老犬を介護するということ
介護が必要な状態とは?
犬は人間よりも早く歳を取ります。いつの間にか人間の年齢に換算すると飼い主さんよりも年上になっていることもあります。シニア期に入った犬の体の変化は色々あります。目が見えなくなる、後ろ足が弱る、トイレを失敗するようになる、ご飯がたべにくくなる、夜中に鳴き続けるなどです。徐々に進むものから急に始まるものなどそれぞれ違っています。
目が見えなくなる
例えば目が見えなくなる多くの場合は、加齢によって少しずつ視力を失う状態です。嗅覚や聴覚など他の感覚器官で補えるためあまり不便を感じていないように見えます。そのため気づくのが遅れてしまいます。ものにぶつかりやすくなったり、暗いところから明るいところに出るのを嫌がったりするようになります。
トイレを失敗するようになる
視力や嗅覚が衰えることでトイレの場所がわからなくなり、粗相をしてしまうこともあります。他にも筋力の低下によって眠りながらおしっこを漏らしてしまったり、トイレが我慢できないという場合もあります。
後ろ足が弱る
多くの場合、犬は後ろ足から弱っていきます。立ち上がるのに時間がかかったり、震えたり、転んでしまったりします。
ご飯が食べにくい
嗅覚が弱ったり、食べるための筋力が弱った場合、自分の力だけで食事をするのは難しくなるでしょう。飲み込む力が弱くなり固形のフードを食べられなくなることもあります。
夜中に鳴き続ける
ハイシニアになった犬は夜中に突然鳴き始めることがあります。認知症の症状のひとつとして夜中に突然鳴き出すものもあるため、こういった行動が続くようであれば一度獣医さんに相談してみたほうが良いでしょう。夜鳴きが激しい場合、犬も飼い主さんも朝まで眠れなくなることも少なくありません。
老犬の介護に準備が必要な4つのこと
1.歩行のサポートをする
後ろ足が弱くなることでふらつきが見られるときには後ろ足用のハーネスを、前足が弱ってきた場合は前足用のハーネスを選んで使用してください。サポートをしながら短い距離を散歩したり、トイレに連れて行ったりすると良いですね。
前足が元気であれば後ろ足用の車椅子などもあります。もし動けなくなり寝たきりになったとしても、外の空気や日光を浴びることで気分転換をすることができます。そのため犬用のカートに乗せて散歩をしたり、外を見せてあげたりすると良い刺激にもなります。
2.心地よく眠らせる
眠ることで疲れをとることができます。また良い睡眠はメンタルを安定させたりすることに繋がります。寝たきりになったり、寝返りをあまりうたなくなったシニア犬の場合には床ずれを防止するためのベッドを使うと良いでしょう。シニア犬でなかったとしても早めにつかっても問題はありません。
シニアになると昼夜逆転してしまうこともあります。できるだけ昼間は起こして、夜は寝かせるようにしてあげてください。もしそういったことが難しいのであれば、獣医さんに相談してみてください。認知症の症状が出ているかもしれません。
3.食生活を見直す
シニアになると補わなければならない栄養が出てくる場合があります。そういった場合にはフードにふりかけをしたり、手作りしたり、サプリメントをあげたりするといいでしょう。犬用のサプリメントやふりかけなどは獣医さんにきいてみてください。紹介してくれる場合が多く安心です。ご飯を食べるときの環境も注意してください。餌をいれる皿の位置が低すぎたり、高すぎたりすると食べる量が減ってきます。
そしてトイレです。トイレで失敗してしまうことも増えると思います。そんな場合はトイレシーツを広めに敷いたり、それでも難しいならオムツをするという選択肢もあります。
4.周りに相談しておく
犬が歳をとってきたら家族や友人、そして獣医さんなどに不安なことは相談しておくと良いでしょう。いきなり自分ひとりで介護となると飼い主さんの負担も大きく大変ですが、少しずつ相談して準備を進めたり心構えをしたりすると多少気が楽になります。
家族間で介護の分担ややり方などを決めておくといざ介護が必要になったときもスムーズに介護を行うことができます。とくに獣医さんにはお世話になることが増えると思うので、相談しておくと良いですね。
まとめ
犬は人間よりも早く歳をとってしまいます。愛犬もいつかはおじいちゃん、おばあちゃんになるのです。そして年齢を重ねるにつれて体が不自由になっていくでしょう。そんなときにスムーズに介護ができるように、シニア期に近づいたら準備をしておくと良いですね。家族間で相談したり、獣医さんにアドバイスしてもらったりすると気持ちも楽になります。
介護は大変です。ひとりで抱え込まずに誰かに話すだけでも変わります。愛犬には良い気持ちで過ごしてほしいのはもちろんですが、飼い主さんも無理しないように様々なところに頼れるように話をしておくと後々助かります。