犬の成長期について「身体の変化」
犬の最初の成長期 ~骨組織の発達~
生まれてから生後2か月齢の頃までの間、子犬は急速に成長します。成長期の最初の段階です。生まれたときの体重と、生後2か月齢になった頃の体重を比べてみると、小型犬でも大型犬でも10倍から15倍も増加します。この頃の主な変化は「骨組織の発達」です。
犬の第二の成長期 ~筋肉組織と脂肪組織の発達~
生後2か月齢から成犬になるまでの間には、2か月齢の頃の体重と比べて、小型犬から大型犬では2倍から5倍も、超大型犬ではそれ以上に増加します。この頃の主な変化は、「筋肉組織の発達」です。また、生後5か月齢の頃からは、「脂肪組織の発達」もみられるようになります。そのため、フードの内容や量を調節して肥満に注意しなければなりません。
犬の成長期はいつまで? ~成長期を終える時期~
犬の成長期を終える時期は、身体の大きさや犬種によって異なります。超小型犬や小型犬の成長期は、生後8か月齢から生後10か月齢頃までとされています。中型犬の成長期は、生後10か月齢から生後12か月齢の頃まで。大型犬の成長期は、生後15か月齢から18か月齢の頃まで。超大型犬の成長期は、生後18か月から生後24か月齢の頃までとされています。
このように、大きな犬であればあるほど、成長期である期間は長くなります。
犬の成長に伴う「食事の変化」
犬の哺乳期と母乳の役割
生後0日から生後30日の頃までが、犬の哺乳期です。母乳によって、高濃度なエネルギーと、必要な栄養素の全てを摂取します。また、分娩後16~24時間以内の母乳は初乳と呼び、あらゆる病気に対する抗体がたくさん含まれています。この初乳を飲むことで母犬からの抗体を摂取し、腸から吸収します。それによって生まれてから数週の間に必要とする免疫を獲得するのです。また、母乳を飲むと水分も補給され、循環血液量が増えます。哺乳期に母乳を与えることには、このような重要な役割があります。
犬の離乳期
生後20日から生後60日頃までが、犬の離乳期です。生後3週間頃には、乳歯が生えてきます。離乳食を始めるための良いタイミングで、ドッグフードに慣れてもらうことから始めます。骨や筋肉の成長のために必要な、ミネラル類やタンパク質などをバランスよく摂取し、消化の良い離乳食であることが大切です。
哺乳期と離乳期を終えて…
離乳食はふやかした子犬用のフードやウェットフードから始め、だんだんとふやかしをやめ、パピー用からジュニア用、成犬用のフードへと切り替えていきます
- 生後1か月齢の子犬には免疫力を高め、非常に消化の良い食事(主に母乳や人工ミルク)が必要です。
- 生後2か月齢の子犬にはカルシウムやリンなどの骨格の成長に必要な栄養素に特に注意が必要です。
- 生後4か月齢から生後6か月齢の子犬には、カルシウムの過剰な摂取に注意が必要です。
- 生後7か月齢の子犬には、身体組織と抗体を作るための、良質なタンパク質の摂取がさらに重要となります。
- 生後10か月齢の子犬には、特に大型犬・超大型犬では関節をサポートするための栄養素が必要になります。
そして、成犬でも、栄養バランスの整った食事であることが重要になります。栄養バランスが崩れてしまうと、肥満になりやすかったり、関節や臓器に大きな負担をかけたりします。そうすると、ある栄養素の欠乏症や過剰症が起こったり、病気を発症しやすくなったり、健康に長生きすることができなくなったりしてしまいます。
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犬の成長に伴う「歯の変化」
犬の健康寿命には、かみ合わせや歯並びが影響します。乳歯から永久歯へと変化するとき、特に注意しなければなりません。乳歯は、下の歯が14本、上の歯が14本、合わせて28本です。
永久歯は、下の歯が22本、上の歯が20本、合わせて42本です。基本的には、生後3か月齢から生後7か月齢の頃までに、乳歯から永久歯へと生え変わります。永久歯に生え変わった後は、特に歯石や歯垢がつきやすくなってしまう、“後臼歯”に注意する必要があります。
フードを噛み砕くときに主に利用する歯で、歯磨きをしにくい部分でもあります。永久歯へと生え変わる以前から、口の中に触れることに慣れさせておくこと、後臼歯までしっかり歯磨きをすることに慣れさせておくことが大切です。
まとめ
子犬から成犬になるまでの間の変化について、
- 身体の変化
- 食事の変化
- 歯の変化
この3つの変化についてご紹介しました。知っているようで、意外と知らないこともあったのではないでしょうか。飼い主としての責任を持つためにも、犬の成長について、どのような変化が起きるのか、事前に知っておくと役立つのではないでしょうか。