定期的な病院での健診
犬にとっても病気の早期発見は重要です。むしろ、自分の体調の変化を言葉で伝えられない犬の場合、人間が病気に気付いたときにはすでに手遅れというケースも多くあります。そのため、飼い主は日々愛犬に異常がないか、よく観察しなければなりません。
食欲、水の摂取量、尿や便の状態、毛並みや皮膚、呼吸、歩き方などを毎日チェックすることで、いち早く体調の変化に気付くことができます。しかし、素人の目ではなかなか発見できない部分もあります。
そのため、日頃から定期的に獣医師に診てもらうことが大切です。異常がないように見えても、思わぬ病気が潜んでいるかもしれません。
元気いっぱいの若い犬でも、年に1回は本格的な健康診断を受けるのが理想とされます。そのため7歳を過ぎたら、年に2回は受診するのが望ましいでしょう。多いように感じるかもしれませんが、犬の老化のスピードは人間よりも遥かに早いため、半年の間に体の状態が大きく変わってしまうこともありえます。
健康診断では、人間と同じように血液検査や尿検査、心電図検査や超音波検査などを受けることができます。これに併せて、月1回の簡単な健診も受けると良いでしょう。
こちらは獣医師による触診や聴診などの簡単なチェックなので、わんちゃんの負担も少なく済みます。 体調の異常や病気の早期発見を心がけて、わんちゃんに出来るだけ苦しい思いをさせないように気をつけましょう。
食事を変える
老犬になるにつれて、体のあらゆる機能が徐々に衰えていきます。そこで気をつけたいのが、ドッグフードの選び方や食事の与え方です。
老犬になると基礎代謝が落ち、体の衰えから自然と運動量も減少します。そのため、カロリーも若い犬に比べて必要としません。肥満を防ぐためにも、ドッグフードは低カロリー、低脂質、そして良質なたんぱく質が入っているものを選ぶとよいでしょう。たんぱく質は筋肉や皮膚など体のあらゆる組織を作っている成分で、不足してしまうと基礎代謝や免疫力の低下につながります。
その他、具体的なドッグフード選びのポイントとしては、
成分に入っていると良いもの(摂取した方が良いもの)
- グルコサミン
- コンドロイチン
- DHA
入っていると良くないもの(摂取しない方が良いもの)
- 保存料や酸化防止剤などの添加物
- 安全性が不確かな原材料
などが挙げられます。
グルコサミンやコンドロイチンは、関節を構成している軟骨を正常に維持するために重要な成分です。
魚に多く含まれるDHAは、人間の認知症の予防に効果的であることが有名ですが、犬にとっても同様の効果があります。また、血管への良い働きや炎症を抑える働きも知られています。シニア用のドッグフードには、DHAが添加されているものもあります。
また、なるべく無添加のもの、安全性の確かな原材料が使われているものを選ぶとより安心かもしれません。
年をとり、それまでのドライフードが食べにくいようでしたら、小粒のドライフードを試したり、お湯でふやかしたり、ウェットタイプに切り替えたりするなどして工夫してあげてくださいね。食欲がおちている場合には、ゆでたお肉などをトッピングしたり、その煮汁を利用して香りをつけたりすると、食欲がわくかもしれません。水分を一緒に摂取できる缶詰のフードを与えるのも良いと思います。
また、首に痛みがある場合、床に置いてあるフードを食べるのが苦痛なことがあります。そのような場合には、首を下げないでもフードを食べられるように容器の高さを調節してあげて下さい。立ってたべるのが大変な子には、床に伏せたまま食べさせてあげるのも良いでしょう。
まとめ
愛犬の老いていく姿は、やはり辛いものがあると思います。
しかし、現実から目をそらさずに、飼い主としてあげられることを精一杯行い、少しでも長く愛犬との時間を過ごしてあげてください。
動物病院に連れて行ったり、ドッグフード選びに気を遣ったりするのは、時間も手間もかかるし大変なことかもしれません。
ですが、「もっと気にかけてあげればよかった」と後悔してからでは遅いのです。
寿命が決して長くはないからこそ、愛犬と一緒に過ごす一日一日を大切にしてくださいね。