犬がトイレシートを食べる原因|危険性・対処法・やめさせ方を解説

犬がトイレシートを食べる原因|危険性・対処法・やめさせ方を解説

犬がトイレシートを食べたり破ったりする理由や危険性、その予防策を解説します。トイレシートの誤飲は腸閉塞や中毒症状など深刻な健康問題につながります。飼い主ができる適切な対処法や予防方法を具体的に紹介します。

犬がトイレシートを食べるのはなぜか?

トイレシートに乗った子犬

愛犬がトイレシートを破いたり食べたりする行動には、いくつかの理由が隠されています。一見するとただの困った行動に見えますが、実は犬なりの切実なサインである場合が多いのです。背景にある理由を飼い主が理解してあげることで、効果的な対応が可能になります。

歯の生え変わりで歯茎がかゆい

生後3ヶ月から7ヶ月頃の子犬は乳歯から永久歯に生え変わるため、人間の赤ちゃんが歯が生えるときに感じるような不快感を歯茎に覚えます。

その結果、トイレシートの柔らかい感触やカシャカシャという音に惹かれて噛んでしまうことがあります。これは歯の生え変わり期に共通して見られる、ごく自然な行動です。

退屈やストレスの解消行動

犬が散歩の時間や運動量が十分に確保されず、刺激のない環境で長時間過ごすと、余ったエネルギーや欲求不満を身近にあるものを破壊することで発散させようとします。

特に元気な性格の犬や好奇心旺盛な犬種では、その破壊の対象がトイレシートになってしまうことも珍しくありません。

飼い主にかまってほしいから

犬は過去にトイレシートを破った時に飼い主が大声を出したり、慌てて駆け寄ったりした経験を、「注目してもらえた」というポジティブな印象として覚えてしまいます。そのため、飼い主に構って欲しい気持ちが高まると、再びシートを破く行動を繰り返す場合があります。

栄養不足による異常な食欲

可能性は低いですが、犬が通常の食事から必要な栄養素を十分に摂取できていない場合、異常な空腹感を覚え、通常なら食べないような異物にまで口を出すことがあります。

適量のフードを与えているのに異常な食欲や異物摂取が続く場合は、食事の内容を専門家と見直す必要があるでしょう。

病気や異食症による可能性

犬がトイレシートだけでなく、石や布など食べられないものを頻繁に口にしてしまう場合は、「異食症(異嗜)」と呼ばれる行動障害や、その背景に内臓の病気が隠れている可能性があります。このような行動が継続的に見られる場合は、獣医師への相談が早急に必要になります。

犬がトイレシートを食べた場合のリスク

使用済みのトイレシート

犬がトイレシートを噛んだり食べたりする行動を放置していると、犬の体内で思わぬトラブルを引き起こすことがあります。一見すると軽い誤飲のように感じるかもしれませんが、深刻な健康被害につながるケースがあるため注意が必要です。

吸水ポリマーが引き起こす腸閉塞

トイレシートには尿を吸収するための吸水ポリマーが含まれており、犬がこれを飲み込むと胃や腸の中で水分を吸収して何倍にも膨張します。

膨張したポリマーが腸を塞いでしまうことで、嘔吐や激しい腹痛などを引き起こす腸閉塞の危険性があります。特に子犬や小型犬では少量でも重篤な症状に発展する恐れがあり、注意が必要です。

シートの化学物質が引き起こす健康被害

多くのトイレシートには消臭や抗菌効果を目的としてさまざまな化学薬品が含まれています。これらは犬が口にすることを想定していないため、誤飲すると嘔吐、下痢、食欲不振などの中毒症状を引き起こす恐れがあります。

製品によって成分は異なりますが、いずれも犬にとって安全とは限らないため誤飲には注意が必要です。

使用済みシートからの細菌感染

犬が使用済みのトイレシートを食べてしまった場合、吸収されていた尿に含まれる細菌を再び摂取することになります。

その結果、胃腸炎や膀胱炎など細菌感染を引き起こす可能性があります。特に免疫力の弱い子犬や老犬では、感染症にかかるリスクがより高いため、十分な注意が必要です。

犬がトイレシートを食べさせないための対処法

犬用のメッシュトイレ

愛犬がトイレシートを食べてしまう行動は、飼い主が叱るだけでは根本的な解決になりません。安全かつ効果的な環境作りと行動を促すための工夫を組み合わせることで、この問題を未然に防ぐことができます。

シートを物理的に保護していたずらを防止

シートを物理的に防護する方法として、メッシュ(網)付きのトイレトレーを使用することが有効です。これにより、犬が直接シートを噛んだり引っ張り出したりすることが難しくなり、トイレシートへの興味やいたずらが減少します。

噛むおもちゃで欲求解消

犬の「何かを噛みたい」という欲求を満たすために、安全で耐久性のある噛むおもちゃを与えることが有効です。また、おやつやフードを中に詰めて長時間楽しめるような知育玩具も効果的で、犬の注意をトイレシートからそらすことができます。

ストレス発散のために運動を増やす

犬が退屈やストレスを感じる原因の一つは、運動不足にあります。毎日の散歩時間を長くしたり、新しい遊びを取り入れたりすることで、犬のエネルギーを適切に消費させ、精神的にも満足させることができます。その結果、トイレシートに対する破壊行動や問題行動の頻度を減らすことが期待できます。

犬がトイレシートを食べた場合の対処法

診察中の犬

愛犬がトイレシートを食べてしまったことに気づいたら、飼い主はついパニックになりがちです。しかし、冷静に正しく対応することで、大切な愛犬を深刻な事態から守ることができます。適切な対処法を覚えておきましょう。

食べたシートの量と破片を確認

まずは愛犬がどれくらいトイレシートを食べてしまったかを冷静に把握してください。噛み砕いただけなのか、明らかに飲み込んでしまったのかを確認します。破片が見当たらない場合は少量でも飲み込んだ可能性があります。この情報は後で獣医師に伝える際に非常に役立ちます。

危険な症状が出ていないかを確認

トイレシートを誤飲した後は、嘔吐を繰り返す、元気がない、お腹が張っている、排便が困難など、普段と違う様子がないか注意深く観察しましょう。これらの症状がある場合は、腸閉塞などの深刻な問題が起きている可能性が高いため、早急に対応が必要になります。

症状がなくても動物病院へ連絡

犬がトイレシートを食べた場合、症状が現れていなくてもすぐに動物病院に連絡し、状況を伝えることが非常に重要です。特に子犬や小型犬では、わずかな誤飲でも重大な健康問題に発展する可能性があります。自己判断せずに獣医師の指示を仰ぎましょう。

自宅で無理に吐かせない

絶対に避けるべき行動は、自宅で犬に無理やり吐かせようとすることです。適切でない方法で催吐させると、食道を傷つけたり、誤嚥性肺炎などの重篤な合併症を引き起こしたりする可能性があります。犬の催吐処置は必ず動物病院で獣医師の管理下で行ってください。

まとめ

犬がトイレシートを食べたり破いたりする行動は、歯の生え変わり時期の不快感や運動不足、ストレス、飼い主に構ってほしい気持ちなど、多くの理由が考えられます。しかし、この問題を放置すると腸閉塞や化学物質による中毒、尿に含まれる細菌による感染症など、深刻な健康リスクが伴います。

トイレシートの誤飲を防ぐには、メッシュ付きトレーを使うなど環境を整え、適切な運動や噛むおもちゃで欲求を満たしてあげることが大切です。万が一誤飲してしまった場合は、自己判断で催吐を試みず、すぐに獣医師へ相談しましょう。

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