なぜ犬は飼い主の言うことを聞くの?
犬は様々な動物の中でも人間と共存してきた歴史が特に長い生き物です。そのため、現代では「犬をしつけることで飼い主の言うことを聞く」という特徴が当たり前のようになっています。しかし、なぜ犬は忠実に飼い主の言うことを聞こうとするのでしょうか。
元々犬は野生の中で集団行動をしていた生き物です。自分の仲間だと認識している集団の中には、その仲間たちをまとめる「リーダー」的存在のボスがいたとされています。そのボスの指示に従い動くことが犬にとっては当たり前だったのです。
そのため、人間と共に共存するようになった現在でも、家族を仲間として認識し、飼い主のことを信頼できるリーダーとして認めることで、飼い主の指示を受け入れ行動しようとするのです。
「指示を出して言うことを聞かせる(しつける)ことは可哀想」と言う人もいますが、犬にとっては頼れるリーダーに指示を出される方が本能的に安心できるため、飼い主をリーダーと認識してもらうことこそ生活する上で安心感を持ってもらうことに繋がります。
信頼してもらう飼い主になるために
上記でもご紹介したように、犬が飼い主の言うことを聞く理由は、飼い主が自分の群れの頼れるリーダーだからという信頼関係からです。そのため、信頼してもらい自分より上の立場の存在として認めてもらわなければ、犬が飼い主の言うことを聞くことはありません。
では、犬に信頼できる飼い主と認識してもらうためには、どのようなことを心がける必要があるのでしょうか。
しつけはしっかり行う
まず飼い主としての義務でもありますが、基本的なしつけ(無駄吠え防止、噛みつき防止、トイレトレーニングなど)はしっかり行いましょう。さらに基本動作と呼ばれる「待て」「お座り」なども飼い主の指示で動けるようにしておく必要があります。
これらのしつけを行っていくことで、自分に指示している飼い主の方が立場が上であることを認識させることができます。
基本的なしつけができたら、どのような環境でも飼い主の指示でコントロール(道で人に会った時に飛び付かないよう「待て」を指示するなど)できるよう、徐々にトレーニングを重ねていきましょう。
犬の習性や心理を理解する努力を
またしつけをするだけでなく、飼い主自身が犬の習性や心理を理解しようとする姿勢が重要です。犬は人間の言葉を話せないため、行動や仕草からその時の心理を理解する必要があります。
例えば相手の匂いを嗅いでいるときは相手のことを知ろうとしていることになりますし、しっぽを振っていても振り方によっては嬉しいだけでなく、怯えていることもあります。
このように「今、愛犬がどのようなことを考え、この行動をしているのか」を理解してあげることで、犬側も「飼い主さんは自分のことを理解してくれている」と信頼するようになります。
自分のことを理解してくれているかどうかについては、犬だけでなく人間関係を構築する上でも重要ですよね。しっかり愛犬を理解する努力をし、コミュニケーションを多く取るようにしましょう。
犬の前では常に落ち着いた態度で
犬は人間の行動をよく観察しています。皆さんにとって頼れるリーダーとはどのような人をイメージしますか?多くの方が「常に冷静で落ち着いた行動ができる人」という要素を思い浮かべるのではないでしょうか。犬も同じです。
ちょっとしたことで大声を出したり、慌てふためくような行動を取ると、犬自身も「大事!?」と驚いてしまったり、焦りを感じてしまいます。自分と同じような行動を取っている飼い主さんにも一抹の不安を感じるでしょう。
「この人といれば安心」といった信頼を得るためには、犬が見ているところではなるべく取り乱さず、冷静に行動することが重要です。意外と犬は飼い主の行動を見ていますので、普段から心がけるようにしておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。集団行動をしていた犬にとって、現代では飼い主が自分のリーダー的存在です。信頼できるリーダーとして認められるためにも、愛犬のことを理解し、安心感を与えてあげる事が大切です。