犬の『老化サイン』にはどのような仕草や行動があるの?
7歳を超えるとシニア期と言われる犬たち。しかし、大型犬の場合は5歳になるとシニア期に入る子もいたり、小型犬の場合は9~10歳からの子が多かったりと、犬によってそれぞれです。
そこで、愛犬がシニア期に突入したかどうかを確かめる1つの目安として、以下に『老化サイン』を記載していきます。皆さんの愛犬は当てはまっていませんか。
1.段差に躊躇するような仕草を見せる
今まで問題なく上り下りできていた段差を、いつからか、時々躊躇するような仕草や態度を見せるようになっていませんか。これは、犬自身が老いを感じているサインです。
人間も歳をとるにつれて、足腰を気にするようになる人が増えていくように、犬も老化を感じると足腰への負担を気にするようになります。「なんだか上りにくいな」「下りたら足に負担が…」と本能的に察しているのでしょう。
そのため、少しの間下りることを躊躇い、飼い主に縋るような視線を送ったり、上る前に一呼吸置いてから上ったりするようになります。
このような仕草を見せ始めたら、無理に段差を上り下りさせるのは足腰に負担が掛かるため、できるだけ控えるべきです。飼い主が抱っこして上らせてあげる(下ろす)など、なるべく足腰への負担を軽減するような対策や工夫をしましょう。
2.散歩中にすぐ帰りたがる
今まではある程度の距離を自ら楽しそうに歩いていたのに、ある時期から、散歩に行くことは楽しみにしているけれど、少し歩くとすぐに家の方を見たり、家の方へ歩みを進めてしまったりしていませんか。
以前と比べて、すぐに帰ろうとする仕草を見せるようになるのも『老化サイン』の1つです。やはり、老化に伴い、足腰が弱くなるため、以前と比べて長く歩きにくくなるのです。また、元気な若い頃に比べて体力も衰えつつあります。
このようなサインが出ている場合、散歩のルートを変更し、少しでも負担が少ない距離にするなど、愛犬の足腰にかかる負荷を軽減する工夫をとりましょう。
3.呼んだときの反応が鈍い
愛犬の名前を呼んだとき、ちゃんと反応し、振り返ってくれますか。以前と比べて、反応が鈍くなっていたり、呼んでも反応が無いときがあったりする場合は、老化している可能性があります。
これには2つの理由があります。1つ目は聴力の衰えです。やはり、老化することで五感が鈍ってしまうのは、人間と同じです。しかし、元々聴力が優れている犬なので、基本的にシニア期に入ったばかりの犬の場合は、飼い主の呼び声には応じることがほとんどです。
2つ目は、興味が薄れている可能性です。老化するに従い、若い頃の好奇心が徐々に薄れてしまい、飼い主の呼びかけに対しても、反応が鈍ってしまうことがあります。
この好奇心や興味感心が薄れるという現象は、仕方のないことではありますが、そのまま放置してしまうと進行し、やがて認知症に繋がる恐れがあります。日頃から、少しでも好奇心をくすぐることで、認知症予防にも繋がりますよ。
4.家具などにぶつかる
時々、愛犬が家具など周囲の物にぶつかるような行動をとっていることはありませんか。その度に、少しばかり驚いたような仕草を見せている愛犬を見ると、少なからず心配になりますよね。
これは視力の衰えによる『老化サイン』です。犬は視力はあまり良くはありませんが、まったく見えていないわけではありません。しかし、老化することでより視力が悪くなり、周囲の物を以前よりも把握しにくくなっているのです。
角のある家具などは危険なので、ぶつかり防止用のクッション材を用いるなど、怪我をしないよう工夫しましょう。家具の配置を換えてしまうのは、余計に愛犬を混乱させてしまうので、極力やめましょう。
5.お座りの体勢から立つまでが遅い
当たり前のように犬がお座りしている光景を見ていますが、実は犬のお座りのポーズは筋力を使っています。老化に伴い徐々に筋力も落ちていくため、シニア期に入った犬はお座りするまでの速度が落ちるというのも特徴的です。
反対も同じです。お座りから立ち上がるまでのスピードもゆったりとなるため、飼い主さんによってはその光景を見て、「歳をとったんだな」と感じる人もいるほどです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した犬の仕草や行動を見ていくと、人間と似ている部分がありますよね。愛犬が老化するのを見ている側としては、少々寂しいものを感じてしまいますが、やがてはやってくる現象です。老化を受け入れ、少しでも元気に長生きしてもらうための工夫や、快適に過ごせる環境を日常に取り入れていきましょう。