膝が上らず足を引き摺って歩く
- 歩く時後ろ足が閉じてしまうため、後ろから見ると逆三角形になっている
- 尻尾を振る位置が以前よりも低くなった
- 腰の位置が低くなっている
- お尻が細く小さくなった
- 足が流れてしまい伏せの姿勢がとれない
- 横座りをする様になる
(※これらのサインに気が付きましたら、動物病院へ連れて行き診察してもらいましょう※)
予防及び対策
ロコモは若い頃からの負担の積み重ねや運動不足が原因となり、加齢によって発症するケースが多くなっています。
ですので若い頃から予防する事が大切です。
ではどの様な予防や対策が良いのか幾つか挙げてみます。
肥満に注意する
シニア期の入り口は肥満になり易いので愛犬を太らせない事です。
太ると足や腰に負担が掛かりますので体重を維持させて行かないといけません。
もしオヤツを与えていらっしゃるのなら、高カロリーなオヤツは避け低カロリーなオヤツに変えたりして工夫しましょう。
高カロリーなジャーキーなどは脂肪分が多いので注意が必要です。
足腰を保護する床材を使用する
床のフローリングは滑り易いので、犬は関節を庇って筋肉に負担が掛かってしまいます。
出来ればフローリングの上に滑り難い素材の物を敷いたりしましょう。
食台を使用する
食事は低い位置で食べさせると首が下がったままで上がらなくなる可能性があります。
また足にも負担が掛かる事から、食事は適度な高さで食べさせなければなりません。
そのためには愛犬に会った高さの食台を使用して食べさせると良いでしょう。
縦抱きは避ける
愛犬を抱き上げる場合【縦抱き】は出来るだけ避けましょう。
縦抱きは背骨に負担が掛かりますので、背骨がなるべく地面と平行になる様に抱いて下さい。
自宅で出来る筋トレやストレッチ
愛犬の足腰が弱り始めたと思ったら、自宅で出来る筋トレやストレッチをさせましょう。
その際滑り止めとしてマットを敷いて行うと良いでしょう。
ただし歩けないワンちゃんには無理をさせないで下さい。
筋トレやストレッチの動画を3つ見つけましたのでご覧ください。
■老犬になる前のストレッチ
■老犬用の筋トレ
■老犬用ストレッチ
まとめ
私がこの記事を書いた理由は、一緒に暮らして9年4ヶ月経つ愛犬が、ロコモと思われる兆候が現れ始めたからです。
歩く速度が遅くなり、お尻が少し小さくなって昔の様に速足で歩かなくなりました。
若い頃の愛犬の姿をご覧ください
▼若い頃の愛犬です
『速く』と命令すれば、一応速足で歩くのですが直ぐに立ち止まってしまいます。速足で歩くと足が痛むのでしょうか?もう『速く』と言うコマンドは出さず普通に歩かせています。速足で歩いた頃を想い出すと寂しさで涙が出て来ます。
私にも責任があると思います。それは私が調子に乗って、愛犬が若い頃ジャンプを沢山させたのも原因の一つとなっているのでしょう。
愛犬は嬉しい時にジャンプする癖がありまして、そのジャンプ力は1mとまでは行きませんが、それに近いくらいの高さを飛んでいたのです。
それを私は誇らしくさえ思って好きにさせたいたのです。今となっては本当に後悔しています。
でも食欲は若い頃と同じ様にありますので、その点は安堵しています。
獣医師さんの診察によりますと、『ロコモの入り口に来てますね』と言われましたので、指示に従いながら現在に至っています。
進行を遅らせるために、現在でも散歩は毎日欠かさず1㎞程度はしています。後はリンパマッサージと後ろ足の屈伸運動を毎日してあげています。
また月に一度ですが、足の動きが悪くなって来たと感じられた場合、獣医師さんから処方された鎮痛剤を飲ませて対処しています。そのお陰だと思いますが、今のところ進行は見られません。
愛犬が年を取ってどんな状況になろうとも、私にとっては掛け替えのない大事な子供です。例え動けなくなったとしても笑顔で介護してあげたいと思っています。
この病気は老齢化すると、どんなワンちゃんにも発症する可能性がありますので、幼犬時代から予防をしておく事が必要です。
年を取ったワンちゃんの症状の進行は想像以上に早いと言われています。少しでも進行を遅らせるための対策を、獣医師さんと話し合いながら考えて行きましょう。
大事な愛犬に辛い思いをさせないために・・・
ユーザーのコメント
40代 女性 匿名
運動量も減り体型からヘルニアになりやすいため、ドッグフードもシニア用にしていますが、それでもまだ肥満になりやすいようです。
1匹のダックスは階段の段差の昇り降りができないため(なるべく若い頃からさせない方が良いらしいです)いよいよ身体も若い頃から比べると衰えが出てきた、と感じている昨今。
私はシニアでますます動けなくなる愛犬達を想定して、床を全てゴム製に張替えました。
また動物介護士のライセンスを取得、熟読してこれからのことも考えています。
痴呆や寝たきりになった時にどう対処していけば良いか・・・
なるべく愛犬達と一緒に暮らしていきたいですから
50代以上 女性 頼住智恵子
20代 女性 なつみん
当時リビングの椅子に何度も乗り降りをし、それをやめさせるのに苦労していた矢先におこりました。幸い若かったのでステロイド注射で歩くまで回復しましたが今までできていた伏せでおしっこもできずよろよろ歩きながらおしっこをしているのでお尻を抑えたりして促しています。
かなしいです。しかし歩けるようになっただけでも感謝です。あれから7年お医者さんにはいつまた起きてもおかしくないと言われ今に至りますが最近後ろ足がなかなか動きにくかったりしています。
昔ほど遊んだりすることがなくなり、よくねるようになりました。 悲しいですが睡眠をとることも大事ですよね。 もっともっと幸せに過ごせるようしていきたいものです。
10代 女性 匿名