犬の「おへそ」がある場所
まろん ちゃん / チワワ
犬のおへそは、みなさんがイメージする、人間のようなおへそとはちょっと違います。人間のおへそは、へこんでいたり、出っ張っていたりしますよね。
犬のおへそは、へこむことも出っ張ることもなく平たんです。産まれたときは臍帯(さいたい)がありますが、その臍帯を切られたあとは被毛で覆われてしまいます。そのため、へこむことも出っ張ることもなく平坦になるのです。
おへそ の見つけ方
犬の胴体のちょうど真ん中あたりの被毛をかきわけてみてください。おへその部分だけ被毛がなかったり、傷跡のような違和感があったりします。周りとは明らかに違う様子がわかると思います。
うちの愛犬の男の子のおへそはハッキリと見ることができて、まるで大ケガをした後の傷跡のようです。はじめて見たときは驚いて、獣医さんから「それは犬のおへそですね」と言われてホッとしました。
おへそ の役割
犬も人間と同じように、母犬のお腹の中にいる間はへその緒で繋がっていたため、おへそがあるのです。へその緒は、母親の栄養や酸素などを血流で運搬する管のような役割をしています。
へその緒は出産した際に、母犬が噛んで切ります。状況によっては、母犬がへその緒を噛み切らない時もあるため、その場合は、飼い主や獣医師がハサミで切ることになります。
【哺乳類のほぼ全て「おへそ」がある】
犬にもおへそがあるんだ!?と驚く方も多いです。例外として、カンガルーのような有袋類と卵生のカモノハシがいますが、実は哺乳類はほぼみんなおへそを持っています。人間だけではないんですね。
出べそは「臍(へそ)ヘルニア」の危険性あり
犬のおへそは、よく見て触らないとわからないほど平たんです。もし、愛犬のおへそが「出べそ」だった場合、それは「臍(へそ)ヘルニア」になる可能性があるため注意が必要です。
ヘルニアとは、本来ならばカラダの中になければならないものが、外に飛び出してしまっている状態のことを言います。臍ヘルニアも同じように、本来ならばカラダの中にあるはずのものが、おへそがふくらんでしまったことで、一部分が外に飛び出してしまっている状態です。
臍ヘルニアの原因
出産後に臍帯(さいたい)、いわゆるへその緒が十分に閉塞しなかったことが原因で、臍ヘルニアになるといわれています。
中には、子犬の頃にでべそだった犬が、成長するにしたがい膨らみが小さくなり、成犬になる頃には完治したというケースもあります。しかし、自然と治癒することはそれほど多いケースではないようです。
治療について
臍ヘルニアは、基本的には手術によって整復して治療する流れになります。治療は、避妊手術と一緒に行われることが多いでしょう。
臍ヘルニアをそのまま放置してしまうと、腸閉塞などの重篤な病気を発症してしまう可能性もあるため、「うちの子のおへそ、でべそかも!?」と感じたら、一度獣医さんに診てもらってくださいね。
なりやすい犬種
臍ヘルニアになりやすいといわれているのは、次のような犬種です。
- 日本テリア
- バセンジー
- ペキニーズ
- プードル
- チワワ
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- ダックスフント
など。上記犬種のみではありませんし、上記犬種だからといって、必ず臍ヘルニアになるというわけでもありません。
臍ヘルニアについて、原因・発生頻度の高い犬種・症状・治療法・手術費用などをまとめてみました。生後6ヶ月までの間に自然治癒するものもあります。
- 病気
- 病名
まとめ
愛犬のお腹を撫でていて違和感のある部分はありませんか?つむじだとか、クセ毛だと思われている飼い主さんも、いらっしゃるかもしれません。その違和感のある部分が、もしかすると愛犬のおへそかもしれません。
みなさんも「愛犬のおへそはどこかな~?」とぜひ探してみてください。見つけることができなかったら、トリマーさんや獣医さんに聞いてみてくださいね。