犬は無条件に人間を愛する
母親が我が子に対して無償の愛を与える・・・といいますよね。また犬や動物の愛は無条件だといいますが、これらの愛とはいったいどういうものなのでしょう。
おそらく犬が飼育放棄や虐待を受け、放置された後でも再び自分を愛する人間を信頼し、人間社会に心開いていくことができるかが重要なのではないでしょうか。
犬が無条件にすべての人間を愛しているという意味ではなく、苦しい時を経ても再び許し、忘れ、愛する能力を持っているということです。
犬が私たちを愛しているかどうかは、私たちに人間にとって“愛とは何か?”が重要なテーマとなります。
無条件の愛、無償の愛とは
スピリチュアルな世界で語られる、“無条件の愛”や“無償の愛”とはいったいどのようなものでしょうか。
相手に見返りを求めたり、何かをしてくれるから愛する・・・という条件つきのものではなく、”ありのままを愛する”ということです。
男女の間でありがちな条件つきの愛
人間社会において男女の愛に置き換えることがあります。例えば社会的地位がある人や知名度がある人だから好きになる、というのは条件つきの愛になります。
とかく女性は相手からプレゼントをもらう、誕生日や記念日を忘れずにいてくれる、毎日メールや電話を欠かさないなど、相手の愛を推し量ることに興味があります。
相手に物質的なものや愛されることを期待する気持ち、自分にとって得をする情報やメリットを考えたり、期待したり見返りを求めて愛するということは無償の愛とは程遠いのではないでしょうか。
しかし無条件の愛とは、相手がどのような人物でどんな状況であっても、例え自分を愛していなくても、相手を愛すること。
自分の子どもや動物をただ純粋に育てることは、見返りを期待することなく、限りなく無償の愛に近いといえます。
犬が人間に教えてくれる無条件の愛とは
1.犬は決して恨まない
私たち人間は生活のために収入を得なければなりません。仕事をするために職場へ通い、親友や仲間、恋人や家族との時間を作ります。長期休みがあれば家族や友人と旅行に行くこともあります。
いくら愛犬を大切にしていても、24時間常に一緒にいるわけには行きませんよね。
愛犬は私たちがなぜ自分を残して去っていくのか・・・、いつ戻ってくるかさえ分からないでしょう。どんなに長い時間待ちわびても、不安や淋しい思いを募らせることがあったとしても、決して人間を恨みません。
犬は私たちが帰宅する時間を嗅覚や体内時計で察し、玄関の前で待ちます。飼い主がドアを開ければ必ずそこにいて、尻尾を振って体中で喜びを表現してくれます。
2犬は飼い主が最優先
人間は常に刺激を求め、新しい情報を得ながら成長していく生物です。
多忙な人間社会において、私たちは多くのモノや景色を見て、関心が広がっていきます。
必要な資格を取るために勉強したり、趣味やスポーツを楽しんだり、トレーニングジムで身体づくりに励むなど、余暇を楽しむことも必要ですね。
そんな多忙な情報社会の中で、犬に与えなければならない愛情と、病気や怪我から守るための小さな注意を見失うことがあります。
愛犬に多くの愛情を与えていても、ほんの一時的なものが私たちの生活の中で優先される時、犬が大好きな散歩に行く時間を後回しにしてしまったりするのは彼らのせいではありませんよね。
しかし、犬はいつでも飼い主が最優先なのです。
3.犬にとって飼い主はいつも最高!
私たちが何かに躓き挫折した時も、職を失って住む家を失くしたとしても、犬は飼い主に寄り添い、癒しを与え、ともに生きてくれます。
日本と比べホームレスが多い海外では、仕事も家もお金もないホームレスと暮らす犬が非常に多く社会問題となっています。住む家がない人々にとって犬はかけがえのない親友であり、無償の愛を捧げたいパートナーなのです。
彼らは最愛の犬に満足な食料やベッドさえ用意してあげることができません。病気や怪我をしても動物病院に連れて行くことさえできないのです。
それでも彼らは寄り添い、屋根のない段ボールの上で汚れた衣服で暖を取り、僅かな食料と飲み水を分け合う唯一無二の深い絆があるのです。
犬にとって人間のお金や地位や名誉などは一切不要で、住む家や柔らかいベッド、食料やおやつを与えてくれなくても、飼い主にはダイアモンド以上の価値を感じているのです。
4.犬の愛情は決して揺るがない
犬は人間に比べて寿命が短い動物です。犬はいつか飼い主より先に旅立ってしまうかもしれませんが、私たちを心から愛しています。
彼らの飼い主への愛情は決して揺るぎません。犬が何を考えているかは有名な生物学者でも真相は分かりません。しかし犬は、自分を愛する以上に私たちを愛しているのです。
これは人間が犬とともに暮らす生活の中で、犬が教えてくれる貴重な教訓なのです。
最後に
愛とは簡単に定義できないもので言葉では語りつくせないものですよね。男女の恋愛においても相手に見返りを求めない純粋なカップルもいます。
長い結婚生活の中で、いつしか愛情の形が変わっていくことを私たちは体験しながら愛とはこんなものだと学習して行きます。
しかし、犬は生涯決して揺るぎない愛を私たちに注ぎます。
犬が忠誠心を持てる立派な飼い主になろうとしなくても良いのです。犬を愛しているという純粋な気持ちさえあれば、犬は“ありのまま”を愛してくれるのです。