犬のジアルジア症とは
ジアルジア症はランブル鞭毛虫とも呼ばれ、病原性を持つ寄生虫が犬や他の動物に寄生する原虫感染による感染症です。
数週間の抗原虫薬の投与で治るのですが、感染力が高く、免疫力の弱い子犬を中心に急性または慢性の下痢を起こし重症化し、治らないまま亡くなることもあります。
また、犬の多頭飼いで排泄物による汚染が起きやすい環境では、感染しやすくなります。世界中に広く分布しており、人間への感染も報告されています。
犬がジアルジア症に感染した時の症状
ジアルジア症の潜伏期間は7日~10日と言われており、咳や吐血などの症状は通常みられませんが、下痢、食欲不振、腹痛、嘔吐、脱水症状などが主な症状としてあらわれ、まれに血便のある犬もいるようです。
においのきつい血便や泥状便、水様便をたくさんしたら、ジアルジア症に感染していることを疑いましょう。
犬がジアルジア症に感染する原因
ジアルジア症の感染経路は、子犬の場合、ブリーダーやペットショップでの感染が多いと言われています。これは感染している犬とそうでない犬が狭い空間で飼育されている事でおこります。
成犬では、水たまりや河川の水を飲んだり拾い食い、下痢をしている犬の便によって感染することが多いので、散歩中やドッグランなどでは注意が必要です。
また、シストと言われる休眠状態の病原体でも感染します。この場合は症状には出ませんが、シストは体外に出ても生き残るので、感染している犬の便を食糞したことにより、体内に取り込まれて発症することもあります。
犬のジアルジア症の検査方法
感染していることを調べる方法として、検便やELISA検査キット(酵素免疫測定法)などが一般的です。しかし、ジアルジア症の特徴として、一度の検便ではこの寄生虫が検出されないこともあるので、正確な診断には日にちをおいて2~3回の検査が必要となります。
また、これらの検査と併用してPCRという遺伝子検査を併用することでより正確な診断ができるそうです。
犬のジアルジア症の治療方法
症状にもよりますが駆虫薬を内服すれば、治療期間は1週間から数週間で改善し次第に完治します。長期の下痢で体力低下がみられるなどの時は点滴や皮下補給が必要となります。服薬で症状が改善して良くなったように見えても、犬の体やベッドなどにシストが付着していると再発する可能性が高いので、シャンプーをしっかりして様子を見ましょう。
自然治癒することはない感染症なので、完璧な駆除のためには消毒を徹底し、室内を清潔に保つようにしてください。
犬のジアルジア症の薬
ジアルジア症のためのワクチンや治療薬はなく、メトロニダゾールなどの駆虫薬を最低1週間服用します。
フェンベンダゾールもジアルジアには効果があります。下痢がおさまっても処方された薬は最後まで服用させます。また、他のペットへのシスト感染を防ぐため、症状が出ていないペットにも駆虫薬を服用させる必要があります。
犬のジアルジア症の予防法
ジアルジア症は、感染していても症状がないこともあるので予防は難しいですが、拾い食いをさせない、水たまりや河川、湖の水を飲ませない、便を放置しないなど清潔を心がけることが大切です。
シストは水中でも数カ月生き残ることができ、水道水に含まれる可能性もあるため、水道水を与えるときには充分煮沸消毒してから与えましょう。
ジアルジアは犬から人にうつる?予防する方法は?
ジアルジアは犬から人にうつる感染症
ジアルジアは、犬から人へ感染する可能性がある感染症です。人と犬との生活が身近になり、犬から人だけではなく人から犬への感染も起こり得ます。
人間への感染は、日本では発展途上国の衛生状態が悪いところに行った人などからの報告があるのみですが、人もトイレの後の手洗いや消毒に気を付けましょう。
予防法
犬から猫など他のペットへの感染もあるので、ペットに下痢などの症状が出ているときは、ジアルジア症にかぎらず感染症を疑います。症状がなくても定期的に検便を行うことで予防することができます。
前述の通り犬から人への感染も無いとはいいきれないので、感染した犬の便の処理の際は手袋を使い、汚染された場所を消毒し、清潔を保ちましょう。人間感染は特に子どもに触らせないよう注意することが必要です。
ジアルジアにかかった犬はペット保険に適用される?
加入している保険会社のプランにもよりますが、消化器疾患として下痢や感染症であると認められれば、診療費は保険対象となる場合が多いようです。
通院も必要なので、ペット保険を検討する場合は通院もカバーする保険を選んでおくと良いようです。
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まとめ
ジアルジア症はいつどこで感染するかもわからず、感染していても症状が出ないことがあるなど、犬を外に出すのも怖くなってしまうような消化器疾患ですがむやみに怖がらないようにしましょう
下痢が長引くなど異常を感じたらすぐ獣医師に相談し、感染を最小限にするためにも予防と治療を徹底して行いましょう。
ユーザーのコメント
30代 女性 ミニー
10代 女性 のんのん
20代 女性 すず
40代 女性 TIKI
30代 女性 patata
女性 ゆんぼ
女性 Romane
しかも人間にも感染する恐れがあるなんて。。。
うちはいまのところ大丈夫ですが、いとこの家のワンコがものすごい下痢が続き病院に行った時になんとかという感染症にかかったみたいと言っていたのを思い出しました。
その子はお薬の処方と継続して点滴を受けてなんとか回復してました。
もしかしたらこのジアルジア症だったのかもしれませんね。
しかも散歩中でも感染する可能性があるとなるとこれからの散歩も怖くなりました。
とはいえ、散歩に行かないわけにもいかないので、別のワンコの糞尿などにあまり接触しないように心掛けたいです。
40代 女性 めりりん
まだ小さい子犬でしたし、とても心配しました。
ショップに伝えると、「新しい環境でのストレスでは?」と言われましたが、どう見ても機嫌はいいのに食べない、いわゆる食べたいのに食べられない様子なので気になりました。3日目からは、
全く食欲がなくなり、薬も褒めながら少しずつ与えていました。
先輩犬もいましたので、そちらへの感染も不安でした。治療は数ヵ月かかり、先輩犬の便も毎回検査してもらいました。幸い、二次感染はありませんでしたが、記事にもあるようにとてもしつこい病気ですので、是非皆さんにも注意していただきたいです。うちの子達は仲良しなので、隔離も苦労しました。これからも注意したいです。
女性 ポメ
30代 女性 あずき
女性 ゴン吉
犬だけではなく人間にも感染するなんて危険です。ペットショップなどでもよく見られるとのことなので、ホームセンターへ頻繁に愛犬を連れていくのが怖くなりました。
高齢なので下痢はとても体力を使います。人間から愛犬にうつすことがないように、自分も気を付けておこうと思います。
40代 男性 ミンパパ
診断の結果ジアルジアに感染していました。
飲み薬を貰い1週間しても下痢が治らない。
病院では耐性ジアルジアとのことで別の薬を使用し4週間後に完治しました。
保険は我が子になってから1ヶ月以内の病気だったので、治療費は全額無料となりました。
我が子の兄弟犬の飼い主さんにも連絡をしたところ、やはり下痢が続いているとのことで検査するとやはりジアルジアに感染。
しかも先住犬2頭にまで感染していたとのこと。
こちらは我が子よりも完治まで時間を要したそうです。