犬の高齢化における問題とは
幼少期から共に過ごしている愛犬もいつかは高齢化し、今まで当たり前にできていたことができなくなる、といった変化が訪れます。今はまだ若くてもいつかはやってくることですので、高齢化に伴い、どのような問題が起こるのかを知っておきましょう。
ちょっとした衝撃で怪我をする
今までは当たり前のようにソファからフローリングに降りていたり、あるいは散歩中の階段を軽やかに降りていた犬であっても、高齢化に伴い、それらが簡単にできなくなるという変化が起きます。
また、骨自体が弱まってくる事も考えられるため、「え、こんなことで?」と思うようなちょっとした衝撃で骨折をしてしまったり、足を痛めてしまう恐れがあるのです。
なるべく高めの位置からは自力で降りないよう見張ったり、あるいはスロープや階段を設けてあげるなどの工夫が必要になってきます。
病気を発症しやすくなる
病気を発症しやすくなるという変化も高齢化に伴って起こりやすいと言えるでしょう。個体差はありますが、今まで健康で病気もしたことがなかった犬が、6歳を超えた辺りから急に病気になってしまうという事例も珍しくありません。
シニア世代に入った辺りから、毎日しっかり愛犬を観察し、ちょっとでも異変を感じたら獣医さんに相談するような習慣を付けておきましょう。
また、暑い季節は熱中症になりやすくなってしまったり、寒い季節は風邪をひきやすくなるなど今までと比べて免疫力も低下してきます。今まで以上に気を配るように心がけましょう。
足腰が弱り歩くことが難しくなる
元気だった頃に走ったり散歩をする事が大好きだった愛犬が、シニア世代に入った途端、散歩に行くことを躊躇したり、あるいは走らなくなってしまったりという変化はよく起きます。飼い主としても少し切ない気持ちになってしまうでしょう。
しかし、これは犬だけではなく人間でも起こる変化ですので仕方がありません。徐々に歩く速度が遅くなったり、軽やかさがなくなったりしますが、その時の愛犬の調子によって速度を合わせてあげるなど、様子を見ながら散歩を楽しむようにしましょう。
また、9~10歳を超えると極端に足腰が弱まり、自力で歩けなくなってしまう子もいます。早めに犬用バギーを購入し、外の空気だけでも吸わせてあげるような散歩を提供してあげる事も考えておきましょう。
認知症を発症する可能性
近年、人の高齢化が進んでおり、その中でも深刻な問題の1つとして挙げられる認知症ですが、実はこの症状は人間だけのものではありません。犬も例外ではなく、認知症になってしまう恐れがあるのです。
犬の認知症は人間と似ていますが、飼い主の顔を見ても反応しなくなるといった変化だけでなく、幼少期のように夜泣きが始まってしまったり、飼い主の顔を忘れてしまうことで警戒心が生まれてしまうことが考えられます。
やはり認知症を予防するには、日々の遊びや散歩に変化を付けてあげる事が重要です。頭を使った遊び(匂いを嗅いでおやつを探す、知育玩具を使うなど)を行ったり、他の犬と出会える時間帯に散歩に行くことで、他の犬との交流によって認知症を予防する効果が期待できます。
自分でトイレができなくなる
足腰が弱り、体力が無くなってくると自分でトイレをすることも難しくなってきます。そのため、1日中つきっきりで面倒をみることになる飼い主さんも少なくありません。
軽度の場合は念のため犬用オムツを着用し、定期的に確認することで粗相などの心配が無くなります。しかし、まったく自力で歩けなくなってしまうと、横になった状態のままトイレする事になるため、しっかり見守りつつ、トイレをしたらその場と愛犬をきれいにするというお世話をする必要があります。
今まで通りの食事ができなくなる
当たり前の生活に支障を来たしてしまうのはトイレだけではありません。噛む力や飲み込む力、消化の力などが弱まってくるため、食事も今まで通りの食事を維持することが難しくなります。
基本的にはドライフードをそのまま与えるのではなく、ふやかして与えるという方法が多いです。しかし、中には自力で食べられないという子もいますので、その時は飼い主さんがスプーンで口元に持って行ってあげたり、犬用のチューブなどで与えるなど工夫が必要になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。このように若いうちは当たり前にできていたことができなくなってしまいます。飼い主も見ていてつらいかもしれませんが、愛犬自身が1番つらい思いをすることになるでしょう。ですので、飼い主さんは優しく笑顔で、最期の時まで献身的にお世話をしてあげましょう。