室内で放し飼いにしてもOK?チェックするべきポイント
犬の家の中での過ごし方には、室内全て自由(放し飼い)、リビングのみ自由、犬専用の部屋のみ自由、ケージで過ごす、留守番時のみケージで過ごす、玄関で過ごすなど各家庭の事情や犬の性格などによってさまざまだと思います。
家の中を全て自由に行き来させて自由に過ごさせるためには、いくつかクリアしなければならないポイントがあると思います。それらをクリアしない段階でただ自由を与えてしまうと、いたずらや粗相、事故などさまざまなトラブルが起こる可能性があるので注意しましょう。
犬を室内で放し飼いするためのチェックポイント
- 家にしっかりと慣れているか(飼い始めたばかりはNG)
- トイレのしつけは完璧か
- 家具や飼い主の持ち物へのいたずらはしないか
- 窓や玄関ドアなど脱走の危険性はないか
- 危険なものが落ちていないか、犬の届くところに置いていないか
- 犬の縄張り意識、リーダー意識が強くないか
- 不安感が強く緊張していないか
ここで挙げたことがすべてではありませんが、少なくともこれらの項目がクリアできていない場合は室内の放し飼いは控えるようにして、クリアするためのしつけや環境整備を行うようにしましょう。
いたずらや粗相は犬だけの責任ではなく、飼い主側の工夫や気配りで減らすことのできる問題なのでむやみに自由を与えずにしっかりと管理しながら穏やかに過ごさせるようにしてあげましょう。
鈴木桂子
基本的にトイレのしつけができていれば「室内飼い」は可能です。しかし、歯が生えてくる頃の子犬はとにかく何でも噛みたがるので、子犬が届くような高さにものは置かない、椅子の足などにはカバーをするなどの工夫が必要です。
家にお子さんがいる場合、おもちゃは子犬にとってもいい遊び道具、噛み道具になります。ビニールのおもちゃやレゴなどは嚙み砕いて吞み込んでしまうので危険です。
犬の出入りを制限した方がいい場所
基本的にいたずらや粗相がなく、室内を自由に過ごすことができる犬であっても万が一のことを考えて出入りを制限すべき場所もあります。
- キッチン
- お風呂場
- 洗面所
- トイレ(人間用)
特にキッチンは犬の出入りを制限しておくようにしましょう。キッチンには当然食べ物があり食べかけのお菓子や常温保管の野菜、乾物などが棚の上などに置いてあることも少なくありません。
また、包丁などの刃物やガス栓(火元)、害虫除けの薬など事故や火事の元になる危険な要素がたくさんあります。普段はいたずらをしない犬でも留守番中で飼い主がいなければ食べ物をあさる可能性もありますし、好奇心から思ってもいなかったような行動に出る可能性もあります。
その他にもお風呂や洗面所、トイレなども出入りできないようにしておいた方が安全です。特にお湯を張ったままの浴槽やトイレは溺れる可能性があり、ドラム式洗濯機は中に入って窒息してしまう可能性などもあります。
これらは実際に人間の子供でも起こっている事故で、危険性を理解できない犬にとっても同様の危険性があります。
「どうせいつも入ろうとしないから大丈夫」とそのままにしておいたら、留守番中などに退屈しのぎや思わぬトラブル(雷や大きな地震など)から入ってしまっていたということもあるので、犬を過信することなくきちんと入れないようにしておき未然に事故やトラブルを防ぐようにしましょう。
鈴木桂子
キッチンは基本的に入れない方が無難です。中型犬や大型犬になると、かなりの高さまで前脚が届きます。ちょっとの油断で今日の夕食が消えたりします!
トイレなどもうっかり落ちてしまったり、水を飲もうとしたり。そしてトイレ用洗剤なども標的にされかねません。トイレットペーパーはとても楽しい遊び道具です。
危険なものがないか、犬にとって楽しい遊び道具になりそうなものはないか、それをチェックするには犬が立ち上がった時の高さで見てみることです。愛犬の前脚が届く高さを知り、その高さから少し上積みした高さまでには、余計なものを置かない工夫をしましょう。
放し飼いでもケージやハウスは必須!
日頃は放し飼いをしていながら愛犬のクッションやベッドを用意して快適な環境をつくり、さらに留守番時はある程度出入りできる場所を制限しているという家であっても犬用のケージやハウスは必ず用意しておきましょう。
普段ケージやハウスに入る習慣のない犬はそれらに入れられることに抵抗感があり、嫌がって吠えたりストレスを感じてしまいます。しかし、病気やケガによる入院や災害による避難時などケージやハウスなどに入らざるを得ない状況もあるのです。
入院や避難などただでさえストレスを感じる状況で、さらにハウスに入ることでもストレスを感じるのでは犬にとって非常につらいものだと思います。これらはいつ起こるかわからないことなので、今ハウスやケージを苦手としている場合はできるだけ早く用意をして適切なハウストレーニングを行うようにしましょう。
鈴木桂子
ハウスとしてケージやクレートに慣れさせておくのは、来客時や車での移動、災害時などに役立ちます。また、留守番をさせる時も、犬が落ち着いて寝る場所として認識していると楽です。ただし、入れっぱなしにはしないようにしましょう。
ケージやクレートの置き場も大事です。玄関や窓など、外が見えるところは避けましょう。犬は基本的に家を守ろうという意識があるので、外部の刺激が入りやすい所では落ち着けません。
また、人が頻繁に行き来する場所も犬にとって快適な場所ではありません。外からの音の刺激が少なく、静かな場所に設置しましょう。
<まとめ>愛犬にとって快適な室内環境を考えよう
犬を室内で放し飼いをすることは必ずしも犬の幸せにつながるとは限りません。愛犬の性格や成長段階に合わせて「今の愛犬にとって最も快適な環境は何か?」ということをしっかりと考えてあげることが大切。
むやみに自由を与えることで愛犬を叱ることが増えたり、事故やトラブルで危険にさらしてしまう可能性があるようでは犬にとって幸せとは言えないでしょう。
基本的にケージの中で過ごしているとしても、ケージが好きで落ち着ける場所になっているのであれば犬にとっては十分快適だと思います。散歩や遊びを十分にして体力気力が満たされた犬は、室内ではそれほど広いスペースを必要としません。
犬は長い時間眠る動物なので普段は家の中でも横になって休んでいることが多いと思います。1日2回の散歩などしっかり体を動かす機会がつくれるのであれば、室内では体をゆったりと伸ばして眠り、少し歩いて体を回転させるだけのスペースがあれば問題ないのです。
室内で放し飼いにすることにとらわれず、愛犬を含めた家族全員にとって最も安全で快適な環境をつくるようにしっかりと考えてみましょう。
鈴木桂子
室内飼いの場合、床が滑りやすいフローリングだと、後ろ脚や股関節に影響が出ることがあります。特に活発なジュニア期までは影響が出やすいので、トイレの躾ができていれば絨毯やマットを敷くのがいいでしょう。
室内飼いの場合、忘れてならないのは「愛犬は家族の一員」だという認識とともに、「犬は犬」だという認識です。寄り添う暮らしを快適にするためにも、犬に対等だと思わせることは失敗です。
あくまでも人がコントロールしている中で成り立っている関係だということを、飼い主も犬も理解する必要があります。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 大福
二頭共、パピーの頃はイタズラもするしトイレも上手くいかないと心配でしたが思うより大人しくしています。
最初の仔は、オールフリーでしたが2人になったのでキッチンだけは入れない様にしました。
私が居るときは、イタズラしたりバトルしたりしていますがお留守番は、大人しく寝ています、イタズラも有りません。
飼い主が思う以上に賢いです。
壊されたく無いモノや危ないモノに注意すれば良いです。
フリーにして、良かったと思います。
50代以上 女性 匿名
良くフリーにするかケージにするか問題になっていますが、躾の問題をクリアすればあとはライフスタイルではないかと思います。基本的にトイレトレーニングが完璧ではないとフリーはあり得ませんし、最低でも犬が成熟する2歳ぐらいまで、環境に適応できたと確信できる期間を終えてから徐々に犬の性格や癖などを見ながら広げていけば、最終的にはオールフリーにできると思います。もちろん犬にとって充分な愛情、運動、規則正しい毎日、また危険なものは取り除くことは大前提ですが。今まで全く悪戯やトラブルはありませんでした。
犬は習慣の動物なので毎日の生活で自分の居場所を持つようになります。例えば朝起て挨拶を済ませるとキッチンのそばの定位置に自然と2匹は行き、家族団欒の時間も定位置にいます。災害や停電も考えるとオールフリーのほうが安心できるので自宅ではそうしています。犬がどう感じているかは素人なのでわからないですが飼い主や家族のそばに自由にいるのが犬の幸せなのではないかと思っています。