犬も認知症になる
人間と同様に、犬も認知症になることがあります。動物医療の進歩によって犬も高齢化してきたことで、犬の認知症も増えてきています。
原因
犬の認知症の原因は正直はっきりわかっていませんが、老化などが考えられています。
発症する年齢は?
だいたい10~11歳ごろから発症すると考えられており、高齢になればなるほど認知症の症状がみられるようになってきます。
犬の認知症の症状
特に良く見られる症状の1つに、意味もなく同じ場所でグルグルと回り続けてしまうという常行動があります。そのほか、以下のような症状が見られる場合には認知症である可能性があります。
- 夜鳴きや遠吠えをするようになった
- 昼夜逆転になった
- 名前を呼ばれても反応しなくなった
- 家具の隙間などに入ったまま出てこられなくなった
- 物にぶつかってしまう
- 飼い主さんを認識できなくなった
- 方向転換ができなくなった
- トイレを失敗するようになった
認知症は徐々に始まる
犬の認知症はある日突然発症するわけではなく、徐々に行動として表れてきます。初期症状はとても些細で頻度も多くないため気付きにくいですが、早期発見することで進行を遅らせることができる可能性もあります。
- 壁や天井をぼんやり見ている
- 声をかけても反応しない
- ウロウロしている
上記のような予兆が見られたり、違和感のある行動が見られた場合には早めに獣医師に相談してみましょう。
なりやすい犬種
全ての犬に認知症を発症する可能性はありますが、日本犬がなりやすいと言われています。日本犬の混ざったミックス犬にも認知症の発症率が多く、その症状がハッキリとでやすいという特徴があります。
犬の認知症を予防する行動
認知症を発症してしまうと完治することはほぼありませんが、早期発見できれば症状の進行を抑える治療もできます。また、健康なうちから認知症を予防する対策をしておくことも重要です。10歳ごろを超えると認知症の症状があらわれてくることが多いということから、シニア期と言われ始めている6~7歳になったら対策を考えてもいいのかもしれませんね。
それでは認知症を予防する方法をご紹介します。
犬の認知症の予防する方法
犬の認知症を予防するには「行動の工夫」と「食べ物の工夫」の2つのアプローチ方法があります。
行動の工夫
日頃の行動に少し変化を付けることで犬に新鮮さや刺激を与えることができ、脳を活性化させる効果があります。
- 散歩コースを変える
- 歩くスピードやリズムを変える
- 知育玩具を取り入れる
- 芸を教える
知育玩具とは頭を使って遊ぶおもちゃのことです。犬の知育玩具は、おやつやフードを中に仕込んでおき、転がしたり動かしてごはんやおやつを出し食べるというものが多くあります。そう簡単には出てこないため、中にあるおやつを食べるためには頭を使わないといけないのでワンちゃんの脳の活性化にピッタリです。
シニア犬になるとゆったり寝ている時間が長くなりますので、遊びの時間が少なくなりやすいです。脳に新鮮で楽しい刺激を与えるためにも、無理のない程度で散歩や遊びの時間をキープして行きましょう。
食べ物の工夫
行動の工夫とともに、抗酸化作用のある食べ物を取り入れることもいいかもしれません。老化現象は体の酸化によって現れやすくなるため、酸化に対抗する抗酸化作用のある成分を摂取することで老化のスピードを緩やかにすることが期待されます。
抗酸化作用のある食品で犬が食べても良い食材は
- リンゴ
- ほうれん草
- ニンジン
- カボチャ
- ブロッコリー
- ゴマ
などが挙げられます。普段食べなれていない食材は少量ずつ様子を見ながら与え、カロリー過多にも気を付けましょう。
また、DHAやEPAといった成分は、記憶力や集中力、脳の情報伝達をスムーズにする効果があります。DHAとEPAを手軽に補える犬用のサプリメントもあります。
まとめ
犬の認知症を予防するためには「行動の工夫」と「食べ物の工夫」の2つのアプローチ法があります。
行動の工夫で大事なことは脳に刺激を与えることで、ワンちゃん自身がワクワクしたり楽しいと思うことです。毎日のお散歩コースを変えてみたり、上手く転がすとおやつが出てくる知育玩具などを使用することで脳にワクワクという刺激が与えられます。何だろう?どうしたら良いのだろう?という疑問を自分で考えることで脳が活性化するのです。
また、抗酸化作用のある食品を摂取することで認知症の予防に繋がることもあります。初めて与える際には少量から様子を見ましょう。また、犬が食べられない食材は与えないようにしましょう。今では犬用のサプリメントも販売されているので、手軽に取り入れたい方にはサプリメントもおすすめです。