犬を室内で放し飼いするメリット
心地よい場所に自由に移動できる
犬を室内で放し飼いにするということは、犬はどこでも自由に行き来できるということ。同じ家の中でも1日の中で時間帯によって日の入り方が違ったり、家族がいたり、いなかったりと、その環境や状況は大きく変化していくものだと思います。
室内で放し飼いされている犬であれば、あたたかな場所で日向ぼっこをしたり、暑いときには冷たい玄関や廊下で寝たり、身体的に快適だと感じる場所に常に移動できるため、ストレスなく過ごすことができるでしょう。
また、外を眺めるのが好きな犬は窓際にいたり、人のそばにいたい犬は飼い主について回ったりと、好きなように過ごせるというのも犬にとって大きなメリットでしょう。
コミュニケーションを取りやすい
犬を飼いたいと思う人は「いつもそばに愛犬の存在を感じたい」「遊んだり触れ合ったりしたい」と思う人が多いのではないかと思います。自宅でリラックスして過ごしているとき、犬が寄り添って眠っていたり、ウキウキと遊びに誘ってきたりする様子は愛おしくてたまらないものですよね。
そのため、家の中で犬をケージやサークルに入れてしまうとコミュニケーションを取る時間が少なくなってしまい、つまらないと感じる人もいるでしょう。また、飼い主さんのことが大好きな犬にとっても、そばに近寄れず家族団らんに加われないのはとても寂しさを感じさせてしまうことになるかもしれません。
犬を室内で放し飼いするデメリット
犬が落ち着かない
犬は自由に過ごす方がいいと思われることが多いのですが、実は居場所が決まっていないことや与えられたスペースが広すぎることで、不安になってしまう犬もいます。
元々犬は巣穴のような狭く囲まれた場所で眠ると落ち着くという気質も持っているため、ある程度限定された“自分だけ”のスペースを与えられた方が、落ち着いて休むことができるとも考えられています。
怪我の危険性がある
犬のためにすべての危険要素を取り除くことができれば問題ありませんが、人間が生活する空間でそれを実行することは非常に難しいでしょう。そのため、家の中では高い場所からの落下やコンセントでの感電、お風呂での溺れなど、犬が怪我をしたりトラブルを起こしてしまったりする要因が家の中にたくさんあるというのが多くの家庭での実情でしょう。
いたずらやトイレの粗相
家の中で放し飼いをしていると、おもちゃ以外のもので犬が遊んで壊してしまったり、トイレの失敗をしてカーペットや畳などを汚してしまったりすることもあります。
特にあらゆるものに興味を持つ子犬の時期は、家具を噛んだりごみ箱を漁ったり、様々ないたずらをすることが多いので十分注意し、家庭内のルールを教えていかなければなりません。
犬を室内で放し飼いする上手な方法
犬を室内で放し飼いする場合、コミュニケーションをたっぷり取りながらも怪我やトラブルを極力減らすために、“限定的な放し飼い”をすることをおすすめします。限定するのは時間や場所。
犬を放し飼いする場所をリビングだけにして、常に飼い主の目の届く場所にいさせるようにしたり、飼い主が寝室で寝るときやお風呂に入るとき、留守番中などはケージなど愛犬専用の場所にいさせるようにしたりするのです。
特に飼い主がその場にいない場合には、広い場所だと犬も落ち着かず不安を募らせて、いたずらや粗相を繰り返してしまうことがあるので、落ち着ける“自分だけの場所”を与えてあげるといいでしょう。
ただし、急にケージやサークルに入れると嫌がる犬もいますし、ストレスに感じてしまう犬もいます。そのため、子犬の時期からハウストレーニングとしてケージやサークルなど、犬だけの居場所にいさせることにも慣れさせておくことが大切です。
まとめ
犬を室内で放し飼いするのは、良いことなのか悪いことなのか気になる人も多いようですが、これはどちらがいいと一概に言えるものではないと思います。犬の気質・タイプによってはある程度限定されたスペースで過ごす方が落ち着くという場合もありますし、広いスペースでも自分なりに居場所を見つけ、快適にかつ安全に過ごすことができる場合もあります。
犬の日頃の様子や性格を見極めた上で室内で放し飼いにしたり、時間や状況に合わせてケージを利用したりして、犬も飼い主もストレスなく過ごすことができる環境を整えていきましょう。