犬の耳掃除に!耳の洗浄液とは
外耳炎や中耳炎、耳ダニなど、犬のお耳のトラブルは多いですよね。治療してもぶり返してしまうことも多いようです。犬がお耳の病気になった場合は、もちろん動物病院で治療を行いますが、正常なお耳のケアは自宅でも簡単に行うことができます。
自宅で洗浄液(イヤークリーナー)などを使った犬の耳ケアを行っている飼い主さんもいらっしゃると思います。犬の耳の洗浄液にもいくつか種類があり、国内外問わずに色んなメーカーさんから販売されています。かかりつけの動物病院の獣医さんに相談し、おすすめされたものを使用するのも良いと思います。
犬の耳の洗浄液は市販のものを購入する場合、成分や安全性など何を重視すればいいのか迷ってしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか。また初めて犬の耳に洗浄液を注入する場合、少しためらってしまうかもしれません。まずは洗浄液の主な成分や、安全性などについて説明させていただきます。
犬の耳の洗浄液の安全性
耳の洗浄液は、犬に直接点耳するものなので安全性が気になるところです。聞きなれない薬品などが表記されている場合も多く、不安に感じる飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。中には天然成分を使い、舐めても大丈夫な比較的安全性の高い洗浄液もあります。特にお肌などがデリケートな犬の場合、無添加や化学成分、アルコール成分など刺激となるものがなるべく配合されていない耳の洗浄液を選ぶようにしましょう。
犬の耳の洗浄液の成分
市販の犬用耳の洗浄液には、耳垢溶解剤になる「プロピレングリコール」が配合されているものが多いようです。
耳の洗浄液の「プロピレングリコール」はPGと表示されることもあり、保湿性が高く、人間用の保湿剤を始めとする化粧品や医薬品、殺菌剤、さらには食品などにも広く使用されています。「プロピレングリコール」は、グリコール系に分類される有機物になります。
一般的に耳の洗浄液として、アレルギー性や毒性は低いと言われています。「イソプロパノール」や「フェノキシエタノール」など、消毒や殺菌作用のあるアルコール成分が使われていることが多く、敏感な犬は肌への刺激になり、ツンとした臭いを嫌う場合もあります。犬にとって大きな害を及ぼすものではないかもしれませんが、気になる場合は、これらの成分が配合されてない物を選ぶことをおすすめします。
犬の耳の洗浄液のシートタイプ
犬の洗浄液の他に、手軽に耳ケア用のウェットシートなどもあります。犬のお耳の汚れが気になった時にすぐに使えるので便利ですね。人間用のウェットティッシュなどは、犬にとってアルコール成分が強すぎる場合があるので使用しないようにしましょう。
犬の耳の洗浄液おすすめ5選
犬の耳の洗浄液で数ある中でも、特に人気の高いおすすめの洗浄液5つをご紹介いたします。犬のホームケアにぴったりな洗浄液を見つけましょう♪
ノルバサンオチック118ml
動物病院でも使用されていることも多い定番の犬猫用、耳の洗浄液です。愛用している愛犬家さんも多いようです。犬の耳のカビや細菌の繁殖を抑え、臭いや汚れを防ぎます。洗浄液はラベンダーの香りです。
ビルバック ベッツケア イヤークリーナー 125ml
フランス発の犬のイヤークリーナーです。リピーターの飼い主さんも多く、口コミでの評価も高い商品です。洗浄液は爽やかなシトラスの香りが特徴。日々の犬の耳ケアに使用することで健康的な耳を保てます。
フォン マックス 130mL【犬猫用イヤークリーナー】
日本製の犬猫用イヤークリーナーです。人間が飲用可能な発酵アルコールを配合しているので、犬がうっかり耳の洗浄液を舐めてしまっても安心です。
【犬猫用】耳洗浄液 インヤン イヤークリーナー120mL 国産
獣医さんが20年以上かけて研究して開発した、犬の耳の洗浄液です。ハトムギ種子エキスやナツメ果実エキスを始め、犬の耳ケアに有効な漢方由来の成分を配合。犬の苦手な臭いは最低限に抑え、ほのかにシトラスが香ります。日本製です。
ハッピーピーター イヤークリーナー 無香料無着色アルコールフリー 100mL
自然派化粧品のプロが開発した犬に優しいイヤークリーナー。消毒、消臭成分に柿タンニンが配合されています。犬にとって刺激臭となるアルコール成分は含まれていません。シンプルな成分でお肌のデリケートな犬にもおすすめの耳の洗浄液です。
犬の耳の洗浄液を手作りする場合
イヤークリーナーの代用としておうちで手作り、犬の耳の洗浄液を作ることもできます。材料も2つだけと、とてもシンプル。更に市販で犬の耳の洗浄液を購入するよりかなり経済的です。ぜひ試してみてくださいね!
犬の耳の洗浄液に必要なもの
- ホウ酸 3g
- 精製水 150ml
どちらもドラッグストアなどで100~200円ほどで売られています。濃度の目安は水の量に対し、ホウ酸2%以下です。犬の涙焼け対策など、目の周りのケアで使うことの多いホウ酸ですが、実はお耳の洗浄液ケアにも使用できるのです。
犬の耳の洗浄液の作り方
精製水にホウ酸を入れ、よ~く混ぜるだけで完成です。とっても簡単ですね!混ざりにくい場合は、精製水を少し温めてください。
犬の耳の洗浄液の使い方
できあがった洗浄液をコットンやガーゼに適量染み込ませ、犬の耳介(耳のヒダの見えている部分)、ヒダの部分を優しく拭きましょう。強く擦ると犬の耳が傷付く場合があります。
犬にとっては、普段のケアはこれで十分だと思います。耳の汚れが気になる場合は、お耳にたっぷりと耳の洗浄液を注ぎ、優しくマッサージし、犬に頭をブルブルしてもらい、残った洗浄液を拭き取ってください。
お掃除の頻度は週に1~2回程度が目安です。やり過ぎると傷がつき、逆効果になる場合があります。
ちなみに市販の耳の洗浄液、その一般的な使い方は、まず洗浄液を犬の耳にたっぷりと注ぎ、根本をクチュクチュとマッサージします。洗浄液が注入されたことにより、犬がブルブルと頭を振って洗浄液を外に飛ばします。お部屋や飼い主さんのお洋服にかからないように注意してくださいね。
そしてその後、ガーゼやコットンなどで残った洗浄液を優しく拭き取ります。まだ犬の耳に汚れが残っている場合はこれを繰り返します。商品によっては犬の耳介の拭き取りのみを勧めている耳の洗浄液もあります。
犬の耳掃除をする際の注意点
耳の洗浄液で暴れたり嫌がる場合、押さえつけたり無理やり掃除するのではなく、リラックスしている時などに優しく声をかけて、様子を見ながら行いましょう。
一度で犬の耳の洗浄が無理な場合は、数回に分けて洗浄液を行うなど徐々に慣らしてください。犬は一度、耳掃除が嫌いになってしまった場合は次からの耳ケアが難しくなります。
私たちが思っている以上に犬の耳というのはデリケートなようです。耳の洗浄液中に、犬の耳を強く引っ張ったり擦ったりしないように注意してください。犬の耳を傷つけてしまう可能性があるので、綿棒は使わないようにしましょう。人間用の耳かきなども絶対にNGです!
またティッシュや毛羽立ったコットンなど、犬の耳に繊維が残ってしまう可能性のある素材を使用するのは避けましょう。犬の健康な耳の場合はホームケアで問題ありませんが、傷や腫れ、匂いや耳垢の異常があった場合は、自分で犬の耳を洗浄液などでいじったりせずに動物病院へ連れて行きましょう。
たれ耳や長毛種は注意が必要!
一般的に立ち耳の犬に比べ、垂れ耳の犬の方が外耳炎などにかかりやすい傾向にあります。
他に耳の中の毛が多い犬種なども同様です。お耳の病気にかかりやすい犬種として、
- ダックスフンド
- アメリカン・コッカ―・スパニエル
- トイ・プードル
- ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- フレンチ・ブルドッグ
- ヨークシャー・テリア
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- ゴールデン・レトリーバー など
が挙げられます。
垂れ耳や長毛種の場合、どうしてもお耳の中が蒸れやすくなってしまいがちで、細菌や真菌が繁殖しやすいようです。より気を遣ってあげる必要があります。お耳の掃除だけでなく、犬によっては耳の毛をカットするなどし、通気性をよくする場合もあります。気になる方は獣医さんに相談してみましょう。
まとめ
今回は、犬の耳の洗浄液についてご紹介させていただきました。
犬は人間以上に耳からたくさんの情報をキャッチしています。犬にとって耳はとても重要な役割を持っています。そんな犬の耳の健康を保つためには、スキンシップも兼ね、日頃からお耳の状態をチェックするように習慣づけしましょう。
そうすることで、耳掃除を嫌がらず平気になる場合もあります。中には耳掃除が好きで、耳のケアをしてあげるとウットリする犬もいるそうですよ。
さらに普段から犬の耳をチェックし、正常な状態を知ることで、犬の耳に異常があった場合すぐに気付けるようになります。今回、犬の耳の洗浄液情報を、犬の耳の健康に役立てていただければ幸いです!