犬の足の衰えは筋力の低下が原因
歩くことができなくなってしまったり、自力で立ち上がることができなくなってしまったりなど、明らかな老化のサインがあります。
そのほとんどが、後足の筋力が低下してしまったことが原因です。
犬は前足と後足にかける体重の割合が大きく違います。
どれくらいの体重がかかっているかということです。体重比重は前足と後足で7:3の割合なのですが、老化や筋力の衰えによって、後足への意識も低下していきます。
そうすると、前足にもっと体重をかけるようになりますし、後足の筋力は衰えるばかりです。
では、犬の足に現れる老化のサインには、どのようなサインがあるのかご紹介していきましょう。こんなサインが現れたら犬の足の老化のサインかも、という程度に参考にしてみてください。
犬の足に現れる老化のサイン
1.歩くスピードが遅くなる
老化によって筋力が低下し、関節の動きも悪くなると、以前と比べて歩くスピードが遅くなったなと感じることがあります。
ゆっくりでも構いませんので、今以上に筋力が低下してしまうことを防ぐためにも、体調などを考慮した上で、しっかりお散歩をさせてあげてください。
2.小股で歩くようになる
特に後足に現れやすいのですが、筋力の低下によって小股でトボトボと歩くようになります。
更に筋力の低下が進んでしまうと、見た目にも、後足にあまり体重をかけていないことがわかるようになります。
3.坂道や段差を嫌がるようになる
急な上り坂や急な下り坂、大きな段差を嫌がるようになります。
みなさんも同じように感じていらっしゃると思いますが、急な坂道や大きな段差では、かなりの筋力を使いますよね。
足が衰えてしまった犬には、とてもつらいのだと思います。
更に老化が進んでしまうと、ちょっとした坂道や、わずかな段差さえも嫌がるようになり、つまずいて転んでしまう可能性もあります。
4.後足の歩幅が狭くなる
足の老化によって股関節の動きが悪くなると、股が開きづらくなってしまうことから、後足の歩幅が狭くなることがあります。
また、股関節に異常が現れると、腰をクネクネとしながら歩くようになる「モンローウォーク」と呼ばれている症状があります。
モンローウォークは、主に若い大型犬に発症し、股関節形成不全であるとされていますが、足の老化によっても現れる歩き方です。
5.スッと立ち上がることができなくなる
お座りの状態から立ち上がるとき、主に後足の筋肉を使います。
しかし、足の老化や後足の筋力の低下によって、スッと立ち上げることができなくなってしまうことがあります。人間で言う、“よっこいしょ”のような状態です。
6.伏せやお座りが上手くできなくなる
足の衰えや股関節の衰え、さらには背骨がゆがんでしまうことによって、股関節の動きが悪くなると、伏せやお座りを上手くできなくなってしまうことがあります。
伏せやお座りはできるものの、足を投げ出したような横座りになっているなど、明らかに姿勢が悪いなと感じる様子です。
7.介助がなければ歩くことができなくなる
足の老化や筋力の低下だけではなく、全身の筋力の低下によって、自力だけでは歩くことができなくなってしまうことがあります。
飼い主さんの介助があれば、歩くことができるのであれば、介助をしながら歩かせてあげてください。更に筋力が低下してしまうことを防ぐために必要です。
8.日常生活に介助が必要になる
足の老化が最大に進んでしまった状態では、自力で座ることも立つことも歩くこともできなくなります。
つまり、寝たきりの状態であるということです。
介助がなければ寝たきりの状態だけど、介助があれば、お散歩ができるという犬も決して少なくはありません。
寝たきりだからといって、本当に寝たきりのままにしておくと、老化は進むばかりです。
ちょっと可哀想に感じてしまうかもしれませんが、介助があれば歩くことができる、動くことができるという状態であるうちは、介助して運動させてあげて欲しいと思います。
まとめ
私は、これまでに二頭の愛犬の介助や介護をしてきましたが、足の衰えはかなり大きなダメージですよね。
足の老化のサインを、小さなものから大きなものの順番でご紹介したのですが、小さなサインを見逃さないようにしてほしいと思います。
足の老化は筋力の低下が主な原因なので、お散歩や運動を欠かさず毎日行い、筋力を維持してあげることで、少しでも足の老化を防ぐことができます。
犬の足の老化は全身の老化に関わりますし、長生きできるかどうかにも繋がっていると思います。