手作りご飯は生後4〜5か月頃から
手作りご飯は、子犬が生後4〜5か月になる頃には与えても大きな問題はないとされています。
これは、子犬が成犬時体重の50%に達するころに当たります。
ただし、栄養学の面からいうと、本格的に手作りご飯にシフトするのは、やはり成犬期に入ってからをおすすめします。
なぜなら、子犬の期間の栄養管理は、子犬の健全な成長や健康に大きな影響を与えることがわかっており、また栄養管理はとても難しいからです。
子犬の期間は成長期用フードを基本に
そもそも、子犬とはいつまでの時期を指すのでしょうか。
一般的に、成犬体重の80%に達するまでの期間は子犬用フード、すなわち成長期用フードを与えるべきとされています。
これは、大型犬であれば1歳半くらい、小型犬であれば10か月くらいまでの期間に当たります。
この期間は、1日に1食程度の手作りご飯を時々与えてみたり、フードに軽くトッピングしてみたりすることはかまいませんが、基本的には市販されている成長期用の総合栄養食フードを与えることをおすすめします。
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知っておきたい!手作りご飯のリスク
栄養不足
人間とわんこでは、必要な栄養の種類や量が大きく異なります。
そのため、栄養学を専門に学んでいる人であったとしても、わんこにとって栄養バランスの良い食事を手作りご飯でまかなうことは、非常に困難です。
成犬より栄養要求の高い子犬の場合には、なお更になります。
特に、子犬に手作りご飯を与えた場合に不足しがちな栄養素が、ビタミン・ミネラル類です。
栄養が偏った食事を与えつづけていると、発育不全や虚弱体質を招くリスクがあります。
栄養過剰による肥満や疾病
子犬なのだからたくさん栄養を摂らせなければと思うあまり、ご飯を与えすぎてしまうと、今度は栄養過剰によるリスクがあります。
特に子犬の時期の肥満は病気のリスクはもちろんのこと、発育途中の骨に大きな負担をかけるため、骨の形成不全などを引き起こす可能性があります。
特に大型犬の子犬で気をつけたいのが、カルシウムの過剰摂取です。
大型犬では、遺伝的な要素もあり、骨軟骨症や股関節形成異常等の成長期整形外科疾患を発症するリスクが、より高いといわれているからです。
市販フードを食べなくなる
栄養の問題だけでなく、子犬のころから手作りご飯に慣れてしまっていると、市販のドッグフードを食べなくなってしまうというリスクもあります。
「市販のドッグフードを与える予定はないから大丈夫」と思うかもしれませんが、災害等で避難生活を余儀なくされた場合や、将来病気になって療法食を食べなければならなくなった場合など、食の自由が制限される状況になったときに、困ってしまう可能性があります。
ドッグフードも多様化!健康志向や素材へのこだわりも
飼い主さんの愛情たっぷりの手作りご飯は、愛犬との絆を深めてくれます。
もちろん、それ自体はとてもすばらしいコミュニケーションです!
ですが、栄養管理の面ではやはり全ての食事を手作りでというのは難しいと言わざるをえません。「市販のドッグフードは添加物や原料が気になって」という健康志向の飼い主さんもいるかと思いますが、最近では「添加物不使用」「人間の食事にも使用できる素材のみ」など、素材にこだわったフードなどもたくさん登場していますから、いろいろ調べてみることをおすすめしますよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?子犬はいろいろなものに興味津々。
ぜひ、基本の栄養管理を念頭に置きつつ、少しずついろいろな食材を与えてみて好きな食べ物を探したり、季節の行事や誕生日に豪華な手作りご飯を用意したり、食を通した楽しみを満喫してください。