犬の「立ち耳」と「垂れ耳」の起源
オオカミなどのイヌ科の野生動物や、古代からの起源と考えられる犬種は、警戒心や緊張、危険察知のために、音を聴く能力が必要でした。そのため、耳介の筋肉をピンと立たせることで周囲の音を拾い、外敵から身を守っていたと考えられています。耳によって生き抜く必要があったため、もともとは立ち耳の犬しか存在していなかったそうです。
しかし、人間とともに仕事をしていく上で、聴覚よりも嗅覚を必要とする犬があらわれました。嗅覚によって獲物を探し当てるのに、耳から入る情報は邪魔だったのでしょう。鼻に神経を集中させ、ニオイによって獲物を狩ることができるよう、耳が折れるような形に改良されたと考えられています。
また、家畜として人間と共生する犬が増え、生きるのに警戒心を持つ必要がなくなりました。そのため、耳介の筋肉が緩み、垂れ耳の犬が誕生したともいわれています。
人気の犬種は垂れ耳の犬が多い
近年のペットブームにより、一人暮らしでも犬を飼う人が増えています。なんと、子供の数よりもペットの数が上回っているそうです。では、今人気の犬種はどのような犬種なのでしょうか?
ジャパンケネルクラブが発表している、2017年の飼育頭数ランキングは下記の通りです。
- 1位:プードル
- 2位:チワワ
- 3位:ダックスフンド
- 4位:ポメラニアン
- 5位:柴
- 6位:ヨークシャーテリア
- 7位:シーズー
- 8位:フレンチブルドッグ
- 9位:マルチーズ
垂れ耳な犬種が多いですね。垂れ耳は可愛らしく、幼い印象を与えるため、人気の理由の一つとも考えられます。
犬は立ち耳、垂れ耳だけじゃない!知っておきたい8つの種類
1.立ち耳
ご存じの通り、ピンと上に立った耳です。先端は丸いタイプや尖っているタイプがいます。柴犬やジャーマン・シェパード、シベリアンハスキーなど。
2.こうもり耳
顔の大きさに対して、耳の割合が大きく、コウモリに似ていることから、別名「バッドイヤー」ともいわれます。耳の付け根は広く、丸い先端をしています。耳と耳の間隔が広いことが特徴的です。フレンチブルドッグやコーギーなど。
3.ろうそく耳
ろうそくの炎のような形をしている耳を、ろうそく耳といいます。先端は尖っています。ミニチュアピンシャーなど。
4.バタフライイヤー
大きな立ち耳に豪華な飾り毛を持っています。チョウが羽を広がげたような見た目から、この名が付きました。パピヨンやロシアン・トイ・テリアなど。
5.半立ち耳
立ち耳ですが、先端が折れ曲がっている耳を、半立ち耳といいます。先端に折りクセをつける耳セットを行う方も多いそうです。シェットランドシープドッグやコリーなど。
6.ボタンイヤー
半立ち耳よりも、さらに大きく折れた耳で、テリア種に多くみられます。ジャックラッセルテリアやワイヤーフォックステリアなど。
7.垂れ耳
頭の横に垂れた耳を垂れ耳といいます。
犬はカーミングシグナルとして耳を使う場合がありますが、垂れ耳の犬はそれが伝わりづらいという難点があります。ゴールデンレトリバーやビーグルなど。
8.ペンダント耳
頭を振り回せば、風を起こせそうなほど大きな耳をペンダント耳といいます。嗅覚によって獲物を捕らえる仕事をしていた犬種にみられます。バセットハウンドなど。
まとめ
耳は犬のチャームポイントの一つですよね。耳にリボンを付けたり、オシャレをしたりする子も多くみられます。
耳が作られた過程に歴史があって、様々な種類の耳があって、愛犬の耳について調べてみるのも面白いかもしれません。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 匿名
とってもおとなしく、穏やかな仔で人が大好き、吠えた事がほとんど無い良い仔です?
ただ 7ヶ月迄は立ち耳だったのに、徐々に折れてきて 今は垂れ耳になってしまいました。 私としては、だからといって とっても可愛いから 良いのですが 何故チワワは立ち耳なのが 普通で 立ってたのに垂れちゃったの?と近所の犬友の方に聞かれ、何でだろー?と素朴に疑問もちました。
どなたか、分かる方がいらっしゃいましたしたら 教えてもらえますか?