子犬の食糞はいつまで続くの?
犬の食糞は、本能的行動で健康に害はないといわれていますが、不衛生ですし、何より見ていて気持ちのよいものではありません。
食糞は自然に治まるものなのでしょうか?それとも、やめるようにしつけをする必要があるのでしょうか?
一般的には子犬の成長と共に多くの犬が食糞しなくなる
食糞は成犬より子犬に多く見られますが、それは子犬の時期に食糞癖があっても、成長するにつれて徐々に治まっていくことがほとんどだからです。
子犬の間は、興味や空腹に勝てず食糞することも多いですが、大人になるにつれて精神的に成長し、落ち着いてくると興味の対象が他に広がることもあり、次第に治まってくるものです。
子犬の食糞が続く場合は原因を探って対処すべき
ほとんどの犬が大人になるにつれて食糞をやめる中で、大人になってからもやめない犬もいます。
食糞癖が治まらないと、他の犬の糞にまで興味を示すようになったり、糞に含まれる寄生虫などにより健康を害することもあります。
また、犬の口内衛生が保たれなくなり、共に生活する人間にまで健康被害を及ぼしかねません。それらの理由から考えても、食糞はやめさせる必要があるといえます。
では、食糞をやめさせるには、どうすればよいのでしょうか?
犬が食糞し続けるのには、必ず原因があります。まず、その原因を突き止めて、その上でどのようにしてやめさせればよいのかを考えてみることが大切です。
子犬の食糞がいつまでも続く原因
食糞をし続けるのには、何らかの原因があります。犬の性格や生活環境によって原因は様々ですが、その中の代表的なものをいくつか挙げてみました。
飼い主さんの反応に対する子犬の学習行動
犬は飼い主さんの行動をとてもよく見ています。食糞に対する飼い主さんの反応は様々ですが、その反応が犬の行動に大きく影響します。
たとえば、飼い主さんが大騒ぎすると「かまってもらっている → うれしい → もっとやろう」と勘違いしますし、叱られると「うんち → 叱られる → 隠さなきゃ!」と判断することもあり、そのような状況が続くことで、食糞が習慣になってしまうことがあります。
退屈感を解消するための発散行為
暇をもてあましている時や何らかのストレスを抱えている場合、それを発散するためにおもちゃ代わりに糞で遊んでいたら、つい口に入って食べてしまったことが習慣になってしまう場合もあります。
体に合わないフードによる栄養不良や消化不良
子犬の間は消化器官が未発達なので、フードが体に合っていないと、食べたものが十分消化されずに排泄されることはよくあることです。
未消化の食物が糞に混じっていると、そこから発する匂いで食べるものと勘違いし、食べてしまうことがあります。また、食事の量が少なすぎると、空腹で食糞してしまうこともあります。
体内に寄生虫がいる
体内に寄生虫がいると、栄養を吸収できなくなり、それを補う為に食糞することがあります。
子犬の食糞をやめさせるための対処法
食糞をやめさせる一番の方法は、犬の目の前に糞が無いという状況を作ることです。それには、できるだけ飼い主さんの目の届かない所で排便させないように工夫することが必要です。
次に、その具体的な方法を探ってみましょう。
排便後はすぐに糞を片付ける
排便後の処理は、犬に気付かれないようにすることがポイントです。目の前で糞を持ち去られると、取られたと勘違いし、逆に執着してしまいす。
飼い主さんの目の届く所で排便をしたら、少し大袈裟に誉めて、おやつなどで犬を遠ざけておき、犬の見えないところで処理します。
大切なのは、犬の関心を他に向けてしまうという点です。それを続けることで、排便後はおやつがもらえる、つまり嬉しいことがあると学習させるのです。
そのうちに、犬が自分から排便を知らせに来るようになります。
目の届かない所での排便の対応は冷静に淡々と処理する
お留守番中の排便や知らぬ間に排便したような時は、淡々と素早く処理します。食糞した痕跡を見つけても、慌てたり叱ったりせずに、冷静に対応することが大切です。
そもそも、犬は食糞をいけないことだと思っていないので、叱っても改善にはつながりません。それよりも、目の届かないところで、排便しないように工夫することが大切です。
たとえば、外出前には、運動させておく、犬が夢中になるおもちゃを与えておく、など犬が退屈しないよう準備しておきます。
また、普段から排便のタイミングを観察しておき、お留守番中に排便しないように、ご飯を与える時間を変えるなどの工夫も必要です。
犬の嫌がるものを糞にかける
排便後、犬の嫌がる匂いを吹き付けたり、七味など辛いものをかけてみたりして、様子を見てみましょう。糞は食べても美味しくないものだ、と学習させるのです。
犬は糞がまずいものなら、食べようとはしないはずです。その場合、犬の健康を害するようなものを使用しないように注意しましょう。
食糞防止用のサプリメントなどを利用してみる
ペットショップには、食糞防止用のサプリメントや食品など、様々な商品が用意されています。すべての犬に効果があるとは思えませんが、そのような商品を試してみるのも一つの方法です。
子犬の食糞がいつまでも続く時の注意点
フードのチェックやしつけなども大切ですが、忘れてはいけないのが、犬の身体的なチェックをしておくことです。どうしてもおさまらない食糞の要因が、内科的なものであるかもしれないからです。
食糞の原因が病気ではないかを検査で確認しておく
もし、食糞が内科的な要因であれば、いくらしつけをしてもそれだけで治まることはありません。
消化器疾患など内科的なトラブルを抱えていないか、寄生虫の有無はどうかなどを健康診断で確認しておく必要があります。また、食糞後、嘔吐を繰り返すような場合も病気の可能性がありますので注意が必要です。
何らかの疾患があった場合はそれを治療することで治まる場合もありますし、寄生虫の駆除だけで食糞しなくなる可能性もあります。
食糞対策のためだけではなく、犬の健康を守るためにも、日頃から健康診断で身体的にトラブルがないかどうかを確認しておくことはとても大切です。
子犬の食糞対策は焦らず気長に行う
犬が食糞しても、決して叱らないようにしましょう。犬は食糞がいけないことだとは思っていないので、それをやめさせるのはそう簡単ではありません。
根気よく何度も繰り返し、習慣付けてあげることが大切で、一度習慣になってしまえば、その後は食糞しなくなります。
飼い主さんが焦ることなく気長に続けることが最も重要なことだといえます。
まとめ
犬は、習慣で行動する動物だといわれています。言葉を持たない犬に何かを教えるには、何度も繰り返し、習慣になるようにしてあげることが大切です。
人間の場合でも同じですが、一度身に付いた習慣や癖を直すのは、容易ではありません。犬の様子をよく見ながら「食糞する」という癖が「食糞しない」という習慣に変わるように導いてあげましょう。
食糞に悩む飼い主さんはたくさんおられると思います。そして、日々、奮闘されていることでしょう。あきらめず気長に根気よく、愛犬の悪い習慣を直してあげましょう。