「海」に潜む犬にとっての危険
その①「海水に注意!」
犬は全身を被毛で被われているため、カラダに海水がまとわりつきやすい動物です。また、海水は様々な成分を含んでいるため、何等かのアレルギー反応を引き起こしてしまう可能性があります。海水に触れてから、少しでも異変を感じたらすぐに獣医さんに診てもらいましょう。
また、皮膚が被毛で被われているため、異変に気付かないことも多くあります。海水浴を楽しんだ後は、必ず皮膚の健康状態を確認しましょう。
海水を飲ませない!
犬は塩水を飲むと嘔吐し、胃の中の異物を取り出す際に用いられることがありました。
しかし、海水は塩分濃度がとても高く、犬の心臓や腎臓に大きなダメージを与えます。人間のように、大量に汗をかけない犬にとって、海水のような高濃度な塩分は必要ありません。
海へ出かける際には必ず飲料水を持って出かけましょう。海水を飲んでしまわないよう、こまめに水分補給を促してあげると良いと思います。
海水浴を楽しんでいる際にどうしても口の中に海水が入って飲み込んでしまうことがありますが、海水を飲み込んでしまったことによる下痢が起きてしまった場合、下痢による脱水症状を防ぐため、しっかりと水分補給をさせてあげましょう。
その②「砂浜や岩場に注意!」
とくに日射しの強い日は、手足や肉球を火傷しやすいため注意が必要です。犬を砂浜で歩かせる前に砂浜の温度を手で触って確かめておくと良いでしょう。海で遊んで後は、火傷をしていないか、水ぶくれになっていないかなど確認しましょう。
肉球のケガに注意!
また、岩場での手足や肉球のケガにも注意が必要です。貝殻・岩・ゴミ・釣り針など、岩場には危険なものが潜んでいます。肉球に裂傷を負うなど大きなケガに繋がる恐れがあります。岩場は足元が不安定になりますし、近づかせない方が良さそうです。
その③「海洋生物に注意!」
クラゲやエイなどに刺されるとアナフィラキシーショックを引き起こす可能性があります。事前に危険な海洋生物が生息している区域ではないかなど調べておきましょう。
「川」に潜む犬にとっての危険
その①「細菌と原生生物に注意!」
クリプトスポリジウムやコクシジウムといった寄生虫など、川にはたくさんの微生物が生息しています。
犬を川で泳がせたり遊ばせたりした後は、検便検査を受けることをおすすめします。感染している場合、持続性のある下痢の症状がみられることがあります。
とくに注意したい病気や感染症
- ジアルジア
- レプトスピラ症
- クリプトスポリジウム
- カンピロバクター
これらは口から侵入し、犬にも人間にも感染します。
その②「水中毒に注意!」
水分の過剰な摂取によって体内の細胞が膨化することで引き起こされる低ナトリウム血症という症状があります。
川遊びを楽しんでいるうちに喉が渇き、大量の水を飲む犬は注意が必要です。水分補給だけではなく、休憩を取り入れながら遊ばせるようにしましょう。
また、水中毒になると次のような症状が見られるので、注意して愛犬を見てあげましょう。
- 嘔吐
- 痙攣
- 呼吸困難
その③「胃腸ピシウム感染症に注意!」
ピシウムは米国湾岸諸国の湿地海域で発見されており、集団発生の報告もあります。食道や胃腸で菌が発生し、食欲の低下・嘔吐・下痢などの症状を引き起こします。
ピシウム菌は真菌の一種で池・沼・川などの水がある場所に多く生息しています。水に直接触れることや摂取することで感染するといわれています。
死に至る危険もある感染症であり、治療は困難であるとされています。感染の可能性がある川へは近づかないようにしましょう。
まとめ
海や川で愛犬と水遊びを楽しむことが夏の醍醐味だという方もいらっしゃると思います。残念ながらうちの愛犬たちは水遊びが苦手なので、海も川も眺めるだけなのですが、よく考えてみると海や川には犬にとって危険なことがたくさん潜んでいます。
海や川で遊ぶ際にはどのような危険が潜んでいるのがよく考え、周りにいる人や犬にも注意し、安全に遊びましょう。